可愛い過ぎる私の婚約者 婚約者と平民の誓い
連載『婚約者と秘密の会』の関連作品です。
女性は強し!!
「私たちは、今こそ立ち上がるべきである!」
私は、力強く宣言した。
今しないでいつするの?
悪魔は、退場した。←ざまあみろ!
もはや私たちの野望を邪魔できる者は、ティッオ殿下しかいない。
けど、ティッオ殿下は男性だ。
よほどのコトがない限り女同士の中に入ってこない。
「皆さん、″コレ″に署名してください。」
同士たちが名前を書き込んでいく。
さあ、これを我が婚約者に託すだけだ。
「はあ!エメリン、何を言ったんだ?」
予想通りの反応ね。
顔に大きく関わりたくないと書いてあるわ。
「これをレオンクラウド殿下に渡して下さい。」
迷惑をかけないとは言わない。絶対に迷惑はかけるから。
「私たち、少しでもあの方のお力になりたいのです。」
どんな目に遇われても凜と背筋を伸ばしていらっしゃるお姿。
とても美しくて、とても寂しい姿。
声をかけたくてもかけてはいけない方だった。
他者を寄せ付けないように冷たくされていらっしゃるけど、本当は凄くお優しい方だとみんな知っている。
平等だといいながら、学園は平民に優しくない。
実力で入った上級の教室なのに、平民だから学力が下の貴族にも見下される。
けれど、あの方はそんなことをされない。
命令されて仕方なくした意地悪にも困った顔をして流してくれた。
貴族に絡まれた時もさりげなく助けてくれた。
だから、これからは、私たちがあの方をお助けするの。
妨害されている婚約者レオンクラウド殿下との逢瀬もスムーズにいくように頑張る。
レオンクラウド殿下の側だけ、あの方の雰囲気が冷たくなくなる。
口元に笑みが浮かび、表情がコロコロ変わられる。
私たちは、そのお姿を見られるだけで幸せ。
そう、ほんの少し、本当に少しでいいから、困った笑みではなくて楽しそうな笑みを私たちにも向けてほしいけど。
命令されてだけど、意地悪していたから仕方がないと諦めているわ。
だから、あの方の幸せな時間を少しでも多く長く出来るお手伝いがしたいの。
迷惑をおかけしないようにするわ。
あの方が悲しまれるのが嫌だから。
「了承をもらってきてね。」
腰が引けてる婚約者にニッコリ笑う。拒否は許さないと。
「はい。」
ぶっきらぼうに渡された紙に歓喜した。
あの方のことを思うレオンクラウド殿下なら、こう書いてみえると思っていた。
だから、あの方の負担にならないように影から支えるの。
裏切られたとは思われたくないし、裏切れないから。
だから、″友達″にはなれないの。
さあ、明日から早く行って掃除をしなければ。
害虫どもがあの方の机をぐちゃぐちゃにしてるだろうから。
けど、レオンクラウド殿下、たまには、お二人の様子を見て癒されてもいいですよね?
決して覗き見ではないですよ!
あの方の幸せな姿がみていたいだけなのです!!
殿下のイチャイチャサービスが始まった。