表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ぼっちの僕がクラスメイトに告白されたわけ。  作者: 今無 いま
残り五日
30/73

姉貴にバレたわけ

 

 今、僕が置かれている状況が面白いことなのかどうかわからないが一人の女子に振り回されていることは確かなことだった。

 さて姉貴にどうしてそのことがバレてしまったのかそれを簡単に説明すると、どうやら一昨日の僕の帰りがいつもよりも遅かったことを不思議に思ったらしい。

 それは本当に些細なことで、帰りが遅かったのは先生に呼び出されたからとかただ友達と遊んでいたからという理由が考えられそうだったが、しかし僕は先生に呼び出されたことなんて今まで一度もないし、たとえ呼び出されたとしても僕は行かないーーそして僕は友達のいないぼっちなのでそれらの可能性はありえなかった。

 それでこれは何かあると怪しく思った姉貴は昨日の夜、僕がちょうどお風呂に入っている間に僕の部屋に勝手に入り机に置いてあったスクールバックの中を調べると明らかに女の子もののハンカチを見つけたそうだ。それはきっと海原に貸してもらったハンカチだろう。バレないようにこっそり洗おうと思っていたのにまさかこんなことになるとは思わなかった。

 さて次に姉貴は財布の中身を調べると現金五千円とカード、それと大量のレシート(ついつい捨て忘れてしまう)を見つけるが、減っていない現金といつもはコンビニでお昼を買うはずなのに昨日の分だけのレシートがないことに気づく。昨日は一花にお弁当を作ってもらった?ので現金が減ってないのとレシートがないのは当然ことだった。

 姉貴は僕の財布から五千円を抜き盗った後、今度はスマホの中身を確認すると普段は巨乳ものばかりを見ているはずなのに最近は競泳水着姿の女子校生のAVを見ていることで疑念はようやく確証に変わったらしい。


 もしかして私の弟に彼女ができたのではないかと。


 しかし、もしそうだったとしたらうちの弟は初めてできた彼女&童貞を捨てられるチャンスでかなり浮かれているはずなのでとりあえずうちの弟に彼女ができたという可能性は考えられないとしても今何かに巻き込まれているという結論に至ったらしい。

 色々ツッコミどころが満載の説明だったが、さすが元刑事それほど的外れなことを言っていない。僕の五千円を勝手に取るという犯罪を犯していなければ今すぐにでも刑事に戻れそうだった。

 そう考えると姉貴が朝ごはんを作ったのは昔の刑事ドラマみたいに取調室で容疑者から情報を引き出すっためにカツ丼を食わせる的な感じだろう。

 僕は姉貴が作った朝ごはんを無言で食べながらそう思った。そして食べ終わると箸をそっと置く。


「とりあえず姉貴」

「なんだい?弟よ」

「僕の財布から抜き盗った五千円を今すぐに返せ」


 僕が使うあてもなく無意味に溜まっていくだけのお金だが、必死にスーパーのバイトで働いたお金を現在フリーターである姉貴に盗まれるのは許せるはずもない。そんな僕を嘲笑うかのように悪い笑みを浮かべる。


「いやだな盗るなんて人聞きの悪いこと言わないでくれよ。これは正当な報酬さ」


 正当な報酬?てなんのことだ。

 僕は不思議に思っていると姉貴は言うのだった。


「元刑事である私が可愛く弟のために協力してあげよう」


 ノーサンキューです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ