エピローグ
本当ならば一花とどんなデートをしたのか、そして僕は最後になんて告白をしたのか、語り部として僕は語るべきなのだろう。しかしそんな恥ずかしくてとても語れるものではなかった。
だけど結論を言えば、僕は一花と付き合うことになった。
僕は一花から告白されたあの時にすでに彼女のことがどうやら好きになってしまったらしい。
だから彼女が例えどんなにエロいことが好きな変態で、兄をこよなく愛するブラコンで、両親を亡くし親友を失くして、そして天才少女に復讐しようと僕に告白してきたそんなワケありの女の子だったとしても僕は彼女と付き合うことを最終的には選んでいたと思う。
きっと今回の話で伝えたかったことを簡単にまとめると、僕みたいな男は女の子に告白させれただけで簡単にその人のことが好きになってしまうから気をつけたい方がいいよというくだらない教訓だった。
さてそんなわけでデートの翌日、つまり月曜日。僕はいつもよりほんの少しだけ早く学校に登校していた。というのも昨日の夜、眠りにつこうとした時「明日の朝、教室で待ってる」と一花からそんなメールが来たのだ。
すぐにワケを聞いたのだが、普通に既読無視をされてしまい(ちょっとだけ傷ついた)僕はこうして仕方がなく彼女の言う通り彼女が待っているであろう教室に向かっているのだった。
でもその足取りは決して軽くはなかった。
昨日のことを思い出すとやはり恥ずかしく、彼女と会うのがとても気まずかったのだ。できることなら今日は学校を休みたかった。
ただ僕が告白した時に彼女が言ったことを僕は思い出す。
彼女は無表情で
「そう……嬉しいわ」
とだけ言った。
ただそれだけだった。
やはり彼女が本当に僕のことが好きなのか怪しかったが、でもきっとそれでいいのかもしれない。それなら彼女に僕ことを好きになってもらえるように頑張ればいいのだけの話なのだ。
そう思うと少しだけ足取りが軽くなり、気がつくと僕は教室の扉の前までたどり着いていた。
僕は扉に手をかける。
彼女の復讐はきっと果たされないまま終わるだろう。
僕は今日の朝、学校登校する前に海原が僕のことを本当に好きなのか再度確かめるために一花と付き合うことになったというメールを海原に送った。
すると、
「本当に!?おめでとう!!同じ水泳部の部員として二人のことを応援しているね!!」
と祝いのメールが送られてきた。そしてそれを見て海原は僕のことなんて好きじゃないだろうし、僕は海原が陽森高校を出て行くことはないだろうと確信を持って言えた。
僕が海原を説得してしまった日、海外留学を断る決心したのだ。そう、それはつまりどういうことなのかというと一花の復讐計画は僕のせいで失敗してしまったのだ。
そう考えるとなんだか申し訳ない気分になるが、しかし海原が僕のことを好きという前提が間違いなのだから彼女の復讐劇はどっちにしろ失敗してただろう。
そして多分それで良かったのだった。
僕は勇気を持って教室の扉を開ける。すると朝日が差し込む教室の中には一花だけがいた。他に誰もいなかった。それはまるで一花に告白された時と似ていた。
彼女は僕を見て言う。
「おはようキー君。待っていたわ」
そして僕も
「おはよう」
と言った。そして僕はあの時と同じように誰もいない教室に呼び出したわけを一花に聞くのだった。
(完)
とりあえず終わりになります。今まで読んでいただきありがとうございましたm(__)m
気が向いたら、番外編を書こうと思うのでよろしくお願いします。




