第二十一話 ふざけたおパンツは本当にふざけていたのか?
結局、聞けなかった。
その場しのぎの軽い返事をしてしまった。
詰まるところ、僕は明日、“ふざけていないパンツ”を用意する必要がある。
”ふざけたパンツ”がなんなのかわからないのに、用意できるのか。
──うん。このままでは用意できない。
でも、大丈夫。まだ時間とチャンスはある。
とりあえず、今日の僕のパンツには何かしら不手際があった。だからきっと、僕に嗅がせようとしたんだ。
きっと、嗅げば全てがわかったはず。
なのに、なのに……。過ぎたことを悔いても仕方ない。
でも、こんなことになるなら……嗅いどきゃ良かったなぁ。くっさくさのパンツ。
「……はぁ」
考えても答えは見つからず。
算段すらも立たず。出るのはため息ばかり。それでも、ここは心音家のお風呂場。
時間はあるけど、長湯はできない。
「……はぁ」
◇
お風呂から上がると、およそ予想通りだった。
着替えとして置かれていた服は、胸元にリボンの付いた可愛らしいオフショルダーなワンピース。それと、昨日貸した僕のパンツ。
二回目ともなると特に驚かない。
昨日はひらひらでフリフリな可愛らしいスカートだったし。
ゴクリッ。
とりあえず昨日貸したパンツの匂いを嗅ぐ。
クンクンクン。クンクンクン。
〝シャキーーンッ‼︎〟
守りたい。この匂い。
くっさくさのパンツを貸せば、そのパンツは翌日、良い匂いになって帰ってくる。この世の物理法則を完全に無視した奇跡の変化。
〝おパンツイリュージョン〟
“ふざけていないパンツ”さえ用意すれば、明日も明後日も僕のパンツは良い匂いになって帰ってくる。
だからこの謎を解かなければならない。
心音の匂い付きパンツをGETするために、解き明かさねばならない。
……でも、今の僕に何ができる。
心音は少し不機嫌を纏っていた。ストレートに聞いたら逆撫でしそうだ。
チラッ。
──ドクンッ。
もしかして、このワンピースを着たら心音は喜んでくれるのかな?
丈は少し短めだけど……着れないことは……ない!
──そうして、僕は間違いを起こしてしまう。
ただ、心音の機嫌を直したかっただけなんだ。




