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7年前
私的好物をいっぱい詰め込んだハーレクイン風恋愛小説です。
拙い文章ですが、どうぞお付き合いください。
「なんて軽率な…君は一体何を考えていたんだ…」
静かに響いた低い声は、私を絶望へと突き落とす。
無意識のうちに腹部に手をあて、そこに既に何者もいないのだという事実に泣きたくなった。
どうしてこんな事になったのだろう…なんで…
虚ろな瞳から涙が滑り落ちる。滲む視界の向こうに立ち去る背中を見ても、私は一言も言葉を告げられなかった。
全てを、失ってしまった――――
誰もいない病院の個室で、私はただ一人泣き続けていた。