簡易致傷指標
簡易致傷指標
簡易致傷指標(AIS)はAAAMによって怪我の深刻度を評価分類し、記述する為に作成された解剖学的な記述体系である。これは致傷の深刻度を詳細に評価するより致傷に関連した生命の危機度を表すものである。AISは多くの外傷を表す解剖学指標の一つである。指標の最初のヴァージョンは1969年に刊行され、主な改訂は1976, 1980, 1985, 1990, 1998, 2005, 2008年に行われた。
指標
指標は致傷の三つの側面を12(34)(56).7の様に七つの数値で表したものになる。
・タイプ
・部位
・深刻さ
それぞれの数値は…
・1-身体部位
・2-解剖学上の状態
・3,4-解剖学上の詳細
・5,6-レベル
・7-深刻度
1:身体部位
AISコード 身体部位
1 頭部
2 顔
3 首
4 胸部
5 腹部
6 脊髄
7 腕
8 脚
9 確定不能
2:解剖学上の状態
AISコード状態
1 全体
2 血管
3 神経
4 組織(筋肉、靭帯を含む)
5 骨格 (関節を含む)
6 意識不明 (頭部のみ)
3/4:解剖学上の詳細
AISコード詳細
全体
02 擦過傷
04 挫傷・打撲傷
06 裂傷
08 剥離骨折
10 切断
20 火傷
30 挫滅
40 剥皮損傷
50 特定不能な致傷
60 貫通
頭部 意識不明 (LOC)
02 意識不明の長さ
04-08 意識のレベル
10 脳震盪
脊髄
02 頸部
04 胸椎
06 腰椎
血管、神経、組織、骨格、関節
02 血管
04 神経
06 組織
08 骨格
10 関節
5/6 レベル
具体的な致傷は02から始まる連続した二桁の数値で表される。
骨折、破砕、裂傷・・・
深刻さ
簡易致傷指標は1から6の指標、1の軽傷から6の最大値(現状では治療不能)で表される。6については病気や重体について恣意的に適用すべきでないが、致傷についてはAISの6を詳細に見て適用する。9については特定のコードを適用するに充分な情報が無いときに使われる。例えば頭部挫傷など。
AIS指標は単独の致傷に使われる評価手段である。普遍的に受け入れられる致傷の総合的な記述方式はまだ提案されていない。しかし、致傷深刻度指標とその派生物は臨床的な状況での良い総合評価手段となる。搭乗員保護の為の車両設計やMAISなど他の状況では詳細な致傷の比較、それらに関連する深刻度、それらの度数がどのように車両設計の改良によって変化するかを見るための良いツールである。
簡易致傷指標
AISコード 致傷 例 致死率
1 軽傷 表面の裂傷 0%
2 中傷 胸骨骨折 1~2%
3 重傷 上腕開放骨折 8~10%
4 重篤致傷 気管穿孔 5~50%
5 致命傷 肝臓の組織破裂 5~50%
6 治療不能 大動脈切断 100%
9 NFS(特定不能)