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美化委員?
どうしてこうなったのかー
俺は何度も自分に問うた。
*
目つきの悪さから気づけばケンカ三昧。
不登校、停学を繰り返し親からも煙たがられる。
仕方ない、と自分に言い聞かせつまんねー毎日を送っていた。
そんな、高校二年の春。
「はぁ!?」
思わず声を荒げるとクラスが静まり返った。
「だーかーら、何度も言わせんな高島雅也。
休んだお前が悪いんだろが」
担任の田中がだるそうに呟く。コイツは一年の時も担任だった。
普通なら退学であろう問題を起こした時も、コイツのフォローでどうにか進級できた借りがある。
だから、コイツにはあまり大きく出られないのだ。
「だからって…勝手に美化委員なんて…ふざけんなよ」
「お前なぁ、委員会入ってた方が何かあったとき得なんだよ。どうせ問題起こすんだから俺の言うこと聞いとけ」
「…チッ、」
俺は田中のはっきりとした物言いが嫌いじゃない。本人には死んでも言わねーけど。
今回はおとなしく従うか、と観念した。
「とにかく今日の放課後この教室で美化委員会だからな。」
「……おう。」
こうして俺は晴れて(?)美化委員となった。