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【第一章完結】ユニークスキルは【チクビーム】~最悪な名前のスキル、ただし最強~  作者: おしり炒飯


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第8話 初めての依頼

「ぼっちゃん!こっちでさぁ!」


 翌朝ギルドに行くと、すでにアクトゥが待っていた。


「すみません、お待たせしました。」


「いえいえ、あっしも今来たとこでさぁ…。なんか今のやりとり、男同士でするとむずがy」


「ちょ、変なこと言い出さないでくださいよ…。」


 くそ、僕も同じことを考えてしまっていた…。

 できればかわいい女の子がよかったなぁ。


「すいやせんね、かわいい女の子じゃ無くて、小汚えおっさんで。」


「その小汚いおっさんが拗ねてるところなんて、誰にも需要ないですよ。さ、早くタグをもらいに行きましょう!」


「な、なんかぼっちゃんのあっしに対する扱いが雑になってる気がするでやす…。」






「Dランク査定中のアクトゥ様とヒルマ様ですね。」


 昨日と同じ受付嬢さんだ。名札を見ると、ノノさんと言うらしい。メガネが似合っていて、おさげ。うん、真面目な印象を受ける。


「はい、私がヒルマで、こちらがアクトゥです。」


「お待ちしておりました。まずは査定結果からお伝えさせていただきます。おめでとうございます。お二人は本日からDランク冒険者です。」


 おお、よかった!Dランク以上でないと受けられない依頼は多いし、何より強くなるには上のランクを目指すことは必須と言える。


「よかったですな、ぼっちゃん!」


「続きまして、こちらがお二人のギルドタグとなります。」


 見てみると、名前の横に「D」と刻印されている。

 さっそく受け取って、それらを首からかけた。


「手続きは以上となりますが、何かご質問等はございますか?」


「今回みたいな飛び級って、けっこうあるんですか?」


「そうですね、EランクからDランクへの飛び級は、まれにですがあります。例えば、元々傭兵稼業を個人でされていた方、亡国の騎士の方、魔法を学ばれた、身分の高い方が認定試験で実力を認められ、Dランクから始まることはあります。2ランク以上の飛び級は滅多にありませんが、過去に“勇者”のユニークスキルを持った方が、ワイバーンに襲われている貴族の方を助け、その功績をもってDランクからBランクに昇格した、という事例がございます。」


 ゆ、勇者…。とんでもないな。


「まぁ、これはギルドで語り継がれているある種の伝説、みたいな話です。なので、基本的に2ランク以上の飛び級は無い、と考えていただいて差し支えございません。」


 ま、そんな一足飛びに強くなれるなんて思ってはいない。僕は地道に、コツコツと頑張ろう。


「あの~、早速依頼を受けたいんでやすが。」


「はい。可能ですよ。どちらの依頼を受けられますか?」


「これでお願いしやす。」


 アクトゥはゴブリン村の依頼票を渡した。

 いつの間に剥がして持ってきたんだろう。


「ゴブリンの巣(初期)の駆除、Dランク以上、ですね。お二人でパーティを組んで受けられますか?」


「へい、二人で受けやす。」


「承知しました。報酬はニフル銀貨6枚、討伐証明として、倒したゴブリンの右耳を提出してください。1匹につきニフル銅貨1枚の追加報酬となります。素材等の取得物は別途、買い取りさせていただきます。こちらの内容でよろしいですか?」


「ぼっちゃん、問題ないですかね?基本報酬と素材報酬は二人できれいに折半、討伐追加報酬は討伐者がもらう、でどうでやしょ?」


「うん、大丈夫です。それでいきましょう。」


「承知しました。それでは、受諾させていただきます。お二人の冒険が実りあるものとなることを、お祈りいたします。」


 こうして、僕とアクトゥの初めての依頼が始まった。







 プリマの街から歩いて二時間ほど。

 暗黒の森に隣接する緩衝森林地帯にやってきた。


「この森にゴブリンの巣があるらしいでやすが、なるほど確かに。ぼっちゃん、ここをご覧くだせぇ。」


 アクトゥが森の茂みの一点を指さした。


「ここ、分かりやすか?草が踏まれた跡です。それも、人間の大人ほど重くない、子供くらいの二足歩行の生き物。人間の子供はこんなところには来ねえですし、大人であればもっと草がぺしゃんこに潰れるはずでさぁ。」


 すごいな。全然気がつかなかった。やはりアクトゥと組んで正解だったかもしれない。

 強くなると言うことは、こういった知識を学んでいく、ということも必要なのかも。


「すごいですね、アクトゥ。全然わかりませんでした。ですが、似たような体格のモンスターである可能性もあるんじゃ無いですか?例えば、コボルトとか。」


 ------------------------

 コボルトとは、子供程度の大きさの、二足歩行する肉食獣型の魔物である。

 生態はゴブリンと近いが、主に草原地帯に多く生息する。

 ------------------------


「いや、コボルトなら抜け毛が枝なんかにひっかかってるはずでさぁ。なので、間違いなくゴブリンでしょうな。」


「なるほど…では、この跡を追って行きますか。」


「そうしやしょう。先行はあっしが。斥候職でやすから。」


「暗殺s」


「斥候職でやす。」



 アクトゥの跡をついて慎重に進んでいくと、アクトゥが止まれ、の合図をしてきた。


「ぼっちゃん、ありやした。ゴブリンの巣です。」


 前方を注視すると、森の開けた場所に、藁のようなモノで作られた、作りかけの粗末な小屋が5つほど見えた。その周囲には、人間の子供程度の大きさ、緑色の醜悪な顔、ゴブリンたちがいた。


「完全に油断してやす。速攻で近づいて、殲滅してやりやしょう。」


「わかった。行こう。」


 アクトゥがぬるりと動き出し、ゴブリンに急接近。

 そのまま短剣で首を刎ねた。


「ギギャ!?」


「もう遅いよ。」


 僕も強化された肉体で接近し、ゴブリンを両断。そのまま返す刀で、近くにいた別の個体を斬りつけた。


「「グギャーーーッ!!」」


「逃がしやせんよっと!」


 2体のゴブリンが慌てたように逃げ出すが、

 アクトゥが2本のナイフを投擲。2本とも頭に突き刺さり、ゴブリンは倒れ伏した。


「一瞬で片付きましたね。」


「いや、ぼっちゃん。最後まで油断しないでくだせぇ。おうちに帰るまでが遠足でさぁ。」


「遠足では無いよ...。でも、そうだね。この作りかけの家も全部破壊しよう。」


 ゴブリンたちが作った粗末な家をすべて破壊し、右耳を切り取った。


「うーん。それにしても、ゴブリンにしても弱い方だったなぁって思うんだけど。アクトゥはどう?」


「もしかしたらコイツらは、つい最近ここらに来たばかりだったのかもしれやせん。腰蓑すら着けてない、武器もタダの木の棒でさぁ。本来なら、簡単な槍くらい持っててもおかしくありやせんから。」


「確かに。まぁ、弱いことに超したことはないか。じゃあ撤収しよう。」


「了解でやす、帰りも一応、あっしが先行しやす。」




 その後、僕たちは無事に街までたどり着き、ギルドに報告した。


「ぼっちゃん、Dランク昇格と初依頼達成を祝って、ちょいと飲んでいきやせんか!」


「うん、いいですね。お祝いしましょうか!」


「...不正で昇格したガキが、調子に乗んなよ。」


目つきの悪い、金髪の男がぼそりとつぶやいた。」


「あ?ぼっちゃん、暗殺しやs」


「いいよアクトゥ、ああいうこという人は大抵大したことないんだから。僕の村にもいたよ。ああいうの。」


「おいガキ、おっさん。聞こえてんだよ。殺すぞ?」


「できもしないことを言うの、かっこわるいですよ?」


「死んだぞ、ガキ。」


男が剣を抜こうとした、その時。


「おいテメェ、ギルド内で剣を抜くとは、どういう了見だ?ああ?」


「あ、あんたは、デラン...。」


「ヒルマとアクトゥの昇格に文句があんなら、俺が聞いてやるよ。裏でゆっくりとな?俺の査定に文句があるってことだもんなァ?ああ?」


「チッ...クソが。」


「ほら、大したことないやつだったでしょ?」


「おい、あんま挑発すんな。あいつもDランクなんだぞ?それにギルド内での私闘は禁止だ。忘れんなよ。」


「わかりました。ありがとうございました、デランさん。」


「おう。お前ら今から飲むんだろ?俺も混ぜろ。」


「え、おっさんを混ぜるでやすか...?かわいい女の子がいいでやす...。」


「おうなんか言ったかおっさん、さっき暗殺とかぬかしt」


「よっしゃ!!!デラン殿も交えて、ぱーっと飲みやしょう!!いやぁ~楽しみだなぁ!!」





こうして、三人でわちゃわちゃとした飲み会を終え、べろべろになったおっさん二人をヒルマが介抱し、宿まで送っていくのだった...。

作者のおしり炒飯と申します。

どうぞよろしくお願いいたします。

本作、カクヨム様にて、先行公開しております。

続きが気になりましたら、ぜひ下記よりご覧ください。

https://kakuyomu.jp/works/822139844400383614

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