第三十話 読書
町長から支給された地図と現在位置を照らし合わせながら、ぎりぎり、日が暮れるまでに二つめの砦近くの町にたどり着くことが出来た。
二つめの砦の構造は分からないが、町の人から聞き込みをしてみたところ、幹部の名前が“アワリティア”と言うことと、幹部を守る強力な魔族が居ることがわかった。クムロと碧さんは宿を探しに行った。それで宿を見つけたら、やっと食事だ。
宝石が青い光を放つ。近くに魔族が居るようだ、今近くに居るのは“手品師”と“陰で本を読んでいる人”と“屈強な体をした男”の三名。
「誰が魔族かわかりました!あの人です!」
いきなり結城君が読書している女性を指差した。
「あぁ、間違いない。あいつは人間じゃない。」
ワンコまでそう言うってことは本当なんだな。女性との距離を詰めていく。
女性の目の前に着いた瞬間、女性が異形の姿へと変貌していく。
素早く下から剣で切り裂き、もう一本の剣で魔族の片腕を削ぐ。浅いか…魔族は体勢を変え逃げようとしている。けど逃がすかよ。
化け物の体に牙が食い込む。久しぶりの活躍だねワンコ。魔族の体が女性に戻った、黒くモヤモヤとしたものが魔族の、いや、女性の体から抜けていく。うん、生きてる。イラ君が言ってた“救う”ってこのことを言ってたのかな?町の人の注目が僕に向けられる。それより気になるのは、結城君がなぜ女性を魔族だと見抜けたのか、と謎が残るがそれよりもまず町の人に説明しないと…
~to be continued~




