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ある魔法使いの物語  作者: 座れない切り株
〜プロローグ〜
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1頁 魔法使いの旅立ち

 昔々のある日、突如として未知のモンスターが現れた。

そんなモンスターに抗う方法として魔法という物が生みだされ、魔法を使ってモンスターを撃退した【魔法使い】と呼ばれる者がいた。

その時代のことを記録したとされる古書には、モンスターとの戦いで活躍したであろう8名の名前が記されていた。

  ――ただ一人を除いて

人物らが名を連ねる中に、その一人はこう記されていた

 【偉大なる魔法使い】と――

その称号めいた名は未だに忘れ去られることもなく、他の人物らや、魔法という言葉とともに受け継がれてきた。

 

 時代は移り、はるか昔の大戦から2~3千年程経った現在のお話

15歳になった私は、両親の勧め、、半ば強制的にある魔法学院への入学を迫られていた。両親は魔法使いとして比較的優秀なのだが、少しばかり個性的なのだ。

何故なのかというと、両親はよく『私達の遠い祖先はあの偉大なる魔法使いなんだ』と言っているのを、ずっと聞かされて育ってきたのだ。


 そんな両親が歩んだきた道のりを私にも歩んでほしいのか、はたまた学院に両親の信頼できる知り合いでもいるのだろうか。

なんにせよ魔法学院には、普通に魔法使いであろうとするなら通う必要があった。

私にはどうやら魔法の才能があったようで、入学するための実技試験でも特段苦労することはなく、無事に入学することはできた。


 無事入学したはいいものの、魔法学院と銘をうっているのだから当然ではあるのだが、偉大なる魔法使いがどうのこうの、次世代の偉大なる魔法使いのような存在になるためには……など両親もそうであるのだがこの世界の人は、みんな同じように飽きもせずに偉大なる魔法使いの名をそこかしこで使っている。

もちろん同じ魔法使いとして偉大なる魔法使い、そして大戦時代の解明されていない魔法の数々を今の世で再現する、ということは魔法使いとしての極致ではある。

だが少なくとも今の私は、そんなものを気にしないで気楽に生きていきたい  


 今日はとても澄み切った晴天だった――そのおかげなのか珍しく星がとてもまばゆく見えた。

  

 「出発日には最適ですかね」


 仮眠から目覚めた後ベッドから起き上がる。 

ふわぁ......と、あくびをしながら、日没前に準備しておいた荷物を詰めたカバンを手に取り、長年着こんだパジャマを脱ぎ、きれいに畳んでベットの上に置く。

部屋の壁に飾るようにハンガーにかかっている外套をインナーの上に着込み、窓際においてある背丈より少し小さい杖を手に持つ。

手に取った杖は少しホコリをかぶっており、少し古びてしまっている。

その古びている杖は幼いころに親からもらって以来ずっと共にあったのだが、学院に在籍していた2年間は、学院の指定する杖を使っていたのでほこりをかぶってしまっている

  

 「そうだ、一応あれも」


 最近何かと物騒なものなので、そんなときのためにと、商店に売っていたあるものを持っていくことにした。

  

 「じゃあ、またいつか帰りますね」

 

 締めきった部屋でだれに伝えるわけでもなく、独り言をつぶやく。

部屋の窓を開け放ち、星がまばゆく光る空を眺め、私はそのまま空に浮かぶ星を掴もうと手を伸ばす――自然と体が星に吸いこまれるように、遠い星を掴もうと窓枠に体がのる。 

  

 「これが私の――新しい旅立ち」 


 窓枠から完全に外に出た体はそのまま宙に浮かぶ、がこの世界には重力が存在するので、体は無慈悲にも地面へと引っ張られる。 

空に浮かぶ星に手を伸ばすのをやめ、呼吸を整えるように軽く深呼吸をする。

  

 「”アップ・ウィンド”」


 私は魔法を唱えると、体が地面にぶつかる前に一瞬ふわっと浮き、地面ぶつかる際の衝撃を緩和してくれる。 

このような簡単な魔法であるのなら杖を使って詠唱をする必要はなく、それらはまとめて一般普及的生活魔法と呼ばれている。しかし、長いという理由で一般魔法と呼ばれている。

   

 「外に出てみると、思ったより暗いのですね」 


 窓枠から飛び降りた私は家が立ち並ぶ居住区を抜け、国の大通りに移動する。

こんな夜更けに外を出歩くことなんてこれまでになかったもので、未知に対する興味がわく一方で、少しの物寂しさも感じる。

大通りはまるで昼間に人で賑わっている街並みとは思えないほど、魔法で光を放つ街頭が、ポツンと孤独に列をなしている。


 そんな明かりに照らされている街並みを歩きながら、国の門を抜けて、外に出る方法を考える。門に近づくと、警備の衛兵が見えてくる。警戒しながらどうするかを考えるが、警備の衛兵を見てみると幸か不幸か、衛兵は二人とも寝ているようで、門から離れた場所で魔法を使い門外に出る事にする。


 衛兵を起こさいようにするため、出力を絞りながら魔法を使う。必要最低限の魔力でウィンドを体に纏い、地面を力強く蹴り体を上方向に動かす。

こうも簡単に門を通り抜けられるのは、後にする故郷をに対して心配してしまう。因みにだが、門外からの侵入者に対しては、魔力障壁が展開されるので安全性は保証されている。


 パッ、パッと服の端のホコリを払い、先の見えない真っ暗な道を歩きはじめる。

国の外には交通道として、ある程度の距離には光源が等間隔で設置されている。が、そんな光源も国同士を繋ぐ道全体には設置されてはいない。

では、そんな明かりもない暗闇をどう歩くのか。星明りが足元を照らしてくれる?目を暗闇に目を慣らす?

と、そんなわけのわからない自問自答をした後、何事もなかったかのように手に持っている杖に魔力を流す

  

 「”ヒノト”」

  

 ウィンドと同じ要領で魔力を杖に込める。すると杖の持ち手最上部が光り、暗闇を照らす明かりとなってくれる。

ヒノトを頼りにしながらしばらく歩くと、森林地帯が見えてきたのでそこで火をおこし、夜が明けるまでひと休みすることにした。

 

 何故この時間に旅に出ようかと思ったのかは、単純な話であり私は家族の了承を得ずに家出してきたからだ。無計画ではあるのだが、どうにかなると思っている。

野生生物や魔物に襲われないように防御魔法を念のために展開して、寝ない程度に気を抜いて休む。

特にこれといった問題は起きず、次第に空が明るくなっていき、傍の焚火も燃え尽きようとしていた。

私は防御魔法を解除し、もたれかけていた木から体をおこし、体を目一杯に伸ばす。


 地面に置いた杖を握りしめ、私は隣国への歩みを再開する。

初めましてこんにちわ、趣味で文を書き始めた、座れない切り株君です。

拙い文章ではありますが、私が思う最後まで書ければと思っています。 

どうぞ、よろしくお願いいたします。

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