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斥候竜の一族


特に難なく火竜の領域まで飛んでくることができたルドは、地面に降り立つと、晴れた青空を仰いだ。

静かだ。あの存在するだけでうるさい桃色竜が追ってくる気配は、全くない。

ルドは小さく安堵のため息をつくと、木々の生い茂る火竜の領域へと、足を踏み入れた。


「竜が知りたいなら、まずは初級者編!!優しいことで有名な風竜に会いに行こう~~!!!!」


旅の支度をし、ルドとエメ、2匹で棲み処を離れた途端、場を仕切りだしたエメにルドは抵抗しようとはしなかった。

だが不本意な提案に流されてやる気はない。

そこでルドは罠を仕掛けることにした。ただのいたずらのような罠だが、エメには確実に効くであろう罠。


「わかった。じゃあ風竜のいる領域まで、どちらが早く着くか競争だ、姉さん…!」


最後にエメお気に入りの「姉さん」呼びを添えて。

これを聞いた姉はもちろん大興奮。目をウルウルギラギラさせて、荒い鼻息をつくと、天高く翼を広げて見せた。

今までルドが見たことがないほどの速さで空に飛びあがると、そのままバサバサと光の速さで飛んで行ってしまった。


「お姉ちゃんに勝とうなんて100万年早いぃぃぃ~~~~…………」


台詞の最後の方はもう、竜の「声」が届く範囲を超えていたらしく、ほぼ聞こえなかった。

その意気や、よし。ルドは方向転換すると、風竜の領域とは真逆の火竜の領域へ向けて、急いで飛び立った。

エメはおそらくルドの言葉を疑うという気すら起こらず、一度も振り返らずに風竜の領域まで飛んで行ってしまうだろう。

今頃待てど暮らせど姿を見せない弟を、焦れながら待っているに違いない。ルドは心の中で姉に謝罪した。




何もいたずらでこんなことをしたわけじゃない。ルドにもそれなりに理由があった。

ルドは確かに竜が知りたい。だが竜のすべてをくまなく研究し尽くしたい、というのとは少し違う。

これまで「竜と争う人」だった自分が知りたいのは、「人と争う竜」のことだ。

人と衝突を繰り返している竜は、主に2種族だ。

血気盛んで縄張り意識が強く、戦闘力の高さと火の属性を扱うことに長けた「火竜」の一族。

時に生き物の精神を支配し、操ると言われている、頭脳と闇の属性を扱うことに長けた「闇竜」の一族。

ルドは特にこの2種族の情報が欲しかった。何百年と竜と人との争いは続いてはいるが、人が竜と真っ向から戦えるようになったのは、本当に最近のことなのだ。


ルドが覚えている一番古い記憶の中では、人など竜が本気で怒れば、瞬く間に蹴散らされていた。

それでも挑むことをやめなかった者たちとルドが、改良に改良を重ねて作り上げたのが、魔力を封じ込めた武器・防具である「魔器」たちだ。

そしてそれを扱うことで、肉体に驚くべき変化をもたらした者たちが、何世代にもわたり血を連ねて作り得た「勇者体質」を持つ者たち。

「勇者体質」はルドも想定外の副産物だったが、人間の生き抜く力、新たな進化の可能性を目の当たりにし、感動に震えたのはまだ記憶に新しい。

強い「体質」を持つ者が「魔器」を扱い、驚異的な力を発揮したことで、人類は初めて「竜に立ち向かう」ことができるようになっていった。


かくして竜と人との争いは激化の一途を辿り、現在に至る。

最前線で戦う「勇者」には、ルドも何人か知り合いがいた。竜と戦う理由はそれぞれ。両親を殺された復讐、故郷の奪還、地位と名誉欲しさ、金のため----

その彼らと共に戦う際、必ずと言っていいほど相対した、赤い鱗の竜。火竜。

まずは彼らに聞いてみたい。人をどう思い、人をどう呪い、人とこれから、どうしていこうと思っているのか。率直な意見をルドは求めていた。

火竜は血の気が多く、喧嘩っ早い方だ。今のルドが竜の姿をしていたとしても、そんなことを聞こうとしたら、何らか危険なことはあるかもしれない。

だからエメを連れてきたくなかった。今のルドは自身の能力も体のことも、まだほとんど知らない。この状態で、自分以外の誰かまで守ることができるとは、到底思えなかったのだ。

エメが危険に踏み込む前に、火竜との対話を済ませ、彼女のもとへ急ぐ。ルドはそのために、普段より少しだけ焦っていた。

そして焦りは隙を産む。



突如飛んできた大きな火の球が、ルドのいた茂みを焼いた。間一髪近くの大木の影に入り、ルドは火傷を免れた。

内心動揺していた。ルドは今竜の姿をしているのだ。いくら相手が火竜でも、問答無用で攻撃してくるとは思っていなかった。

敵意がないことを示すため、ルドは竜の「声」で周りにわかるように呼び掛けた。


「火竜よ!勝手に領域に入り込んだことは謝罪する!この通りだ!!

私はあなた方と話がしたい!そのために来た!どうか攻撃をやめてくれないか!?

私は光竜の長ガザの----」


『殺ス!!』


聞き取れた「声」は異様だった。知性ある竜のものではないような、甲高い音のような声にルドは驚いた。


『殺ス!!領域、侵ス、ドウブツ、丸焼キ、エサ、エサ、エサ!!!!』


ルドが身を隠していた大木に、火のつぶてが無数に降り注ぐ。大木は一瞬で炎に包まれた。

逃げながらルドは頭を働かせる。火、水、風、土、四大元素の魔法は----使える。魂に刻まれた魔の力----「属性」は、人間の頃より自由に扱える身になったはずだ。

障害になるのは、地の利が向こうにあること。隠れながら飛び道具を使われ続けるのは、大いに体力を削られる。

ここは見晴らしのいい場所に出て、身を晒す危険性は増しても、こちらの攻撃が確実に当たるスタイルが良いように思う。

ルドは林を抜けるため斜面を低空飛行で上り、木の群生していなさそうな崖上を目指した。


崖上を目指す道すがらも、後ろから飛んでくる炎の猛攻は止まない。火竜とはどうやら、領域を侵す動くもの全般を攻撃しないと気が済まないものらしい。

ルドは思い出す。戦いの際に竜の「声」を聴くこと自体稀ではあったが、そういえば火竜の「声」を聴いたことは、今までに一度たりともなかった。

あれだけ相対していたのに、咆哮以外は耳にしたことがない。あの頃から火竜というのは、「言葉」に頼る生き物ではなかったのだろうか。

竜によって、そこまで「違い」があるものだとは思わなかった。面白い----思いがけず研究心が頭をもたげたところで、ルドの視界が一気に開けた。


崖上に出たところで、ルドは上空に飛び上がった。エメがよくじゃれ合いの際にとる戦法、日光の眩しさを味方につけた逆光法。

こちらを見上げた火竜は、唐突な眩しさに一瞬動きが止まる。ルドからはその姿は絶好の的でしかなかった。

火を制する属性は水----ルドは高圧の水の柱を口から放ち、的を射抜いた。火竜が上げる絶叫すら飲み込む水圧が、火の怒りを一瞬で鎮めた。


沈黙した火竜を見降ろし、ふぅ、と一息ついた途端、ルドの全身に激痛が走る。体が硬直し、真っ逆さまに落ちた体が地面に叩きつけられる。

顔を歪めたルドが、体を動かそうと必死にもがくが、指一本すら満足に動かせない。「属性」の力を体に巡らせようとしても、それも全く機能しない。

混乱しかけた思考の中で、ルドはある可能性に気付いた。魔法だ。

「属性」を自在に操るのが竜の特質だとしても、元々光竜の体で四大元素魔法を行使できるのかは、全く試していなかった。

「水」の行使は、光竜の体には負荷が大きかったのだろうか。馴染まないものを使ったせいで、体が拒否反応を起こしたのか。

または竜として50年しか育っていないこの体では、あれだけの魔力量を一気に流せるほど、体が「器」として成熟していなかったのだろうか。

そもそも人の「器」であったレイノルドが、あれだけの魔法を行使できたのはなぜだったのだろう、人の体と竜の体の違いは何か----

ルドが倒れたまま、ぐるぐると頭だけ巡らせていると、視界の隅の塊が動く気配を捕えた。火竜が目を覚ましたのだ。


まずい、このままだと----


一気に思考が現実に立ち返る。体を動かそうともがくが、わずかに首を持ち上げられる程度にしか回復していない。

火竜が体を起こし、顔をこちらへ向けた。ぎょろりとした金色の目の中、縦に長い細い瞳孔がさらに細められる。

獲物を仕留める、狩人の目----

その瞳と、ルドは数瞬見つめ合う。


だが、ルドがごくりと喉を鳴らす間に、その瞳は視界から消える。正確には上から降ってきたものによって潰されたのだ。


「ルドちゃん、何してんの?」


上空から降ってきたのは、濃い緑色の鱗を持つ成竜と、その肩にちょこんと乗っかる桃色鱗の姉だった。


「もしかしなくてもピンチ救っちゃった?イェーイ、貸しね!」

「…世界一怖い貸しだな…」


ルドはそう強がってはみたものの、やはり体が自由に動かせない。エメが不思議そうに首をかしげる。


「ルドちゃん、体動かない?傷はなさそうだけど…疲れてるの?

それなら癒せるかなー?えーーーーーーいっ!!」


ぱたぱたとルドのもとに飛んできたエメが、ルドの体に手をかざし、あたたかな光を生み出す。

光は強く大きく、膨らんでいく。そしてゆっくりしぼんでいき、やがて消えた。エメが倒れたルドの顔を覗き込む。


「どーお??」

「………すごい、動けなかったのがウソみたいだ、ありがとうエ…」


起き上がろうとしたルドが、エメの後方、上空から降りかかろうとする、3本の光る何かを捉えた。


「避けろっ!!!」


咆哮と共に「声」を発し、エメに体当たりを食らわせる形で、ルドは光る「何か」から身を躱す。

轟音を上げて地面に深々と突き刺さる、光る「何か」。

緑色の成竜はルドの「声」で難を免れたようだったが、彼が踏みつぶしていた火竜は逃げ遅れたようだった。

火竜を貫き、絶命させた「何か」が光を失い、徐々に元の姿を現していく。

2本は地面に深い傷跡を残して消え去り、火竜に刺さった1本だけになった。消えた2本は分身、姿を現した本体は----


本体は、槍だった。

人の技術だけで生み出したとは思えない、禍々しい気配を持つ、曲線の美しい刃がついた白い槍。ハルバードタイプだ。


ルドの全身の鱗が逆立つ。

この槍を、知っている----



「…チッ、1体しか仕留められなかったか。俺も使い手としてまだまだだな。

しかしまあ、槍が妙な魔力量を感知したから何事かと思えば…竜が4体も揃ってるとはな」



どこからともなく「人」の声がする。ルドたち3体が辺りを見回しても、人の気配はない。


「ここだ」


上空から声がした。3体はとっさに後ろに飛びのいた。先ほどまでいた地面が轟音と共に削られ、砂埃がルドたちの視界を奪う。

咆哮と共に、緑の成竜が翼を動かす。途端強い風が巻き起こり、砂埃が一瞬で消し飛ぶ。

風に煽られ、姿を現した「人間」は、体の一番大きな成竜に、ゆっくりと向き直る。その手には、先程のハルバードが握られていた。


----この姿、見紛うものか


ルドの位置からは、その「人間」の横顔しか見えなかった。それでも、その美しい白い「魔器」を握る姿、人類を超越した身体能力を誇る、「勇者体質」のしなやかな体つき。

そして風になびく、燃えるような赤い髪。

髪が短いこと以外、全てが記憶の中の「彼」にそっくりだった。

ルド、いや、レイノルドを「親友」と呼んでくれた彼に----


「人間」が成竜に向けて槍を構える。成竜は頭を低くし、臨戦態勢に入る。エメもいつでも飛び掛かれるように構え直した。


「ダメだっ!!その「人間」と戦わないでくれっ!!!」


ルドは考えるより先に「声」を発していた。エメが焦った弟の「声」に反応する。


「姉さん!!お願いだ、その「人間」とだけは戦わないでくれ!勝手な願いだとはわかっ…」

「わかった姉ちゃんに任せとけ!!」


ルドが全て言い終わる前に言葉を遮ったエメが、一瞬で真っ白な光の塊となり、その光をあたりにまき散らしながら弾ける。

眩しさに目を瞑り顔を背けていると、突然ルドの首根っこが引っ張られ、宙に浮かんだ。

成竜にくわえられたルドは、飛ぶ成竜の背中にぽいっと投げ出される。慌てて鱗を掴んで、ルドは成竜の背にしがみついた。

横には、いたずらが成功して喜んでるような雰囲気のエメが、同じように成竜の背にしがみついている。


「私の友達、風竜の中でも特に速いの!飛ばすわよ~~!!!!」


ギャオォォン、とエメが空に向けて上げた咆哮を合図に、風竜が加速の構えに入った。


「逃がすかよっ!!!!」


先程までいた崖とは、すでにだいぶ距離があったというのに、そう吠えた「人間」は崖を助走していた。

まさかこの距離を跳躍するつもりなのだろうか、ルドが振り返る。

「人間」は、人とは思えないほどの跳躍力でルドたちに迫ってきた。だがほんの一瞬だけ、風竜の加速が勝った。

弾丸のような速さで飛び去る風竜。「人間」がルドの視界から消えた。


「風竜よ!空高くまで飛んでくれ!!」

「えっ?どしたのルドちゃん!?」

「まだ終わってない!早く上まで…!貴方が怪我をしてしまう!!」


ルドの切羽詰まった「声」に、風竜は速度はそのままに急上昇を始めた。

ルドは風竜の尾を見やる。尾の先端、ほんの少しの部分を「人間」はがっちり掴んでいた。

この速さで飛んでも尾を離さない握力。彼は間違いなく「勇者体質」を持つ者なのだろう。しかもかなり濃い血を継承しているに違いない。

真正面から挑んだら、ルドたちが勝てるかどうかわからない。それ以上に「人間」にも「竜」にも、何の被害も出したくなかった。

上昇した風竜が、厚い雲をくぐり静寂の空に飛び抜けた。速度を落とし、背を平衡にした、たゆたうような飛行に変える。

ルドはそれを確認すると、風竜の尾に掴まる人間の方へ向き直り、静かに「声」をかけ始めた。


「……………人の子よ。見ての通り、ここは雲の上だ。

ここから落ちれば、いくら「勇者体質」の人間とはいえ、ただでは済むまい」

「…へぇ、「勇者体質」とかいう言葉を知ってる竜なんて、初めて会うなぁ。何モンだよ、チビ竜」


風竜の背に乗るルドと、尾を掴む「人間」の視線が、初めて交わる。ルドは息をのんだ。

その面影の残る顔立ちは、まざまざと在りし日のギルバートを思い起こさせた。

彼の声、言葉、白い歯を見せた笑い方、唇を尖らせた怒り方----ルドには、昨日のことのように思い出せる。

ルドは知らずに、竜にはありえない5本指の手を彼に差し出していた。その手に気が付いた「人間」の顔に驚きが走る。


「…何だよ、お前…」

「…人の子よ、私はお前を殺したくない。死んでほしくもない。

だからこれは「お願い」だ。風竜の背に乗せる代わりに、私たちを傷つけないでくれ」

「………今ここでお前らを殺したら、俺も海に真っ逆さまだ。

さすがに「勇者体質」でも助からねぇ。岸まで泳げる保証もねぇ。

…癪だが、お前の提案に乗るしか、生き残る道はないだろうな…」

「まずは槍を預かろう。エメ、持っていてくれるか?」

「は?お前この槍、どんだけの価値があると思ってんの?渡すわけねーだろうが!」

「預かるだけだ。必ず返そう。我が名、レイノルド・アンダーソンに懸けて」

「え…?レイ……」

「…話をしよう。槍を投げてくれ」

「………わかった」


「人間」が槍をルドに向けて放った。受け取った槍をエメに渡すと、ルドは風竜の背を叩いて合図する。

風竜が尾を振り上げた。宙に放り出された「人間」は尾を離し、身を翻すと、体勢を立て直して風竜の背中に着地した。

ゆっくりと身を起こす「人間」と、ルドとエメを含めた3体が、風竜の背で見つめ合う。

まずは何から話したものか…ルドが話のきっかけを探っていると、ぐおぉぉ…んと風竜の弱々しい鳴き声が聞こえた。


「手短に頼む……重い……」

「す、すまない!そうだな、こんなに乗せていたら…相当無理をさせてしまった」

「高速飛行は結構体力を消耗する…このまま飛び続けるのは正直…」

「わかった、早急に話そう。もう少しだけこの状態を維持してくれ、頼む」


ルドは風竜との会話を終えると、不思議そうな顔をした「人間」に向き直った。

ギルバートとは違い、短く切りそろえた赤い髪。目の色こそ違えど、気の強そうな目つきまで「親友」に似ている。

自分は「彼」に、何かを語る資格はあるのだろうか----頭を左右に軽く振ると、ルドは意を決し、己の正体を話し始めた。


「…私は、レイノルド・アンダーソン。今から150年前は人間…竜殺しの筆頭の魔導士をしていた。

私は「賢者の石」を使い、転生を繰り返して力を得、生き永らえてきた。

今は「竜」へと最後の転生を果たし、竜を知ろうとしている」


「人間」はその話を驚くでも怪しむでもなく、ただ無表情に聞いていた。やがて険しい顔つきになると、どかっと風竜の背の上に座り込み、胡坐をかいた。

その反応を見て、ルドには思い当たることがあった。


「…聞かされていたのか、ギルバートから」

「直接じゃねぇよ…。俺の生まれる遥か前の話だからな。

でも…レイノルド・アンダーソンって名前と、竜になった魔導士の話は、語り継がれてきてた…。

勘違いすんじゃねぇぞ、美談で語り継がれたんじゃねぇ。愚かで忌まわしい話として、伝えられてきてたんだ…」

「…聞かせてくれないか。ギルバートが…彼がその後、どうなったのか…」



「………『竜はうつくしい、らしい。いつか、俺もそれを知りたい』

そんなことを、俺のご先祖様はぬかしてたらしいぞ。

竜殺しの槍の勇者が、そんな世迷いごとを言い始めて、竜とぱったり戦わなくなったんだ。

人々はみんな訝しがり、忌み嫌い、彼を避け始めた。

一度ケチがつけば、転がり落ちるのは早い。約束された地位も名誉も全部失くして、ご先祖様は隠居の身さ。

…俺らの血筋は、それからが大変だったらしい…。貴い身分から食うにも困る貧乏人まで滑落したんだ、その苦労は想像を絶する…。

何しろその頃のケチが、今の俺にまで付きまとって人生を左右してるってんだから、大したもんだぜ」


一度話を切ると、「人間」はギロリとルドを睨み上げた。エメが間に入ろうとするのを、ルドが手で制した。


「…槍は、取り上げられなかったんだな」

「はっ、これか?この「魔器」は…何でか知らねぇが、俺の直系の一族から離れようとしねぇんだよ。

正確には何度か取り上げられたらしいが、新しい「候補」に渡しても、ちっとも力を発揮しようとしやがらねぇんだ。

なのになぜか、俺の血筋の人間が持つと途端に輝く。おかげでどんだけ国から睨まれたかわかりゃしねぇ。

忌み嫌われた一族にのみ付き従う「魔器」。こいつも、そうやって「ギルバート」の代から落ちぶれてったのさ」

「…「魔器」は、それを扱うにふさわしいものが持たないと、力を引き出すことができない。

それどころか、「魔器」の魔力に振り回され、扱うものが消耗させられてしまうことも、よくある話だった。

だが特定の一族にのみなつく、というのは私も聞いたことがない…」

「ああ…、世界の「魔器」の中でも、こいつだけらしい。そんな厄介な槍は…。

「魔器」の製造に必要不可欠な大魔導士様が突然いなくなったせいで、増産できない貴重な武器になったってのに、こいつはこのザマよ。

おかげで俺ら一族は、国や人々に嫌われながらも、貴重な槍を任されて、人々のために竜と戦う運命を背負った、訳わかんねぇもんになっちまった」

「………すまない、私のせいだな…」

「あんたのせい?ああ、そうかもな。

でも違う、俺が怒ってんのは、あんたやご先祖様なんて、今更どうでもいいもんにじゃねぇ、俺を…俺たちを迫害した人間たちに怒ってる…!

一族の中には、真面目に竜殺しの勇者業に勤しんだやつだっていた…!でも認めてなんてもらえなかった!!

都合がいいからさ。一度ケチのついた奴らなんか、救い上げずにずっと下に置いときゃいい。

どうせ槍に呪われて、竜と戦う運命から逃れられやしないんだからな!

俺は奴らを見返してやる…!奴らに有無を言わせないほど竜を殺して、力をつけて、人望を集めて、奴らの上に立ってやるのさ!!

そしてひどい差別を受けた俺の家族を…必ず日の当たる場所に戻してやるんだ。絶対に、俺はあきらめない!成し遂げてやるんだ…!!」


燃え盛る闘志をギラついた瞳に宿し、「人間」は自分に言い聞かせるようにそう吠えた。

ルドは言葉が紡げなかった。「親友」の一族を、末代にわたるまで束縛し、苦しめ続けている、その発端が自分なのだ。

自分が過去に発した言葉が、人類の勝利のために作った「魔器」が、大事な「彼」の一族を、日陰者に貶めている。

こんなはずじゃなかった----自分が「竜を知りたい」と思ったのは、こんな結果を招きたかったからでは、決してなかった。

現実は、いつも残酷だ。思いもよらぬ方向へ動いてしまった運命を、変えるだけの力が今の自分にあるだろうか…ルドは手を握り締め、悔しさを噛みしめた。


そのルドと「人間」の間に、ずいっと今度こそ桃色の影が割り込む。桃色竜の青い目が、ジロジロと遠慮なく「人間」を観察していた。


「………チッ、何だよ、お前…」

「エメだよ」

「………名前なんか聞いてねぇよ。何の用だって聞いてんだよ」

「不思議だなぁと思って」

「………何がだよ」

「あなたは何で同じ「人間」と戦ってるの?」

「それは…」

「竜を殺してるんだよね?でもあなたの話聞いてると、戦ってるの人間じゃん。

人間と戦うのに、竜を殺すの?なんか、納得いかなーい」

「…うるせぇぞ、言葉が理解できるだけの爬虫類もどきが…」

「言葉が話せても、矛盾だらけで同族と争ってる人間ごときが」


グァッグァッ、とエメが豪快に笑った。あたしうまい切り返しした!的な気持ちなのだろう。

だがそれを笑い声と認識できなかった「人間」は、大いに体をびくつかせ、エメの握る槍に手を伸ばそうとした。

その途端、地面が大きくぐらついた。足場にしていた風竜が力尽き、大地に突っ伏す格好で着陸したのだ。


「うわっ!?ガルちゃん、大丈夫ーーー?!?!」


エメは槍を握ったまま風竜から飛び降りると、伸びきっている彼の顔の方へズダズダ走って行ってしまった。


「ちょ、おいっ…!」


焦った「人間」は、伸ばした手で空を切りながら、面食らった顔のままルドを見上げてきた。

ルドはとりあえず、疲れ切った風竜から降りて話をしよう、と、「人間」に地面を指さして見せる。

「人間」は頷くと、ルドと共に風竜の背から降りた。風竜が大きく安堵の吐息をつく。

無理をさせたこと、助けに来てくれたことのお礼を、後で伝えなければ。ルドが思案しつつ視線を風竜から「人間」に向ける。

「人間」はうつむき、困惑した表情を見せている。先程見せた気迫もなりを潜め、ルドとの間に沈黙が降りる。

風竜とエメの、活気のある笑い声を背景に、「人間」はぽつり、ぽつり、と話し始めた。


「…………エメ、だったか?言うじゃねーか、爬虫類もどきのくせによ…」

「すまない、姉が失礼をした。代わって私が謝罪しよう」

「うるせーないらねーんだよ、爬虫類の謝罪なんて寒気が………すまねぇ、侮辱がしたいんじゃないんだ。

………失礼なのは、きっと俺も…なんだよ…」


「人間」は空を仰ぎ見た。ルドもつられて上を向く。150年前と何も変わらない、美しい青い空だ。

なぜか昔から、この美しさと青さは、人の…そして竜の心もきっと、素直にさせる魔力がある。2体でそれを見つめ続けた。

先に口を開いたのは「人間」だった。


「…わかってたんだ………。わかってたから、何もわかってないフリをして、ただ槍を振るって竜を殺してた。

そんな自分のちっぽけさも嫌だった。認められて、デカくなりたかった…。見返して、1番になって、称えられて…。

…俺だって、全部自分の都合なんだよな…。誰のためでもねぇ、自分のために生きて、竜を殺してんだよ」


「人間」は、ゆっくりと視線を空からルドへと移す。その瞳に、渦巻く炎はもうなかった。


「自分勝手さじゃ、同じなんだよな、あんたと」

「…返す言葉もない。私も本当に自分勝手だったと、先程の話を聞かせてもらって、思ったところだ」

「せいぜいヘコめよ?あんたの「生き様」が一体どれだけの人間に影響を与えまくったか、わかりゃしねぇんだからよ」

「…その通りだ。すまない、ギルバ…いや、違ったな、すまない。

君と話していると、どうも彼を思い出して、そのまま重ねてしまう…。姿かたちからしゃべり方までそっくりだ」

「げぇ~~~~、勘弁してくれよ、憎んでるご先祖様に似てたって、何の得にもなりゃしねぇ」

「彼はその美貌で、相当モテたぞ?」

「あんた俺の話聞いてた?俺と俺の一族に近づくやつなんて、いねーっつーの」

「…すまない」

「…まあ、美貌ってとこだけは、まあ、もらってやらんことも、まあ、ない」

「気に入ってくれてよかった」


グァッグァッ、とルドが笑い声をあげると、「人間」はぎょっとした顔をしてルドを見た。

ルドが首をかしげて見せると、「人間」は、ああ、と呟き、困ったように笑って見せた。


「…それ、笑い声なんだな、竜の。威嚇かと思ってたよ。

表情が豊かじゃねぇ生き物ってのは、感情が読みづらくてしょーがねぇな」

「それは私も大いに戸惑ったところだった。まあ慣れだよ」

「慣れなくていーよそんなもん。…てか、なぁんで俺は竜と慣れあっちまってるのかねぇ…」

「…殺せなくなる、か…?」

「ご先祖様と同じ轍は踏まねぇよ。深入りする前におさらばして、俺は俺で竜殺しの英雄になる。それは絶対だ」

「そうか…」

「ということで、次会ったら敵だからな、覚えとけよ!レイノルド・アンダーソン!!」

「今はルドだ、………君の名は、聞かぬ方が良いか?」

「ん?まあ減るもんじゃねぇし、いいんじゃねぇ?

俺はハーヴィン、ハーヴィン・サザーランドだ」

「君とはまた会えたらうれしいと思う、ハーヴィン」

「バッカ、だから次会ったら敵だっつーの!!」


ハーヴィンは白い歯を見せて、ガハハと笑った。笑った顔もギルバートにそっくりだ。


「おもしろーい!人間って顔がいろんなかたちするー!!!」

「げっ!エメ、お前いつの間に隣に…」

「はい槍」

「…お、おう」

「驚いてるー!変な顔かわい~~おもしろ~~い!!」

「う、うるせぇな!!表情筋のない爬虫類にはわかんねー話なんだよ!!

てかお前、よく槍返したな?!これ竜殺しの槍だぞ?!お前も殺すぞ?わかってんのかよ?!」

「え?殺さないでしょ??だってお友達じゃん」

「……誰と誰が?」

「エメとハーヴィン!!!」

「いつそうなった!?!?てか名前勝手に聞いてたな?!」

「いいじゃん?減るもんじゃないし」

「そりゃ減らねぇけど…友達はねぇだろ…」

「いいじゃん?増えて困るもんじゃないし」


エメとの会話を諦めたハーヴィンが、「解せぬ」と「参りました」の中間くらいの顔でルドを見つめてくる。

痛いほど気持ちのわかるルドは、話をハーヴィンから逸らすため、エメに話しかけた。


「エメ、風竜の具合はどうだった?」

「ん?疲れたってー。癒してあげたから、もー少しノビてれば元気になるでしょー」

「そうか。エメが言うなら間違いないな。

礼が遅れた、助けに来てくれてありがとう、エメ」

「お・ね・え・ちゃ・ん」

「ありがとう、姉さん。感謝してる」

「も~~~!!許してあげちゃるっ!!!

これに懲りたら、もうあたしを騙そうとか出し抜こうとか、したり考えたりしたら「めっ!」だよ!!!」

「…怒られる覚悟をしておくよ」

「ちっがうでしょルドちゃん!!も~~~~、ほんとにキミはかわいい弟だなぁもぉ~~!!!」


尻尾を左右に振りつつ、ばったんばったん地面に叩きつけながら喜ぶエメの姿を微笑ましく思ったルドだが、エメとルドに挟まれた形のハーヴィンは、「解せぬ」の顔で固まっていた。

ハーヴィンはこの親しんだ空気を払拭しようと、腕を振り上げて大きく伸びをした。慣れた感じで槍を肩に担ぎ、気だるそうな雰囲気を作ってから口を開く。


「…あ~~~あ、やってらんねぇや。勝手に姉弟仲良くやってろや。

だがな、忘れんなよ。竜は各地で人間を襲ってる。俺は竜殺しで武勲を立てる。敵同士なんだ、それは変わらねぇ。

次会えばお前らも俺にとっては殺害対象だ。戦いの歴史ってのは、いろいろ私怨もあって、そうそう変えらんねぇもんなんだからさ…。

………………………まぁ、もう会いたくねぇけどよ…」

「え~~~!?あたし会いた~~~い!!!!」

「お前俺の話聞いてたの?!ねえほんとに聞いてくれてたの?!」

「殺し合う友達ぃぃ!!!!」

「……………………」


ゆっくり崩れ落ち、うずくまった彼が不憫になるルドだった。

そこにグァグァグァ、と竜の大きな笑い声が響く。反射的に体を立たせ、槍を構えようとするハーヴィンはさすがのものだ。

だがそれが風竜の発した笑い声だと理解すると、彼は構えを解き、再び槍を担いだ。


「…エメ…、お前はまだ若いからな。何も知らず「人間」を受け入れてしまえるのだろう…。

ルドに至っては元人間。慣れ親しんだとて不思議はない…。

…それもまたよいのだろう…。時代も関係も、移り変わってゆくもの…。お前たちが、変えていくものもあるのかもしれない…。

だが、殺し合うとは、憎み合うとは…短命ゆえに繰り返し続ける、人間の我欲の争いというのは、そんな簡単なものではない。

短命は死して「忘れる」。ゆえに新たな個体の欲は尽きぬ…。そして愚かな争いを繰り返し続け、人の業は降り積もってゆく…そこの「人間」が代々因果を継承してきたのもそれゆえ。

私たちは…同胞を殺された悲しみをいまだ癒せずにいる…悠久の時を生きるからこそ…忘れられないのだ。

この長い戦いの歴史は、そこの「人間」の言う通り、そうそう変えられるものではない」


風竜はそう言い終わると、ゆっくりと体を起こす。ルドたちの方に顔を向けると、思慮深い眼差しで3体を見つめた。


「…ルド。お前は、竜を知りたいのだそうだな…。

おそらく、主に人と争ってきた竜のことが知りたいのだろう。ならば教えてやる…。

火竜に会っただろう。そこの「人間」に殺されたやつだ。彼は我らのように、言葉を発したか?」

「いや…、何の話にもならなかった。ただ縄張りに入るものを排除しようとするだけで…」

「まるで獰猛な動物、そんな印象だっただろう」

「…理由があるのか?」

「…あるとも。彼らも昔は、我々と同じように、思考し言葉を操る普通の竜だった…。

だが人間どもが領地の拡大をし始め、争いが起こり、少なからず竜は殺された…。

竜は昔から思慮深き生き物だった。か弱き「人間」を力で蹴散らすことをためらった。自然から賜りし「属性」を、一方的な殺戮に使っていいものか悩んだ。

そうこうしているうちに、竜は人間どもの仕組んだ奸計にはまった。卵と子竜を使った、初めての竜の大虐殺だ。

それを最も嘆き悲しんだのが火竜だ。彼らは…人間の脅威から竜を守るため、自ら竜の「武器」となることを決め、知能を捨て攻撃力に特化した進化を選んだのだ。

その結果、彼らは体は小さく、短命で多産、攻撃力だけを宿した「獰猛な動物」になり果てていった…。

生まれてくる命に細工をし、一族を作り替えていった…彼らの「心」が、お前たちにはわかるか…?」


風竜の言葉に、誰も答え返せなかった。

人類の歴史には全く描かれていなかった真実を前に、ルドは驚きを隠せなかった。ハーヴィンも心なしか、顔色が青ざめて見えた。

風竜は3者を見回し、言葉を続ける。


「わからなくてよい…。それは我らの「友」の選択。

誰が責めるものでも、誰が負うものでもない。それは意思ゆえのもの…。

それに、火竜は後の一族のために、秘術を我らに開示している。

いつか争いがなくなり、火竜が戦わなくてよくなった時、遠き彼らが子孫に、再び知恵を授ける秘術だ。

我らは「友」との約束を守り続け、いつの日か火竜の一族を戦いから解放する。

…その時、人の歴史が終わっているのか、竜の歴史が終わっているのか、わかりはせんがな…」

「…それを俺に聞かせて…「人間」に聞かせて、お前は俺にどうしろって言いたいんだよ…!」


ハーヴィンが耐えきれずに叫んだ。槍を持つ手に力が込められ、震えている。


「お前はお前の人生を、まっとうすればよい…。

大切なもののために戦い、守り、死んでゆく。それは人も竜も同じだ。互いに「言い分」があり、「正義」がある。

それが衝突する限り、争いは避けられぬ…。例え今の話を全ての人間にしたとしても、それはただの「竜の都合」で片が付いてしまう。

そんな詮無き話を我がしたのは…、そうだな、意趣返しだ。

お前たちの話を聞いていて、あたたかな未来を築いていけるかもしれない可能性を前にして、我が感じた悲しさゆえの…意趣返しだ」


風竜は言い終わると、視線を彼方に移した。青い空と海の境界線、そのさらに向こうに。



ルドは思いがけないところで、一番知りたかったことを知ることができた気分だった。

火竜が積極的に人を襲う理由。それは種の改造によるもの、という残酷な結果だったが、これで一つ腑に落ちた。

そんな自分の冷めた思考に少々嫌気も差したが、知ることからしか物事は解決していけないものだ。まだ何を解決するのかも、決めてはいないのだが。

深く大きなため息が、ルドの隣で長く長く吐き続けられた。大きく息を吸い込み、顔を上げたハーヴィンの顔には、怯えも迷いもなかった。


「…よくわかったぜ、風竜。俺にもお前にも、いろいろ抱えてるもんがあんだな。

だから戦う。戦って生き抜く。…そんだけだ。

俺は、それでいい」


くるりと踵を返すと、ハーヴィンは歩き始めた。ルドが声をかける。


「道はわかるのか?」

「知らねぇよ。でもまぁ、旅は慣れてる。この槍一本で行けるとこまで行くのは、いつも変わんねぇよ。勇者体質もあるしな」

「心配だ、ハーヴィン」

「…っ、よせよ、馴れ合いはここまでだ。ここまでにしとけ」

「嫌だ、私はあきらめたくない。今知った真実をもとに、これからも探り続けていくつもりだ。私の道を」

「……へーへー、頭のいい竜ってのも大変だな、…あばよルド」


ハーヴィンは歩みを止めなかった。ルドも後を追うことはなかった。

だがこの出会いに意味があったと思いたい。ルドはハーヴィンの背中が見えなくなるまで、彼を見送り続けた。


「ルドちゃん…」

「?どうした、エメ」

「…あたし、友達はね、大切なの。竜の友達も、人間の友達も。みんな、みーーーんな。

そして悲しいことと苦しいことはきらい。みんなが笑ってるのが好き。よく覚えておいて」

「…ありがとう。頼もしい言葉だよ」


ルドはエメの言葉に、己の目指す道が定まったような気がした。

精進せねば。まだまだ山積みの問題を前に、ルドは好奇心が勝るのを感じた。

問題が解決できるときの予兆。ルドはその己の直感を信じることにした。

長く短い旅の、幕開けだった。









挿絵(By みてみん)

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