序章 童話
前作で慎太郎が娘に聞かせていた童話の一部です。
所々前作と内容が違っている箇所がございますが、仕様ですのでお気になさらずお読み下さい。
これは昔昔のお話。
ある時、二人の少年がおりました。
方や、どんな武器でも戦う事の出来る戦士。
方や、無数の火の玉を操る魔術師でありました。
二人は商人の知り合いから学校という存在を聞き、特にやりたい事も無いものですから、どうせならと思い二人は学校に入る為のお金を貯め始めました。
三年後。二人は学校へ無事入学しました。
学校での生活は二人にとって目新しい事ばかり。二人は勉学に励み、それはもう充実毎日でした。
しかし、そんな楽しい毎日も束の間、二人の関係はある日を境に崩れてしまいます。
それはある年の夏の事でした。
二人が学友と共にとある火山島へ旅行をしに行った時の話です。
火山島唯一の街が巨大な竜に襲われてしまったのです。
ドカーンッ!ガシャーンっ!
竜は街の真ん中に降り立つと思い切り暴れ始めました。
その時ちょうど街を離れてしまっていた剣士の青年は竜を倒そうと走り始めます。
対照的に魔術師の青年は足が竦み何もする事が出来ませんでした。
剣士の青年は街へ辿り着くなり剣を取り、学友と共に竜へ立ち向かいました。
青年達が巨大な竜を倒した所を見た魔術師の青年はいつしか剣士の青年に対して嫉妬する様になりました。
やがて魔術師の青年は学友達や、剣士の青年に一言も告げず旅へ出ました。
そして、彼等の道は違い始めたのです。
魔術師の青年は旅の最中、恐ろしい兵器の作り方を思いつきました。
それと同時に彼の心は完全に黒く染まり、彼は改めて己の事を科学者だと実感しました。
遂に闇の科学者が本性を現したのです。
・・・・・『英傑誕生譚』第一節より。
次回から本編です。