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夏生詩集2

ぬくまった部屋

作者: 夏生

つめたい雨

雪降るところも

あって


朝だというのに

エンジンかからず


凍てついた中で

懸命に働く人がいると

いうのに


凍えて身を震わせる人が

いるというのに


ぬくまった部屋から

出たくないと

頑なになって


母の胎内から

出ることを拒めば

死があるのみだった

ことは

すっかり忘れてしまって


生まれ出たときの

寒さに泣いたことは

透明でも残った記憶にあって

おそれていた


寒さを肌身からおぼえれば

暖かさも肌身から

芯から感じられるというもの


寒さから逃れたければ

寒さに立ち向かうこと


今朝も観念して

ぬくまった部屋を後にした








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