君の名を愛せ
砂丘を 吹き抜けた風が
摩天楼を 巡りゆく光になる
昨夜の 痛みさえ愛おしく
長い闇を抜けて 声は二人重なる
心臓の早まる音と 絡むモノクロトーン
斜陽の世界に舞う 限りないレインボー
愛せ 君の声 失う前
君の手を 輝くほどに
君は誰? 人影に飲まれる夜
言葉も通じないほどの 異国の天使さ
キスも抱擁も吐息も それは君のため
甘い余韻に浸る ワインに口づけて
愛せ 君の肌 色は問わず
掌に 零れた その涙さえ
愛して
そう 新時代の 天使よ
抱き寄せて もう一人の自分も
愛して
道化か 嘘つきになるか
二つに一つじゃないはず 君の未来
夕暮れの 文明の罪深さよ
眩い七色 差し込む最後の世代よ
迷い込んだ迷路は まだ暗い
残された時間はあとわずか
だから 愛せ 君の血を 流れるまま
手首を 駆け抜ける 命と
愛せ 君の名を 忘れえぬほど
ビルに落ちる 夜闇を抜けて
愛せ そう 狂おしいほど
消えゆく前に 失う前に