表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/48

異常事態

 

 二人はとりあえず、とどちらからともなく学校へと足を進める。

 きっとソフィア先生が終わりの挨拶をしているころだろう、と思い教室に入ったが、人っ子一人いない。


「何があった......魔力も、朝の痕跡しか見えない」


 人は誰しも魔力を持っており、それが魔法使いともなれば、体が無意識に魔力を放出したり、珍しい人で言えば魔法を無意識で使う人までいる。

 が、そのような痕跡が一切ない。ということが示すのは。


「誰一人として、学校に戻ってきていない」


 フィルターで現地解散しているのか、はたまた何か問題に巻き込まれたか。

 とりあえず魔法を使って学校中を探索してみるも、人の影一つない。


 逆、つまり俺が何かをされている、とライズは疑って幻術に対応する簡単な方法、魔力の放出を試してみる。

 も、周囲の環境が変わることはなかった。


「これは一体どういうこと」


 ガイアがぼそりとつぶやいた。


 職員室に行ってみるも、校内大会に来ないで学校に残った先生すらいない。


「これは異常事態だ」


 そう言ったライズは一気に光魔法を使い、王都のあちこちをさがしはじめる。


「見つけた」


 数秒で見つけたライズ。が、状況は芳しくはなかった。


 もっと頭を凝らすべきだったのだ。


 あの頭の悪そうな悪魔が、どうして人間界に訪れたのか。


 あいつが戦いたかったから? それなら悪魔同士のほうがよっぽど満足できる。

 襲撃を仕掛けたかったから? それなら逃走用に何か用意してもいいだろう。それに、目的がはっきりしない。

 様々な可能性を切り捨てた結果―――――と、そこでガイアが答えた。


「あいつは陽動だった」


 ライズもその答えを導き出していた。


「急ぐぞ」


「うん」


 もう日が落ちてきた。

 もう生徒たちは寮に戻る時間だ。


「さて、流石に救援を呼ぶか」


 ライズはそう言うと手の先から微弱な光魔法を放出しだした。

 それが何を意味するのかは、ガイアにはわからないことだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ