第一章 王子の部屋
『ルールル、ルルルルールル、ルルルルールールールールールルー』
「カイルの部屋です」
「どうして徹●の部屋みたいな感じになってるの?」
「徹子●部屋? なにそれ」
製作陣がふざけているからよね。
確かにBGM徹子の●屋だった気がするわ。
「ていうか何で床にブルーシート引いてローションをぶちまけているのかしら?」
「……思ったより純粋なんだね」
「ねえ、私ホント帰っていいかしら! 良いわよね!」
『帰るなマイエンジェルラミちゅわーん』
「ドアの向こうから聞き耳立てるの止めてください! ていうかどういう発想をしたらドアの向こうに父親がいるのにそんなセリフが言えるのよ!」
「ダッテダチュキダカラッ!! 痛あああああああああああああああ!」
また噛んだよこの人……。
キメようと思えば思う程残念になっていくのがカイルクオリティ……。
「ほら、ここ座って。床はヌルヌルテカテカしてるから」
「100%あなたのせいですよね」
そう言いながらもやたら滑るのでベッドに腰掛ける。
「月が綺麗だね……」
「電球よソレ」
「比喩だよ!? 気づいてマイハニー!」
「だからハニーじゃないわよ……って、今日やたら眠いわね」
「だって紅茶に軽い睡眠薬混ぜたからね」
「何てことしてくれたのよ」
ああ、ここは敵の本丸だと言うのに……眠い。
「大丈夫大丈夫、何もしないから。ね……?」
なぜかその言葉に『ビクン!』と跳ねてしまう私。
絶対睡眠薬以外にも何か混ぜたでしょ……!
「ローション床から寝顔を眺めてるだけだから」
「お兄ちゃん……」
私が家に帰れる最終手段・兄に頼るを行使できないかとお兄ちゃんを呼ぶ。
『ガサッ』
「呼んだか、マイシスターラミちゅわん」
出て来た。
流石の出来事に目が覚めた。
私の床になりたいと豪語するだけある。ホントに潜んでた。
「カイル許さん!」
「うへへへへへへへ、もう貴様の妹は我が手中にあり……!」
カイル、あなたいつから悪役になったのよ。ポジション被っちゃうじゃない。
「甘い一夜を過ごそうぜマイハニー?」
「誰が過ごすか」
『パァン!』
「ふべらひぼぅ」
私はカッコつけようとして薬に勝った私の顎をクイとした。ら、私にビンタされた。
「ダッサwww」
笑う兄。
「じゃあ、じゃあ、合コンお馴染みのゲームである王様ゲームをしよう!」
どうしてそうなった。