第八話 一文無しと見張り
日が沈んでいく…町が見える。町にはちらほら、明かりがつき始めた。あともう少しで到着しそうだ、そう思っていると、不意にワンコの体が消える。地面に激突しそうになったが、なんとか体のバランスを取る。どうしたワンコ、何があった?
ワンコ「悪い、疲れた。」
ワンコは疲労しているようだ。仕方ない、歩くか…
なにやら、見張りが立っている。と思ったら町に帰っていく。って、ちょっと待て。町の門が閉まり始めた。おーい、開けてくれ。どうやら、見張りはこちらに気づいたらしく。門の動きが止まる。
見張り「早く中に入れ!」
なんとか滑り込んだ。門が閉まった。空を見ると、日は沈んでいた。
見張り「あんた、俺たちが気づいてなかったら、外でモンスターのエサになってたぜ?あんた金は有るか?無いなら、一晩だけ、テントを貸してやるから、町の広場で寝な」
この親切な見張りはどうやら、テントを貸してくれるようだ。元居た世界よりこっちのほうが、人は親切なんじゃないの?
見張り「もちろん後払いだぞ?当たり前じゃないか、見張りは大変な割に安月給なんだよ?僕だって金少ないんだから、さ。」
前言撤回。金は、一銭も無い。後で、返済しないと…あーあ。異世界生活初日の睡眠がテントの中か。ま、野宿よりはマシか…ご厚意に甘えさせてもらおう。
見張りに案内され、広場に着く。
テント設営かぁ…やったことないけど勘でやってみた。意外とそれっぽく見える
明日から、どうしようか…テントの中で寝袋に入って考える。なんとこのテント、寝袋と、ランタン付きだった!それより、まずは金を稼ぐ手段を考えないと。就職するのが、一番の方法か…?いや、それよりこの世界の情報が少なすぎる。それも調べないと…とりあえず、寝よう。
急激に眠くなってきた…ランタンの火を消す。
おやすみなさい…
~to be continued~