姉貴の部屋に入ったわけ
僕は姉貴にプロレス技を仕掛けられることはなくスマホのアラームで目覚めた。
姉貴がプロレス技を仕掛けてこないのは珍しい。何かあったのだろうか?僕はそう思い姉貴の部屋に行くと、部屋はカーテンが閉まっているせいで少しだけ暗く見えづらかったが姉貴はいつものキャミソールとショートパンツ姿のままベッドで赤ん坊のようにぐっすり寝ていた。
どうやら昨日は夜更かししていたらしい。これは当分、起きないだろうからこのまま寝かせようと部屋を出ていこうとしたら「ムニャ」と姉貴は目を少しだけ開いた。
その表情はまだ眠そうだった。
毛布にくるまった状態で姉貴は言う。
「なんだ私の可愛い弟じゃないか……夜這いにでもしにきたのかい?」
「そんなことするわけねぇだろ!それにもう朝だ!」
「じゃあ、朝這いか」
「朝這いでもねーよ。てか朝這いて意味わかんねーよ」
それってただのモーニングコールではないだろうか?
とりあえず僕は寝ぼけてる姉貴に部屋に入ってきた理由を説明する。
「僕はただ姉貴はまだ寝てるのか確認するために入ってきただけだよ。まぁでも悪かったな起こしたみたいで、じゃあおやすみ」
「せっかく姉貴の部屋に入ったのに何もしないで帰るつもりなのかい?つまらない弟だね」
「何もしねーよ。もしも何かするとしたら今までの復讐としてプロレス技を仕掛けるよ」
「なるほど…….私の可愛い弟は、私に四八手を試してみたいのか。よし、いいだろう」
「そのプロレス技じゃねーよ!!」
姉貴は一気に眠りから覚めたみたいでベッドから起き上がった。えっマジでやるつもりなのかな姉貴?いやさすがにそんなわけないだろう。
「さぁどこからでもかかってこい!!」
「しねーよ!!」
どうやらマジでやるつもりだったらしい。
「可愛い弟の童貞を奪ってやるよ」
「姉貴なんかに奪われたくねー!!」
「半分くらいは冗談だって、そう取り乱すなよ可愛い弟よ」
「半分は本気じゃねーか!!」
恐ろしい姉貴だった。
僕はそんな姉貴に呆れながらも聞く。
「どうする?朝ごはん食べるか?」
「うん、そうしようかな」
そして僕たちは姉貴の部屋を出て僕は朝ごはんを用意するためにキッチンに向かい、そして姉貴はリビングで椅子に座りながら朝ごはんができるのを待った。
「姉貴、紅茶とコーヒーどっちがいい?」
「うーん、今日はコーヒーで」
「了解」
姉貴はいつもコーヒーや紅茶にミルクや砂糖を入れない。姉貴いわくそのままの状態を楽しみたいらしい。いつもミルクや砂糖を入れている僕にはわからない感覚だ。
僕はコーヒーをこぼさないように気をつけながら姉貴の元には運ぶと「あ、そうだった」と姉貴は思い出したかのようにそう言った。
「なんだよ姉貴」
僕はそう聞くと姉貴はコーヒーを一口だけ飲み、
「わかったんだよ――若葉ちゃんがどうして告白してきたのか」
安楽椅子探偵は確かにそう言った。




