3.1 昨日より今日
お読みいただきありがとうございます!
久しぶりの投稿になります。また少しずつ書いていきますのでよろしくお願いします!
〇昨日より今日
その後は付近を散策して街歩きを終え、りゅうじぃの店でアイスバーを買い、私たちは2人が出会った波止場へと足を向けた。
朝から街を歩き、太陽はもう傾き始めている。
「そろそろ日も暮れるし今日はアイスを食べたら解散にしようか」
マリンがそう告げた。
「そうだね」
「明日はどうする?」
マリンがアイスバーをかじりながら言う。
「明日も私は空いてるよ」
「そっか、じゃあ明日も遊ぼう!」
「うん。いいよ」
アイスを食べ終え、少し話をした後、私とマリンは家路についた。
オレンジ色の空がだんだんと薄暗くなる頃、家に着いた。
家のドアを開け、玄関に母の靴がないことで母が不在だとわかった。
「ただいま~」
「おかえり~」
居間に居る妹のナツが返事をしてくれた。
「お母さんは?」
「晩御飯の買い物だって~」
テレビを見ながらナツが教えてくれた。
私は今の横の台所に行き、冷蔵庫から冷えたお茶を出した。
「ハルねぇ今日は何してたの?」
ナツはテレビを見ながら私に質問する。
「ん~。友達と街をぶらぶらとね~」
今日あったことを一言にまとめて話す。
「いいなぁ~私なんてこっちに来てから街も歩いてないよ~」
ナツは不満そうに言う。
「明日歩いてくれば?」
「1人は嫌だよ~!ハルねぇと一緒がいい!」
私は1人で歩いたが、確かに初めての街を1人で歩くのは心細いかもしれない。
「明日も友達と遊ぶけどナツも来る?」
そういうと、ナツはさっとこちらを振り返り、
「えっ!?いいの!?」
ナツはとてもうれしそうに言った。
「あとで友達に明日連れて行っていいか聞いとくね」
「うん!」
そういうとナツはまたテレビに振り返った。
嬉しそうにしているナツを見ながら、コップに入れた冷えたお茶を飲み干し自分の部屋に向かった。
部屋に入ると、引っ越したばかりでエアコンがまだついていない部屋は蒸し暑く、すぐに窓を開けた。
窓を開けると、かすかに波の音が聞こえ、時折ひんやりとした風が部屋に吹き込む。
そのままベットに腰かけ、マリンへとメールを打つ。
『明日、遊ぶときに妹も連れて行っていいかな?』
短いメールを送ると、少しの間が空いて返事が返ってきた。
『もちろん!妹ちゃん中2だったよね?』
今日の話の中で私に妹が居ることはマリンは知っている。
『そうだよ~』
また短いメールを送ると、すぐに返事が返ってきた。
『じゃあ、あしたは私の妹も連れていくよ!時間と場所は今日と同じで!』
どうやら明日はマリンの妹も来るみたいだ。
『了解~また明日!』
そう返事をすると、
『また明日!妹ちゃんに会うの楽しみにしてる!』
またすぐに返事が帰ってきて、メールのやり取りは終わった。
メールを終え、居間に行き、テレビを見ているナツに明日一緒に行っていいことや集合時間を伝え、再び自分の部屋に戻る。
そのままベットに転がり、今日あった事を思う。
ユウナと電話をして、離れ離れになってもお互いを思っていると知れた。
あんなに離れていた心が、少しのきっかけでまた一つになれた。
それもこれもマリンが背中を押してくれたから。
マリンに出会って、私の中で何かが変わっている気がする。
でも、まだそれが何かはわからない――。
ただ、昨日の私より、今日の私の方が良いと感じることだけは事実だ――。