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始まり


 20XX年、日本では固有能力を備えた人が無能力者よりも多くなっていた。そんな中、政府は都立水鏡学園という固有能力を持つ者たちが通う学校を建てた。

 都立水鏡学園の紹介をすると、中高一貫で編入も認めている学校で、中等部だと1学年60人程度。高等部だと1学年3,40人程度である。もちろん中高一貫なので普通の勉強もするが、1日の半分以上を練習などに当てている。武器も持ち込み自由だが、練習の時以外は基本、職員が見張っている武器庫に保管することとなっている。

 水鏡学園は基本敷地内にある寮で生活する形で、一人一部屋当たっている。WiFiもフリーWiFiが通じている。

 それだけでなく、スーパー、コンビニ、商業施設、病院と言った生活に欠かせない施設も備わっている。

 さて、学園で行われる大事な試験のお話をしよう。

 固有能力を持つ者のみが通う学園とはいえ、普通の学校と同じく定期考査がある。と言っても、実戦形式の考査のみで筆記などの考査はない。

 中等部を過ごし、中等部3年の3月になると高等部への昇級がかかった昇級試験が行われる。対象は中等部3年全員で、昇級試験は実戦形式での試験となっており、全11回対戦を行い、勝率が高い上位30人が4月から高等部として過ごすことができる。逆に言えば、残りは全員水鏡学園を強制退学させられ、一般の高校に入学することとなる。

 

 なお、この昇級試験は高等部の生徒も観戦に来るため、中等部の生徒からしたら緊張するのである。

 さらに、高等部3年には最終試験というものが待っているが、こちらの説明は今回は割愛する。

 そんなこんなで昇級試験や最終試験など厳しい試験がある水鏡学園には黒影晴衣クロカゲセイという2振りの剣と固有能力の両方を巧みに扱いながらも無表情を貫く少女がいた。


 ーー彼女の人生は絶望と地獄で埋め尽くされていた。

 両親からの暴行、友達の裏切り、いじめ、、、彼女が受けてきた仕打ちをあげるならキリがない。

そんな中で彼女は沢山、沢山、心を壊され、その心を閉ざしてしまった。

 彼女が暴行、裏切り、いじめを受けてきた理由は、彼女の秘密にあった。

 彼女は特殊な能力、いわゆる固有能力を持って生まれてきた人であること。

 一般人と一般人の間に固有能力を持つ子が生まれる確率は1%にも満たない。案の定、両親は喜ばなかった。ひとりで言葉を話したり歩くことができた頃まで成長した時、両親は彼女を殴り、失望した顔を向けた両親は家から出ていき、気づけば彼女は1人で暮らしていた。祖父母から送られる金を使って、生活を続けていた。

 当時通っていた学校ではいじめの標的となり、唯一信用していた友達にも裏切られ、辛い時に担任の先生に勧められ、水鏡学園に中学3年生の春に編入してやってきた。なお、彼女の体の痣はバレないように特殊なシールで隠している。


 編入した彼女は最初から強さを見せつけた、というわけではない。学園に事情を話し、あえて実力を出さずに過ごしている。それでも、強いことに変わりはないのだが・・・

 学園の生徒の中には彼女を羨む者、彼女を尊敬する者、彼女を貶めようとする者・・・と言った形で色んな派閥の人がいるからこそ、彼女は無言を貫いてきた。誰にも関わりたくない、誰とも仲良くならない。

 そのスタンスを3月まで保ち続けた。3月ということは、そう、昇級試験の話が学園中(主に中等部)を轟かせた。意気込む者、絶望している者・・・色んな人がいるが、彼女は・・・晴衣はただ青空を見上げていた。

 晴衣はわかっている。本気を出してまで昇級試験をやる必要は無いということを。本気を出さずして高等部に行けると・・・

 今年の昇級試験の開催日時は3月5日から3月12日まで。そして今日は3月1日。あとちょっとで1つ目の関門の幕開け。

 さあ、貴様たちの運命を分ける時だ。

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