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ぼっちの僕がクラスメイトに告白されたわけ。  作者: 今無 いま
残り三日
59/73

姉貴にツーショット写真のことを黙っているわけ

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「それは本当なのか?」

「あぁ本当さ可愛い弟よ」


 姉貴は僕がそう聞くと、ニヤつきながら答えた。


「それも、前にした推理よりもずっと信憑性が高い」


 前にした推理。それは海原に嫉妬している一花は海原が僕のことを好きだということを知り、その恋を潰そうと僕に告白してきたというどこかのラブコメにありそうな推理だった。


「まぁあの推理は海原が僕のことを好きだと前提にしたものだからな間違っていても仕方がないよ」

「いや、私はただ信憑性が高いて言っただけで別にあの推理が間違っていたなんて思ってないよ。てかアンタはまだ海原ちゃんは自分のことを好きじゃないと思っているのかい?往生際が悪い弟だね」


 そりゃそうである。昔クラスメイトに無理矢理告白されて海原に振られたのに、今さら海原は僕のことが実は好きでしたと言われても納得がいくわけがなかった。

 しかしそれでも姉貴は言う。


「海原ちゃんがアンタのことを好きなのは確定だよ。じゃないとこれからしようとしている私の推理がなりたたなくなる」

「……」


 どうやらこれからする推理も海原が僕のことを好きという前提のものらしい。姉貴はミステリーではなく、ラブコメの読みすぎのような気がした。


「さて、私の華麗なる推理を聞くかい?可愛い弟よ」


 姉貴はまたニヤつきながらそう聞いた。

 僕は少しだけ昨日のことを考える。

 一花には『水泡』という親友がいたり、海原が海外留学する話などの昨日のことはだいたい話したが、一花と三十歳くらいの男の人とのツーショット写真のことは姉貴はまだ話していなかった。

 こんな重要なこと黙っていることがバレたら姉貴に怒られるだろうが、僕にも言えない訳があった。

 そもそもあの一花と一緒に写っていた男の人は誰かと考えた時、やはり一番最初に頭によぎったのは援助交際相手だった。

 海原は自分のことが嫌いなクラスメイトが勝手に流した噂として否定したが、あんな写真を見せられてしまってはその可能性を疑うしかないだろう。

 そして姉貴にそのことを話せなかったのはまさにそこにある。そう、援助交際は誰もが知っているように犯罪の一つで、いくら元刑事であったとしても姉貴はそんな犯罪を見過ごすことはしないだろうし、もしかしたら一花は捕まってしまうかもしれなかった。

 だからこそ僕は姉貴にそのことを言えなかった。

 そんなピースが一つ外れた状態の姉貴の推理はきっと間違っている可能が高いだろう。しかしそれでも僕は


「あぁ話してくれ。一花はどうして告白してきたんだ?」


 と聞いていた。すると姉貴は「あぁわかったよ」と言った後、語り始めた。


「一花が告白してきた理由は――復讐だよ」



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