ギルド選び
首都アレスに入るための諸々の手続きを終え、僕たちはアレスに入った!
「うぉーーー!!すっごい栄えてんなあ!」
「あまりはしゃがないでよ、田舎者だと思われるじゃないの。それにしても人が多いわねえ」
「うむ」
3人とも初めて来たことでテンションが上がっているようだ。
馬車の中で話している間に3人とも自己紹介を交わした。
金髪の盾役の男がリドル。
年は17歳で僕より6つ上だ。
身長も僕より高く、顔も整っていて、女の子にモテそうだ。
盾の他にも剣術や体術を扱えるらしい。
赤髪の銃士の女はアンナ。
年は18歳で、身長はリドルよりも少し高い胸も大きい色気の漂う女性。
銃術以外にも道具師中級ギフトを授かっていて、簡単な錬金術を使えたり、彼女が使うポーションの効果が高まったりする。
黒髪を短く切りそろえた大柄な男はイサルコ。
年は20で3人の中では最年長。
ガタイの大きさはこの前のキングオークと同じくらいか。
男の僕から見ても格好いい。
槍術上級を授かっており、自分の体よりもずっと大きい長槍を扱っている。
もともとケイトとアンナがコンビを組んでいたところに、他のパーティーが全滅してしまったイサルコが合流させてもらった形で今の3人パーティーが結成された。
「ところでエドウィンはギルドはどうするんだ?」
「あー何も考えてませんでした。これからテキトーにブラブラして色々と見て回ろうかなって思ってます!」
「アタシ達は知り合いのいるギルドにお世話になるから、よかったら君もくるかい?」
「うむ」
ギルドかあ。
修行をしたい一心でここまで来たはいいものの、本当に何も考えていなかったな。
ーー首都アレスには、この都市特有の、ギルドと呼ばれる組合が多数乱立していることでも有名だ。
その規模は様々で、集まっている人間も様々。
剣士のみが集まっているギルドもあれば、盾役のみが集まっているギルドもある。
千人規模のギルドもあれば、わずか数人のみのギルドもある。
同時に複数のギルドに所属はできないから、慎重に選ばなきゃな。
「うーん。お言葉は嬉しいんですが、とりあえず一人で考えてみます!どこのギルドもピンと来なかったらケイトさん達に頼らせてもらうかもしれません!」
「おう!せっかく仲良くなったんだし、困った時はいつでも言ってくれよな!それに、お前もアレに出るつもりなんだろ?」
ケイトさんがニヤリと僕に笑いかけてくる。
アレ、とはたぶんあのことだろう。
「はい!もちろんそのつもりです」
「それならますますギルド探しを頑張らなくちゃな!今度そこの舞台でお前と戦うのをたのしみにしてるよ」
「うむ」
そう言って僕たちは、都市の門の前で解散した。
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あれから5時間後。
「んーこまったなあ。ギフト無しの人が入れるギフトが見つからないぞ」