表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ぼっちの僕がクラスメイトに告白されたわけ。  作者: 今無 いま
残り四日
47/73

『他人に教えてもおう大作戦』が失敗なわけ

 

『他の人に教えてもらおう大作戦』とはその名の通り、一花と関わり合いがありそうな水泳部の人から一花の連絡先を聞き出そうという作戦だ。

 裏ルートから入手するなんていささか卑怯な感じがするが、今更手段なんて選んではいられない。

 僕はそう思い『他の人に教えてもらおう大作戦』を実行しようとしたが、しかし残念なことにこの作戦は失敗だった。大失敗だった。

 なぜなら一花に直接連絡先を聞き出せない僕が他の人から一花の連絡先を聞き出すなんてできるはずもないし、昨日仮入部してきた奴が次の日そんなことを聞いてきたらあまりにも怪しすぎる。てかキモすぎる。誰も一花の連絡先なんて教えてくれないだろう。

 そしてそもそもの疑問としてアイツの連絡先を知っている奴なんているのだろうか?

 海原は一花に嫌われているので一花の連絡先なんて知らないだろうし、昔一花に泳ぎ方を教えてもらっていたまつりちゃんは一花に苦手意識があるようなのできっと知らないだろう。そして昨日の練習風景を見て、教室にいる時と同じように一人で泳いでる一花を見て、他の水泳部員も同様のことが言えた。

 これでは作戦を実行する以前の問題だった。

 本当、アイツの交流関係はどうなってるんだ。

 思わずそんな声を漏らしそうになる。

 まぁ交流関係に限って言えば僕が言えた義理ではないけれど、それでも部活をやっていてそれでもボッチだなんて何もしなかった僕よりも罪深いような気がする。

 まぁ別に友達がいないことは悪いこととは言わないが、僕がそんな正義ヅラできるわけがないが、それでも一人ぐらいは親しい友達がいて欲しかったと思う。そうすれば連絡先をされたかもしれないのに。

 まぁでも無理なのはしょうがない。

 諦めるしかないだろう。

 そんなわけで作戦はあえなく失敗し一花の連絡先を聞くのを諦めた僕だが、しかしそれでも僕は現在プール場に来ていた。

 今回は忘れずにちゃんと水着を身につけている。しかし競泳水着なんて持っているはずもないので、中学生の時に使っていた青色の海水パンツをはいていた。

 うーん、久々に来たのでかなりキツイ。もしかして僕、太った?いや、これはきっと成長期という奴だろう。そうだと思いたい。

 さてそんな誰得かわからない僕の水着情報は終わりにして、先に来ていた人達はすでにプールに入りすでに練習を始めていた。いや、練習と表現するにはそれは首を傾げずにはいられない練習風景だが。

 昨日、見てわかったことだが水泳部の練習は顧問が来て教えるというわけではなく基本時に自主練らしい。さすが陽森高校。なので、みんな適当に泳いだり、プールサイドに座り足だけを水につけながら他の部員とお喋りをしていた。

 どう考えてもこれ練習じゃねぇーだろ。ただ遊んでるだけだろ。

 海原はよくこんなところで練習しても、大会で優勝できるなと感心してしまう。まぁ海原にとってはきっと普通のことなのだろうけど。

 でも他の人は海原のことをどう思っているのだろうか?やはりみんな、彼女ことはただの天才としか見ていないのだろうか?

 そして特に一花がどう思っているのか気になる。

 アイツは海原ことを必要以上に嫌っている傾向があるが、それはやはりただの嫉妬なのだろうか。

 そんなことを考えながら僕はみんなが練習しているところプールサイドから眺めていると「お待たせ」と声をかけられた。


「さぁ私がロウとムチを使い分けながらキー君に泳ぎ方を教えてあげるわ」


 一花は不敵にそう言って笑い、そして今度は訂正をしなかった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ