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裕人、15才 中学3年生2 夏休み

受験生は勉強しなさいって

ヒステリックに叫ぶババァこと、母親は置いといて

愛に生きるぜ


というのは半分本気で、半分冗談


峰ちゃんの住む、東京にやってきました

っていっても、電車で1時間から2時間内だからそう遠くはない

なのに、峰ちゃんは帰ってくることはない


去年までは、女子寮で暮らしていたらしいけど

今は、一人暮らしをしてるって聞いて

行きたいって何度かお願いしたら

オーケーしてくれた


電車の改札には峰ちゃんの姿

数年前と変わらないワンピース姿の峰ちゃんだった


「峰ちゃーん」

大きく手をふると、小学生の時みたいに小さく手を振りかえしてくれた

やっぱり、変わらないなと嬉しくなる


オレも相当変わって、でも変わってない

手を振りたくなるのも、抱きつきたくなるのも

でも、もう峰ちゃんより、身長が高くなったから、胸にダイブはできない

まぁ、違う意味でダイブしよう


それとも峰ちゃんはバージンロードはバージンのまま歩きたいなら

それだけは我慢するけど

もしバージンじゃなかったらショックだけど

オレも彼女いたし、そういう関係にもなっただから、峰ちゃんを責めたり出来ない


「ゆうとくん、恥ずかしいよ」

ぎっゅと抱きしめて、オレの胸あたりでもごもごいってる

あはは、可愛い、激かわいい


「いいじゃん、逢いたかったんだし」

そういって、手を握ると、握りかえしてくれた

ちょっと冷たい手だった


「寒いの?」

そう聞いたら、峰ちゃんは恥ずかしそうに笑って

「ちょっと緊張してるの」

っていわれた


うわっ嬉しい、これって男として意識されてるってことだよな?

「だって、来るっていったけど

 来ないかもしれないでしょ?」

え?何それ、口先だと思われた?

オレ、峰ちゃんの中ではチャラ男なの?


「オレ、峰ちゃんとの約束だけは守るけど?」

心外だっていう気持ちが声に出てみたいで

オレの声は、自分がおもったより、冷たかった


「ご、ごめんなさい、そういう意味じゃ」

じゃぁ、どういう意味だよ

って聞きたくなったけど、小さくなった峰ちゃんを見て

何も言えなくなった


「もー、峰ちゃん」

そう言ってオレはもう一度抱きしめた

ああ、やっぱりいいにおい


「ゆうとくん?」

小さくなった体が、少しだけ解れた

「ぎゅっとして?」

小さな子みたいで、ちょっと恥ずかしいけど、そういうと峰ちゃんは必ず抱きしめてくれた

今もそうだった


「ごめんなさいして?」

オレは言う

「ごめんね、ゆうとくん」

きゅっと抱きしめられて顔は見れないけど、峰ちゃんは、優しい顔をしてるはず

「びっくりさせて、オレもごめんね

 でも、行くって言ったら行くし約束は守るよ

 守れない時は連絡するから、信じてね」

そういうと、峰ちゃんは、うんと言って頷いた

さらりと揺れる髪、そして匂い

こつんと当たる頭

ああ、やばい、可愛い


「いこっか」

このまま行くと理性というより、下半身的にやばいので

離れてもう一度手を繋ぐ

「うん、いこっこっちだよ、ゆうとくん」

さっきの効果もあって、峰ちゃんは、昔不名誉ながら迷子になった時みたいに

連れて行ってくれた



かなりのぼろアパートに

「ふ・・・古いでしょ?」

うん、なんか、レトロ通り越して、むしろぼろ


「すげぇ、こんな家未だあるんだ」

オレの正直な感想を許してほしい

「でもね、ちゃんとお風呂もあるしおトイレもあるのよ」

あそういや、テレビでないのもあるってやってたな


「でも、いいよな、こう言うの」

ぎしぎしいう階段、部屋と部屋の感覚は狭いけど

峰ちゃんから、知り合いばかりだって聞いた

「まじで、共同生活ってかんじじゃん

 キャンプみたいでおもしれー」

っていったら、峰ちゃんにくすくす笑われた


「毎日だと飽きちゃうかもよ」

まぁ確かに、でも、峰ちゃんの部屋は、物が少ないけど女の子らしい綺麗な部屋だった


「ゆうとくん、泊まる所はここらへんなの?

 チェックインの時間とか大丈夫?」

お茶をのんで、お互いの近況を聞いてというより、聞き出して

一息ついた頃、初めての質問はこれだった


「え?なんで?」

峰ちゃん所泊まるのにホテルなんてとらないよ

「え?」

峰ちゃんがきょとんとした顔になった


「オレ、ここ泊まるけど?

 女子寮じゃないからいいんでしょ?」

そう言うと、目に見えて峰ちゃんはおろおろしてる

よし、この反応は男連れ込んだことない反応だ


「駄目?」

何も気付いてませんよー的な感じで聞くと、眉尻を下げた峰ちゃんだけど

「お布団一つしかないよ?」

と折れてくれた


「夏だから、いらないし、床でいいよ

 バスタオルぐらい貸してくれたらなおよしっ」

男子のお泊まりなんてそんなものです

むしろ、一緒に寝たいけどね


「そ、そんなものなのね」

そういうと、タオルケットを出してくれた

これは余分があるらしい

うーん、どうなんだろう、やっぱ、誰か泊まるのか

と心配したら、峰ちゃんの布団は、普通の布団で、タオルケット使ってないだけらしい

ああ、よかった、自分用だってほっとした


「数学からしよっか」

そう、一応の目標は、受験勉強

それと、会いに来ただけ


それからみっちり、教えて貰った

やっぱり、わかりやすくて、峰ちゃんの声のせいかどんどん頭に入ってくる


意外とスパルタなのは、びっくりしたけど、

風呂から上がったら、いきなり、年号とか聞かれたり

寝起きに記憶した古文とか言わされるんだよな


最初は、全然駄目だったけど、

10日間のみっちりやってたら、なんか覚えれる脳になってた

聞かれたら、さっと引き出しがあいて、

そこから答えが飛び出して行く感じになった


峰ちゃんは、そのたびに凄い凄いって、手を握ってくれるけど

両手で握るものだから、その間の胸がぷにぷに揺れて

それが見たくて頑張ってたのかも


結局そんな感じで10日間は終わった

家に帰って、塾の学力テストは段違いに上がってびっくりされたけど

よく頑張ったって褒められて、まんざらじゃない気分


よし、頑張るぞ

できる男になるぞ

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