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いたい場所

作者: RYU

「明日どっか行こうか?」

 彼も私も明日はバイトが無い。彼は私の正面に座って一緒にテレビを見ている。もうそろそろ炬燵をしまう時期かもしれない。

「そうだね」

 付き合い始めたのは3ヶ月前ぐらいだったと思う。大学のサークルを通じて知り合った。

「どこがいいかな?」

 彼は3年。私は2年。学科が一緒だったので、分からないところを教えてもらうことが多かった。そんな日々が続いたある日。彼から、付き合って欲しいと言われた。私は“待ってた”とだけ言った。

「う〜ん。どこでもいいよ」

 実のところ私はサークルに入ったときに彼に一目惚れをしていた。彼から付き合ってほしいと言ってもらうのを待ってた。私はズルイ女だから、彼に私が好きなのを気付いてもらうためにいろんなアピールをした。

「気の無い返事だね。出かけるの嫌?」

 分からないところを聞きに行くのも1つの作戦だった。周りから変な目で見られず1対1で会える。とにかく少しでも近くにいたかった。

「嫌じゃないよ。ただ・・・」

 そんな自分が少しズルすぎるとちょっと後悔している。

「ただ?」

 私は全て彼に頼っていた。彼の行動に頼っていた。

「私はどこかに行きたいんじゃなくて・・・いたいの」

 告白も彼に言わせてしまった。

「いたい?」

 だけど、今日は私の気持ちを私の口から言いたかった。

「あなたの側にいたい。隣にいたい。近くにいたい」

 私は彼を見て言った。

「そっか。じゃあ、俺が行きたいところに行くよ」

 彼のそっけない返事に少し笑ってしまった。こういう事言うの恥ずかしいんだよ。まったく・・・。

「いいよ」

 少し残念な気持ちを押し殺して私は視線をテレビに移しながら返事をした。

「俺は・・・ここかな」

 そう言いながら、彼は私の隣に座った。

 私の顔が一気に赤くなったのを感じた。

「俺のいたい場所は、その、あの・・・お前の隣だよ・・・」

 私は何も言わず、彼の肩に頭を乗せた。

 お読みいただいてありがとうございます。

 恋愛系は2つ目になると思います。前回は小学生、今回は大学生ものに挑戦いたしました。なにぶん恋愛体験が少ないものでショートショートしか書けませんが、これからもよろしくお願いいたします。

 また、コメディーのほうもちょくちょく書いていますので、そちらのほうも気が向いたときで良いのでお読みいただけると光栄です。

 それではまたの機会に(機会があるかどうかは未定ですがw)

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