エアリ出陣
「次はBブロックの開始です! なお、Dブロック出場の選手は待機室へと来てください!」
どれだけ人数がいるんだ、とライズがエアリに聞いたところ、クラスの約半数が受け、それが三学年同時で行われるらしい。
「それじゃ先生、私Dブロックなので行ってきますね!」
「あぁ、行ってこい」
そう言ったら、エアリは手を振りながら待機室へと向かっていった。
エアリが行ってしまい、観戦席が俺一人となってしまった。
そう思い、一人はなんか嫌だとてくてくとどこか行く当てもなく歩き出す。
ふと右を見ると、そこには迷子センターがあった。
「あ、ライズ先生!」
ソフィア先生がいるが、一瞬迷子の子かと間違えた。よく見ている俺だからこそ見分けられたな!
そう自画自賛していると、ソフィア先生がむっとした表情をしていた。
「私、試合見れなくて困ってます」
「そ、そうですか......」
「私、試合見れなくて困ってます!」
「......か、変わりましょうか?」
「いいんですか? ぜひお願いします!」
この先生はずるいと思う。だが、あそこまでされてわからないというほど俺も鈍くはない。きっと先生は誰か別の男と待ち合わせをしていて、待ち時間に間に合うように俺を替え玉として起用したんだ。きっと。
「くそ、俺も彼女が欲しかったぜ......」
そう、ぼそっと、冷えた声でつぶやく。
後ろから「ねーねーだいじょうぶ?」「彼女いないの?」
後ろから何度も服を引っ張られる。
「うるせー! 俺だって、俺だって彼女の一人ぐらい......!」
言っててなんか悲しくなってきた。
「元気出せよー」「人生それだけじゃないって」「彼女いないんだー、僕いるのにー」
子供たちが元気を与えてくれた。ちょっと待て最後のやつ!
「誰だいま彼女いるって言ったやつ! 出てこい!」
そう言った瞬間に「うわあああああ!!!」と言って逃げ出してしまった。しまった、一気に大きな声を出しすぎた。
と思ったが、どうやら狭いスペース内で鬼ごっこが始まったようだ。
「マテ彼女持ちィィィィイイイ」
「うっひゃあああああああああ」
彼女持ちを執拗に追いかけるライズ。逃げ回る彼女持ち。
忙しく狭いスペースを走り回っているうちに、B、Cブロックは終わってしまったようだ。
次はエアリか。他のやつらも出番あるなら言ってくれればよかったのに。
さっさとエアリを観戦するために......観客席にいくわけにもいかないので、仕方なく備え付けの最新魔道具を見る。どうやら場面の風景を別の場所へと投射するようだ。
「いいな、これ」
そうつぶやきながら、子供たちの遊具にされながら、Dブロックは始まった。




