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第二十四話 ソノおパンツは全てを知っていた(中)

ブクマに五つ星【☆☆☆☆★】

ありがとうございます!

+。:.゜٩(๑>◡<๑)۶:.。+゜


「なるほどぉ〜。それでダルマさんが転んだみたいにクンクン嗅いでたわけだぁ!」


「そそ! どうしたら心音みたいな女の子の匂いになれるかなって。研究……的な!」


「それならそうとコソコソせずに言ってくれれば良かったのに。まったくコタは変なところ遠慮するんだから」


 そう言うと頭を優しくポンッとされた。


 穴があれば入りたい。

 そう思う気持ちが、いとも容易く僕の口から嘘を吐き出させる。


 心音に抱く恋心を隠すために、許されない嘘を吐いているような気がす……る。


 でもだからって、どうする。


〝心音のおっぱいが気になって仕方がなくて!

 良い匂いだったからクンクン嗅いじゃった!〟


 ……ううむ。言えるわけがない。


 こんなこと、恋心を悟られるよりも数段ひどい。


 状況は変われど選択肢は変わらない。

 女の子になることに憧れを抱く、女装好きな男子高校生。こうする他、幼馴染であり続ける道は残されていない。


 でもこれじゃまるで、おっぱいが見たい+匂いをクンクン嗅ぎたいが為に、嘘を吐いているようなものだ。


 でもだからって……。


 どんなに考えても答えは見つからず、『でもだからって』のループになる。


 結局、間違っているとわかっていても、恋する気持ちには抗えない。


 綺麗事を並べても、心は真っ直ぐに進むことしか……できないのかもしれない。


 ◇

「じゃあ、お化粧の続きしよっか」

「……うん」


 忘れていた。

 これから僕は……お化粧をされて女の子になるんだ。覚悟は決めたはずなのに、話が逸れてく内に緩くなってしまった。


「あれれ、元気ない顔してるなぁ。不安になって来ちゃったのかな?」


「……だ、大丈夫!」


「ダメそうじゃん。コタはほんとわかりやすいんだからぁ。……えっと、じゃあ、さっきみたいにここ見てなよ。好きなんでしょ?」


 そう言うと心音は視線を落とした。

 視線の先にあるのは、谷間のi。


 それはまるで注射をされるときに『好きな食べ物は?』と聞かれ、考えてる間に終わっているような、軽い感じの提案だった。

 

「い、いいの?」

「いいもなにも、昨日も一昨日もすっごい見てたじゃん。ダメならダメってとっくに言ってるよぉ〜。それに、気付かないフリするのも疲れるんだよ?」


「ソ、ソウダッタンダー」


 あれ、なんだろ。あれ、あれれ?!


「だから見て。これはわたしからのお願い。さっきも言ったけど、幼馴染なんだから遠慮はしないこと。わかった?」


「ハイ! ヨロコンデ!」


 何かがおかしいと思いながらも、僕の返事は見事なまでに即答だった。

 

「うん。いいこ。じゃあ始めよっか!」


 そうして、頭を二回撫でられると、

 顔面工事。お化粧はスタートした。



 ◇◇

 心音の言葉に感じる妙な引っ掛かりも、谷間のiを心置きなく見始めた2秒後には、どうでもよくなっていた。


 今置かれている状況に幸せを覚えた瞬間だった。


 それと同時に罪悪感も……。


 女の子同士の特権。

 谷間観察チケットを付与されたような、そんな気がしたんだ。

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