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仕事を探しに行こう


 仕事を求めていざ街に、と思っていたんだけど。

 具体的にどうするかなんて何も決まっていない訳で。

 そもそもどんな仕事があるかもわかってないし、探すのも一苦労だ。

 ハロワも求人情報誌もないし。


 なので、詳しい人を訪ねてみた。


「エルンハルトさーん」


 街の門に立つエルンハルトさんは今日もキリッとしていて、緑の髪に琥珀色の瞳が映えている。

 どう見てもイケメンにしか見えない彼女は私の声に振り返ると、朗らかな笑顔で迎えてくれた。


「リリィ、おはよう。あの後大丈夫だったか? 特急災害発生警告が出ていたから心配していたのだが」

「あー……その件に関してなんですけど、あれ私が原因でして」

「リリィが? どういう事だ?」

「実はですね……」


~説明中~


「という訳です」

「……なるほど。つまり、リリィは無事だということだな」

「え? はい、私は大丈夫です」

「ならば他は些細なことだ。最高神様と既知である事には驚いたが、私はリリィとの関わり方を変えるつもりはない」


 さすがエルンハルトさん。発言がイケメン過ぎるんだが。


「もっとも、敬えと言うならそうするが?」

「勘弁してください」

「冗談だ」


 ふと笑う彼女はやはり格好良くて、つい見とれてしまいそうになる。

 うーん。これで男性だったらなー。カップリングが成立するんだけどなー。


「と、そうだ。今日は仕事を探そうと思ってるんですけど、どこか良いところ知りませんか?」

「ふむ……リリィがどんな魔法を取得したかにもよるな」

「『梱包』です」

「『梱包』だと? どんな魔法だ?」

「万物を包み込み装飾する魔法だそうです」

「……なるほど。また変わった属性だな」


 あ、呆れてる。まぁ私もびっくりしたけど。

 でも物騒な属性じゃなくてよかったよね。

 変に戦闘用とかだったらのんびりした生活の邪魔にしかならないし。


「しかしそうなると……まぁ、一つだけ心当たりがあるが」


 おお、さすがエルンハルトさん。頼りになるなー。


「じゃあそこを教えてもらえませんか?」

「いや、せっかくだから一緒に行こうか。私も用があるからな」

「わ。助かります」

「では少し待ってくれ。引継ぎだけ終わらせてくる」


 そう言って詰め所に入って数分。落ちていた枝で地面に落書きをしていると、鎧を脱いだエルンハルトさんが戻ってきた。

 ふむ。私服姿だと性別を間違えようがないな。

 着ている服は男性用だけど、胸が結構あるし。

 なんだろう、着替えただけなのに頼れるお姉さん感が増してる気がする。


「待たせたな。早速……いや、リリィ。この絵はなんだ?」

「え? あぁ、最高神達と教祖様です」


 暇だから描いてただけで深い意味は無い。

 アテナとラウラもそこそこ上手く描けてるけど、一番上手く描けたのはド〇ルドだろう。

 彼のかもしだす狂気を余すことなく再現できていると思う。

 最早クトゥルフのような禍々しさがあるのに違和感が無いのが凄い。


「教祖様? よく分からないが……これは最高神様達と並べて大丈夫なのか?」

「大丈夫じゃないですかね。アテナはこの人を崇拝してますし」

「……そうか。神族の考えることはやはり分からないな」


 安心してください。アテナがおかしいだけだと思います。


「しかし、そうなるとこちらがライランティリア様か。このような姿をしているのだな」

「ですね。そこそこ上手く描けてると思いますよ」


 顔立ちも着ている服もなかなかの再現度だ。

 素人レベルとは言え前世から絵を描くのは好きだったからなー。


「リリィ、一度ちゃんとした絵を描いてみないか? 教会の連中は喜ぶと思うぞ」

「んー。本人の許可が出たら書いても良いですけど、素人レベルですよ?」

「構わんだろう。そもそもライランティリア様を見たことがあるのはリリィだけだし、希少性が高いからな。」

「なるほど……ライラー?」


 空に向かって語りかけてみると。


(私は構いませんよ)

(私としては教祖様を立体で再現してほしいですー!)


 そんな声が頭の中に響いてきた。

 だがアテナ、私は教祖様を作るつもりはねぇぞ。


「はいよー。エルンハルトさん、許可が出たんで今度描きますね」

「……そうか、いま会話をしていたのか。何というか、リリィは凄いな」

「いや、たまたま知り合っただけなんですけどね」


 ただの偶然だし、別に私がすごい訳じゃ無いからなー。

 いや、アテナに関してはたまたまではないけど。

 

「ふむ。機会があれば美術ギルドの者を紹介しよう。重宝されるかもしれんぞ」

「あ、じゃあお願いします」


 できることならライラの悪評をどうにかしたいし。

 その為なら少しの苦労くらい何の問題も無い。

 一応、友達だしな。


「では行こうか。店は大通りにあるからすぐに着く」

「よろしくお願いしますー」


 大通りにあるって事はそこそこ大きなお店なんだろうか。

 行ってみない事にはわからないけど、できれば普通のお店がいいなー。

 こっちに来てからいろいろと普通じゃないし。

 私は平穏なスローライフを送りたいんだよ。

 推しとBLさえあれば他には特に必要ないし。

 ……いやマジで。そろそろ燃料補給したいから男性の知り合いを増やさなければならない。

 今んとこリチャードさん×ジークしか妄想ネタがないんだよなー。

 尚、私はリバも行けるので妄想のバリエーション自体は豊富だったりする。


 リバが分からない人はググってみよう。

 そこに新しい世界があるから。

 同士が増えることを願う。


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