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ぼっちの僕がクラスメイトに告白されたわけ。  作者: 今無 いま
残り三日
63/73

僕が一葉さんの車に乗っているわけ

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 どうしてこんなことになっているのだろうか?

 約四時間ほどのバイトが終わり、なぜか僕は一葉さんが運転する車に乗っていた。

 一葉さんはラジオから流れてくる曲を鼻歌で歌いながら運転し、一花は助手席に座りながらマジックミラー越しに僕を見てくる。てか睨んでくる。そして僕は後部座席に座っていたが緊張&一花が睨んでくるせいで一葉さんの質問に「はい」と「いいえ」で答えていた。僕は某RPGの主人公かよ。

 先ほどまで援交相手だと疑っていた人物が運転する車に乗るのはなかなか気がひけることだったが、てか心の底から申し訳ないと思っているのだが、実は奇跡的に一箱だけあったデッドブルを一葉さんに渡した後こんな会話があったのだ。


「君はもしかして一花と付き合ってるのかい?」

「えっと…….」


 上機嫌でデッドブルの箱を持っている一葉さんにそう聞かれてなんて答えればいいのかわからず戸惑う僕。

 一応、今は付き合っていないのだからただ友達と答えればいいのだろうか?

 僕は兄の後ろにいる一花を見ると首を横に振っていた。

 それはどういう意味なのだろうか?やはり付き合ってると言えということなのだろうか?さっき知り合った人に嘘のことを教えるのは少しだけ申し訳ない気持ちになったが、一花がそう言うならそう答えるべきなのだろう。


「はい、そうです」

「えっ!?ちょっとキー君、何言ってるの!?」


 そう答えた僕に対して咄嗟に否定する一花。あれ?違かったの?じゃあの首振りはどういう意味だったんだよ。さっきから一花の行動の真意がわからない。

 そう思っていると一葉さんは僕の肩を叩きながら言う。


「そっかそっか!!一花にもいよいよ恋人ができたか!!」

「こ、これは違いますよ!!お兄様!!」

「いやー、お兄ちゃんは安心したよ!!」

「だから違いますって!!」


 必死に弁解しようとする一花。しかし一葉さんは嬉しそうに「そう恥ずかしがるなよ」と言うと肩を叩くのをやめ僕の目を見て聞いてくる。


「君、バイトは何時に終わるんだい?」

「えーと、五時に終わりますけど」

「そっか。じゃあそのあとは暇かい?」

「暇ですけど」

「ならよかった。うちに来てみないかい?君とそして学校にいる時の一花の話を聞きたい。来てくれるだろ?てか絶対に来い」

「……」


 そんなわけで現在、僕は乗っているわけなのだが……最後は明らかに脅迫していたと思う。正直言って怖かった。


「ついたよ」


 スーパーがある場所から数十分走ったところで一葉さんはそう言って車を止める。そしてドアを開けて降りるとそれはどこにでもありそうな一軒家だった。これは勝手なイメージなのだが一花はお金持ちのお嬢様と思っていたので普通の一軒家に住んでるなんて意外だった。もう少し豪華な家に住んでいるのかと思っていた。


「さぁゆっくりしていってくれ」


 一葉さんは僕に向かってそう言い、僕は「お邪魔します」と言って家の中に入った。

 そしてそこで若葉家のとんでもない事実を知ることになることをこの時の僕はまだ知らなかったのだった。


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