第二十八話 魚
いつもと比べて黒の密度が濃い夜。一人の男が宿に向かっていた。
「もう夜かぁ…本を読んでるとつい時間を忘れちゃうね。」
図書館で夜になるまで本を読んだのはこれで二回目、明日からは読めないかも知れないし、最後の晩餐ならぬ最後の読書ってね。
ピチャピチャと、水が滴る音が背後から近づいてくる。後ろに振り向いたその瞬間、目にしたのは人型の魚、いや、人と魚が合体したような奇妙な生物だった。
剣を鞘から抜き構える。しかしどうやって町に侵入した?町は見張りによって万全に守られているはずなのに。
僕が居る場所の斜め後ろから閃光が魚に直撃した。
「魔族の気配がすると思ったら…やっぱり居たか。」
閃光を放った者の正体はイラだった。
「保さんには説明まだだったか…魔族は人やモンスターに憑依することが出来るんだ。こいつみたいにね。」
だから町に侵入出来たのか…魚にでも憑依したのかな?
アクロバティックな動きで魚の攻撃を避けてるイラ、魚の体が魔法によってバラバラになっていく。
「魔族に憑依されても、一度は倒すことで救うことができる、けど、二回目にはもう…魂を魔族に食われてしまうんだ。」
光線が魚の身体を砕いた、悲鳴をあげ消滅していく。
「魔族は人を襲う、防ぐには倒すしかないんだ。」
魔族か…これからはもっと戦うことになりそうだ。結城君と碧さんにも魔族について伝えておくか。
「これで判別できるから、これが青く光ったら魔族が近くに居るってことね。」
小さな透明の宝石を四つ渡された。これが青く光ったら敵が居ると、単純でわかりやすいね。
色々あったが今度こそ宿に行かなきゃ、今は青く光ってない、早く宿で寝るとするか。
~to be continued~




