入試準備
ロート王国立魔法士学校への推薦の話を聞いた両親は、驚き、そしてとても喜んでくれた。
医者の方に、五歳までは何をしたら良いのかを聞いたところ、色々な場所へ行ってみることを勧められた。学校に入ってからはあまり自由に行動が出来ないからだ。
魔法に必要なイメージ力を鍛える上でも様々なものに触れることは大切だと言っていた。
そして、それから両親に色々な場所へ連れて行ってもらった。海、山、森、平原、農園、工場、市場。
家にいる間は本を読み、知識を蓄えた。
親には大きな負担を負わせてしまったにも関わらず息子のためならば、と非常に頑張ってくれたのだ。
本当に頭が下がらない思いでいっぱいだ。必ず大きくなったら恩返しをしよう。
そして、ついに五歳になり、入学試験の日がやってきた。推薦入学というわけではない、平民は通常入学にも推薦状が要るのだ。
試験は朝の十時から開始だが、我が家では朝五時の時点で大慌てであった。忘れ物はないか弁当は持ったか、推薦状は持ったか。結局、忘れ物もなく、一時間前に到着するよう七時に家を出発できた。
入学試験の日だということで街は大きな賑わいを見せており、半ばお祭り騒ぎの状態であった。買い食いをしようとしたら、早く行きたがる両親に怒られてしまった。
そんなこんなで着いたロート王国立魔法士学校の校門前にはすごい人だかりがあった。
皆、高そうな服を着ており、自信満々という感じである。
倍率は例年通り二十倍ほど。高き狭き門だが、俺が落ちる気はしなかった。今まで頑張ってくれた両親のためにも、俺の夢のためにも、落ちるわけにはいかない。
お、アナウンスが響いてきたぞ。
「ロート王国立魔法士学校入学試験にお越しいただいた皆様、ただいまから開門いたします。入学希望者のみ入場して下さい。保護者の方は試験終了まで入ることは出来ませんので、ご了承ください。それでは、開門致します」
ガチャっと鍵が開き、大きく重い扉が二人の兵士によって開かれる。受験番号67358の紙を握りしめ、俺は門をくぐった。




