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ぼっちの僕がクラスメイトに告白されたわけ。  作者: 今無 いま
残り四日
46/73

僕が今まで部活に入らなかったわけ

 

『スマホチラ見せ大作戦』はあえなく失敗に終わってしまったが、しかしそこで終わるほど僕はやわではない。

 まだチャンスは残されている。

 別にそれっぽいことをやったのでこれ以上頑張る必要なんてないのだが、しかしまだ一花と連絡先を交換するチャンスがあるというのに何もしないのはいけないことだろう。

 まぁ僕はただ『スマホチラ見せ大作戦』が失敗したことでやけになっているだけかもしれないが、でもチャンスを無駄にするのは馬鹿がすることだろう。

 さてそのチャンスが一体何かと言うと――僕はあの金髪のチャオ男せいで教室では話しかけられない状況にいるわけだが、しかし昨日、僕は一花と友達になりたい海原に協力するために水泳部に仮入部したのだ。

 今まで部活をやったことがない僕がいきなり部活に入るなんてしかもそれが運動部だなんてやはり変な感覚だが、よくよく考えてみたら僕は入学当時、新しい友達を作るために部活を入ろうかと一応考えてはいたのだ。

 部活に入らなかったのはただ自分には無理だろうなと諦めていただけであってそれなりに仮入部もしていた。

 まぁ仮入部日間中の一週間は最終下校時間になるまで家に帰ってはいけないという半ば強制的なものだったから仕方なくしていただけだけど。まったく、なんで部活動にはそこまで意欲的ではないのに仮入部だけは本格的なんだよ。

 おかげで一人で回った部活体験は心を締め殺すような思いをするハメになった。一人で回る部活体験の何が一番キツイかというと一人でいる僕に先輩が気を使って優しくしてくれることだった。本当、先輩方に迷惑をかけて申し訳ないと今でも思う。

 もしかしたら、僕が今までどの部活にも入らなかったのはそのせいもあるかもしれなかった。いや、僕が部活に入らなかったのはもっと別の理由があるけれど、でもそれが一つの要因なっていることは確かに言えるだろう。

 まぁしかしたとえどんな理由があったとしても部活に入らなかった僕は二度と帰ってこない青春を無駄にしているどうしようもない馬鹿であり、だからと言って二年生になって今さら水泳部に入ったのはその遅れを取り戻そうとしていたわけではないのだ。

 さきほど言ったように一花と友達になりたい海原に協力するするため――ただそれだけ。

 昔、海原に好意を寄せていたこともあったかもしれないが、しかしだけれど何もやましいことはない。

 ただこれから水泳部に入った本来の目的から外れたことをしてしまうし、しかもそれは個人的な理由でさらに水泳部の人達を利用することになるけど、でもそれもやむを得ないだろう。

 さて話を本題に戻し、そもそも『スマホチラ見せ大作戦』は失敗した一番の原因が一体なぜかというと相手が一花だったからと言えるだろう。彼女と話すとどうしても彼女ペースに巻き込まれてしまう。

 これでは一花の連絡先を交換できるはずもない。

 なので僕は別の作戦は考えた。

 名付けて『他の人から教えてもらおう大作戦』。

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