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ぼっちの僕がクラスメイトに告白されたわけ。  作者: 今無 いま
残り四日
44/73

女子と連絡先を交換したことがないわけ

 

 女子と連絡先を交換するなんてそういえば今までの人生で果たしてあっただろうか?と思い出してみると僕はやはりというか当然というか、そんな経験をしたことがなかった。

 中学の頃は勉強の邪魔になるて言うことで高校が受かるまでスマホなんて持たせてもらえなかったし、高校が受かりスマホを始めてもらっても唯一連絡先を交換したのは仲よかった友達だけだったし、高校入学式の時クラスメイトに連絡先を交換しようと聞かれた時でさえ僕は「ごめんスマホ持ってないんだ」と思わず嘘をついてしまった。

 そしてそれ以来、僕に連絡先を聞いてくるものは誰一人いなかったことは当たり前のことで、さらに僕は今どきスマホを持っていないということで『時代遅れ』なんてヘンテコなあだ名を付けられ馬鹿にされ続けた。

 まったく新しい友達を作ろうとしてこの高校に入ったのに何してるんだよ僕は。そんなんだからお前には友達ができないんだ。

 と自分に言いたくなる。しかし人間を信用していない僕にとって人と連絡先を交換するというはやはりどうしても危険な行為だと感じてしまうのだった。

 みんなが人と連絡先を交換しているところ見て、僕はどうしてそんなにも簡単に自分の個人情報を他人に教えられるのか今でも不思議に思う。

 悪用されるのではないだろうかと考えないのだろうか?

 まぁ普通はそんなこと考えないのだろう。そんなことを考えるとはきっと僕だけだった。そしてそんなことを考えてしまう僕はどうしようもない人間不信者だった。

 この性格はきっと一生、直せないだろう。

 さて、そんな僕がこれから姉貴に推理をさせるためにも一花と連絡先を交換しなければいけないのだが。うーん……どうするべきか。さきほど行ったように僕は今まで連絡先を交換したことがないのでどうやって聞き出せばいいのかわからない。


「ヘイ!!君可愛いね!!何歳!!どこ住んでる?てかLINEやってる!?」


 これは違う。絶対にこれは僕のキャラではない。こんなことを一花にやったらドン引きされるだろう。


『机に君のスマホが置きっ放しだったから、勝手に連絡先を交換したよ。よろしくね』


 一番、楽な方法ではあるのだろうけどこれはただただ怖いし犯罪のような気がする。そしてこれも一花にドン引きされるだろうし、即ブロックされるだろう。

 うーん色々とシミュレーションをしてみたがいい方法なんて思いつきそうもなかった。

 てかそもそも連絡先を交換する必要なんてあるのだろうか?

 姉貴に推理をさせてるのは、あくまで姉貴に余計なことをさせないためなのであり姉貴の推理なんて付属品でしかない。だとすればわざわざ姉貴のために連絡先を交換する必要なんてないだろう。

 でもしかし、何もしなかったらとあとで姉貴にどんな報復を待っているのかわからないので、一応それっぽいことをしとかなくってはいけないだろう。そしてそのために何をやるのか決めていた。

 名付けて『スマホチラ見せ大作戦』。




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