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第2話 最初のガラスをぶち破れ

 おばあさんは、隣ですやすや寝息を立てている。

 とりあえず、ここが日本だと分かった。

 しかし、それが分かったところで、この状況が改善されたわけじゃない。

 いきなり現代に飛ばされて、家もない職もない、金もないし知り合いもいない。

身分を証明できる書類も持っていない。まずい。このままだと、確実に路頭に迷う。

頭がどんどん熱くなる。心臓の鼓動が早まり、冷や汗がにじむ。

「……。」

 いや、一旦落ち着こう。自分で自分を追い詰めても仕方がない。

 どんな状況だって、平常心をもっていれば案外どうにかなる。あの時だってそうだったじゃないか。

 異世界に迷い込んで3年目、ミサの西海岸で巨大な人食いタコに遭遇した時。あいつにオイル貝を食べさせたあと、それを触媒にして破壊力が増大する火炎玉を撃ち込んで、どうにか倒したじゃないか。

 大丈夫だ、俺はやればできる。

 ひとまず情報収集だ。新聞か電話帳か、何か手掛かりを集めよう。俺は立ち上がった。

「ばあちゃん、まだ寝てるの?そろそろご飯――」

 突然襖が開いた。エプロンを巻いた少年と目が合う。お互い、体が固まった。

 そんな時でも、俺は落ち着いていた。落ち着いていたからこそ、今の自分の状況を理解していた。誰がどう見たって、完全なる不法侵入者である。

「ちょっとおじさん――、」

 窓を割って飛び出す。反射的な行動。なりふり構っていられない。とにかく逃げろ。俺は無我夢中で走った。


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