第23話 ランクアップと謎の金属
「え?ランクアップですか?」
「はい。先日のリビングアーマー討伐の功績、およびプリマ冒険者ギルドからの要請により、ヒルマ様はBランク、ネシュカ様はDランクへの昇格となります。」
「えっ、いきなりBランクですか!?」
「はい。異例中の異例です。しかしAランク冒険者である氷結のシュッツディラルド様からの推薦と、ワイバーンとの戦闘を目撃していた複数の冒険者の証言、並びに魔族の討伐の功績を鑑みると、妥当かと。」
「ワイバーンを倒したのはディーさんですし、魔族もアクトゥとディーさんのおかげで倒せたものなのですが…。」
「その点につきましては、まず氷結のシュッツディラルド様へは別途報酬が支払われ、またアクトゥ様はCランクへの昇格が認められております。」
(アクトゥも昇格したんだ…!)
「新しいギルドタグを用意しております。お受け取りください。」
Bランクのタグはこれまでのタグと異なり、意匠が凝ったものとなっていた。
「ありがとうございます。ネシュカさん、あなたのタグもありますよ。…ネシュカさん?」
「ほぇぁ。」
(ダメだ、あまりの情報量に放心している…。)
「と、とりあえずネシュカさんのタグは預かるとして。諸々ありがとうございました。」
「こちらこそ。益々のご活躍をお祈りしております。」
◎
今日も今日とて、ダンジョンへとやってきた。
リビングアーマーとの戦いから一週間、僕たちの到達階層は17階層となっていた。
「もぉ~びっくりしましたよ!まさかヒルマさんがBランクになって、私まで昇格するなんて!!そ、それにワイバーンとか魔族とか、一体どんな戦いを経験してきたんですかっ!!」
「い、いやぁ~。実はスタンピードに巻き込まれまして…。」
そんな雑談をしながら、洞窟内を歩いていく。
カラカラカラッ
「あっファイヤーボール。」
ボシュウッ!
「よいしょ。」
斬ッ
スケルトンの対処も慣れたもの。油断はないまま、作業のようにこなせるようになっていた。
そんなこんなで歩くこと10分ほど。
「ん?あれって…。」
通路の突きあたり。
薄暗い闇の中に、なにやら箱のような物が見える。
「あれって、宝ばk」
「宝箱!!!宝箱ですよっ!!!!うっひょおおおおおーーーっ!!!」
走り出すネシュカ。
その速度はヒルマをもってしても目で追えなかった…。
「ちょ、ネシュカさん危ないですよ!!!」
「ヒルマさん早くしてください!!遅いですよ!!!」
(まさか僕より素早く動けるとは…!)
小走りで宝箱に近づくヒルマ。
よく観察してみると、The・宝箱といった見た目だ。
鍵穴のようなものはなく、そのまま開けられそうだ。
「は、早く開けましょう!!」
「ま、待ってください。罠が仕掛けられてる可能性もあるんですよ?」
「そ、そうでした…。」
「うーん、かといって僕も中身が気になるところです。鍵穴もないし、大丈夫なのかな…。」
「わ、私の杖で遠くから開けてみますか…?」
「いや、僕が剣で開いてみます。ネシュカさんは僕の後ろに。ポーションは持ってますよね?」
「はい!持ってます!!」
「では爆発とかしたら、僕の体を引きずって、安全なところで回復させてください。」
「わかりました!」
おそるおそる、剣の腹を使って宝箱を開ける。
ギ、ギ、ギ…
「…何も起こりませんね。」
「だ、大丈夫、かな…?」
「おそらく大丈夫でしょう。中身を見てみますか。」
二人そろってそろりそろりと近づき、中を覗いてみると。
「…なんだこりゃ?」
「黒い、かたまり?でしょうか?」
それは黒、というよりは濃紺色のかたまりだった。
ごつごつとしてひんやりしており、何かの金属塊のようであった。
「何かの金属、ですかね?とりあえずアイテムバッグに入れて、持って帰りましょうか。」
「わかりました!」
しれっと購入していたアイテムバッグに収納し、その場を後にするヒルマとネシュカ。
15階層の転移陣より、ギルドに帰還するのであった。
◎
「お待たせいたしました。魔石等一式査定いたしまして、合計でニフル銀貨8枚とニフル銅貨7枚、ニフル鉄貨4枚です。」
「ありがとうございます。あの、鑑定依頼したい品があるのですが。」
「鑑定依頼、ですか?可能ですが、どのような品になりますでしょうか。」
「これなんですけど…。」
本日の成果を換金するついでに、宝箱から入手した金属の鑑定を依頼してみることにした。
「何かしらの金属のようですね。承知しました。一度お預かりして、鑑定担当に依頼いたします。手数料はニフル銅貨5枚になりますが、よろしいでしょうか?」
「大丈夫です。お願いします。」
「確かに承りました。鑑定結果が分かり次第、ギルドにいらっしゃった際にお声がけさせていただきます。」
「わかりました。お願いします。」
イケメン事務さんに金属のかたまりを渡し、ギルドを後にする。
「どんな結果になるか、ワクワクですねっ!!」
「そうですね。ただ、あまり期待しすぎてもよくないですよ?深層で入手したものでもないですし…。」
「でもでも、大金貨も出てきたこともあるんですから、貴重な物かもです…!ふんすふんす」
「あ、はは…そうだといいですけどね…。」
(貴重な金属だったら、装備品とかに加工してみたりしたいなぁ。う~ん、装備品…そろそろ皮鎧も卒業したいし、剣も予備があってもいいかもしれないな。)
そんなことを考えながら、宿に戻り、使い古した装備たちの整備を行うのであった。
作者のおしり炒飯と申します。
どうぞよろしくお願いいたします。
本作、カクヨム様にて、先行公開しております。
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