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【第一章完結】ユニークスキルは【チクビーム】~最悪な名前のスキル、ただし最強~  作者: おしり炒飯


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第24話 オリハルコンと

「ヒルマ様、ネシュカ様、過日にお預かりしました物品について、鑑定結果が出ましたので、カウンターまでお越しくださいませんか?」


「わかりました。行きましょう、ネシュカさん。」


「いよいよですね、わくわく…。」


鑑定を依頼してから一週間後、ダンジョンから帰るとギルド員さんに声をかけられた。

カウンターまで行くと、いつものイケメンギルド員さんが声を潜めた。


「以前ご依頼いただいた品物なのですが、少し特殊な品物であることが判明いたしまして、二度手間となってしまい申し訳ないのですが、ギルド2階の個室でお話させていただきたく。」


「え?わ、わかりました。」


「ふんふんふんふんっ!!」


「ちょ、ネシュカさん落ち着いてください…。」


(すごい鼻息が荒い…。)


改めて2階の個室へ案内される一行。

座り心地の良いソファに腰をかけると、ギルド員さんが布に包まれたかたまりを持って現れた。


「さて、ご依頼いただいたこちらの品物。鑑定の結果、とある金属であることが判明いたしました。」


「とある金属、ですか?」


「はい。もしかしたら名前だけは、聞いたことがあるかもしれません。」


(名前だけは、聞いたことがあるかもしれない…?まさか。)


「な、なんなんですかっ!!は、はやく教えるのですっ!!は、はやくっ!!」


ネシュカが目を血走らせながら、前のめりになる。


「…オリハルコンです。」


「ッッ!!??」


(やっぱり、オリハルコンか。)


オリハルコン。それは半ば伝説上の金属であった。

しかし、存在自体は確認されており、オリハルコン製の武具防具、様々な道具はたびたび歴史上に姿を現す。

そして、ヒルマにも関わりのある金属であった。


「オリハルコン、ですか。」


「はい。間違いないかと。」


「まさかこのような場所で見ることになるとは…。」


「オ、オリハルコンって、伝説の勇者の装備にも使われていたという、オリハルコンですよねっ!?」


ギルド員さんがカチャリとメガネを上げ、語り出す。


「ええ。古くは勇者の装備に使用されたという伝説があります。また、国王陛下の“全知の冠”、武神と言われたSランク冒険者の籠手、そして“剣聖”の持っていた剣。それらにはオリハルコンが使われていたと。」


「そ、そんなものがどうしてこんなところに…。」


「一説に寄れば、オリハルコンとは神の金属。意思のようなものを持ち、ふさわしき持ち主の前に現れるとか…。」


「ふさわしき者、ですか…。」



オリハルコンには意思がある。

それは、歴史上オリハルコンを探し求めた数多の人間のことごとくが、オリハルコンを発見するに至らなかったことからその逸話が生まれた。


「私個人としては、こちらのオリハルコン。売却などはなさらず、ヒルマ様、ネシュカ様がご活用されるのがよろしいかと。」


「い、一応お聞きしたいんですけど、売却すると、いくらくらいになるでしょうか…?」


「ネ、ネシュカさん…。」


「き、聞くだけ!!聞くだけですからっ!!」


「…おそらく、オークションに出品すれば、国家予算規模の、具体的にはニフル大金貨が数千枚以上飛び交うようなことになるかと。」

※日本円で3億円ほど


「ひ、ひょえ~~~っ!!!」


(と、とんでもないことになった…。)


「さすがに持ち歩くのは怖いので、ギルドで保管いただけないでしょうか…?」


「承知しました。こちらはギルドにてお預かりさせていただきます。」


「これって、加工とか出来る人いるんでしょうか…?」


「…少なくとも、一介の鍛治士では不可能でしょう。そちらについても、私の方でお調べしましょうか?」


「お、お願いします。」


「承知しました。では情報分かり次第、今回と同じようにお声がけさせていただきます。」





半ば呆然としながら宿に戻り、ようやく正気を取り戻した二人。


「まさかあんなことになるとは…。」


「僕も驚きですよ。」


「そういえば、ヒルマさんは最初そんなに驚いてなかったですよね?どうしてですか??」


「…実は、以前例の金属で出来た武具を見たことがあるんです。」


「え、ええっ!!?ど、どこでですか!?」


「…実家です。」


「じじじじ実家!!?」


「はい。実家です。」


「ヒルマさんの実家って…?」


「イトラーク村、というところですよ。父は剣豪でした。」


「け、剣豪!?え、イトラークってあの“剣聖イトラーク”の一族なんですか!!!?」


「ま、まぁ…。」


そう、ヒルマの先祖。魔族との戦いにおいて貢献し領地を賜った男こそ、ヒルマの先祖であり剣聖。ソディア・イトラークなのであった。


「だ、だからヒルマさんはお強いんですね…。」


「強くなんか、ないですよ。」


「またまた~!だって、ワイバーンだって、リビングアーマーだって倒して!ヒルマさんのスキルって、もしかして剣聖だったり…?」


「…っ。」


「ヒ、ヒルマさん…?」


(ああ、あのときと同じ。いや、あのときには感じなかった、悲しみと、怒り…。)


「…今日はもう寝ます。明日は20階層に挑むんですから、ネシュカさんも夜更かししないでくださいね。では、おやすみなさい。」


「あ…お、おやすみなさい…。」


(ど、どうしたんだろう…。何か、悪いこと言っちゃったのかな…。そういえば、ヒルマさんからスキルの話、一度も聞いたこと無かった…。)


いつも後ろから見ていたヒルマの背中。

どんなときでも頼りになったその背中。


このときばかりは、その歳相応の、いや、それよりも小さく、頼りなく、寂しそうに見えたのだった。


作者のおしり炒飯と申します。

どうぞよろしくお願いいたします。

本作、カクヨム様にて、先行公開しております。

続きが気になりましたら、ぜひ下記よりご覧ください。

https://kakuyomu.jp/works/822139844400383614

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