表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/84

聖女だったらしいんです

 家について見ると、私たちよりも早く、教会からの使者とアウレウスが家に居た。馬車が回り道した訳でもないのにどうやって先回りしたんだろう?


 教会から来てたのは、洗礼をしてくれた神官様と、おつきの見習い神官1人、それからアウレウスだった。


 私が家族にことのなりゆきを説明するよりも先に、神官様たちが教会での出来事を全て説明してくれた。良かった、これなら説明中に私が怒られることないよね。


「あらあら~」


 頬に手をあててにこにこしているのがお母様。金髪にエメラルドグリーンの瞳で、エルフかと思うくらい綺麗な女性。まあ、この世界にエルフいないんだけど。


「聖女……」


 その隣で口をぽかんと開けてるのがお父様。亜麻色の髪に、茶色の瞳のイケオジ。


「まさか天使のように可愛いクレアが、聖女だったとは……」


 ふう、と溜め息を吐いてヒラルドお兄様が言う。その後ろで、リーンはつんとすました表情で黙っているけど、あれはきっと「だから教会には一緒に行くって言ったのに」ってまた考えてんだろうなあ……。


「クレア様には魔法学園に入学して頂き、魔力の安定化方法を学んで頂くことになります。その補佐として、私アウレウスがつかせて頂きますので、よろしくお願いいたします」


「クレアが魔法学園に……」


 元々、洗礼が終わったらどこかしらの学園に通うつもりではあったから、学費を国持ちで通わせてくれるならありがたい話だよね。


「しかし、アウレウスさんが補佐というのは何故です? 洗礼があったのはさっきなのに、決まるのが早すぎませんか?」


 ヒラルドお兄様が笑顔を貼り付けて喋ってるけど、要するに「男は気に入らないから女の補佐にしてくれ」ってことだよね、これ。


「3年前より、補佐役はアウレウスが行うことに決まっていたのです」


 一番偉い神官様がそう言う。


 そんなに興味なかったから知らなかったんだけど、聖女様が死ぬとその次の年に次の聖女が生まれて、15年後に聖女が覚醒するんだってさ。だからすぐに補佐する体制が取れるように、補佐役を決めておくらしい。各教会で補佐役を決めておいて、聖女が現れたら、その聖女が洗礼を受けた教会の補佐役がすぐにサポートを開始するっていう流れみたい。ゲームの世界なのに、そんなちゃんと決まってるんだねえ。


 ちなみに聖女が現れた時点で、他の教会で補佐役に指定されていた人は普通の神官に戻るんだって。優秀な神官が選ばれるらしいんだけど、アウレウスは若いのに3年も前から補佐役に指名されていたから、かなり優秀ということらしい。凄いぞ、サポートキャラ!


「そういう訳なのです。では来週からの学園生活を、楽しみにしております」


 アウレウスは笑って、制服を渡してきた。


 おおう……ゲームで見たぞ、このスカートにフリルのついた可愛いやつ。うーん、本格的に乙女ゲームだなあ!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ