魔力の才能
夢を見た。
自分の魔力が散り散りになって、ついには自分の存在までも消えてしまう、そんな夢。
飛び起きると、ちゃんと自分の体はあったし、意識もあった。
だが、魔力はほとんど残っていない。
「魔力がこんなに少ないのは久しぶりだなあ。ちょっと体が重いけど、確かに気分は良くなっているかもしれない」
やはり少し魔力を溜めすぎたのだろう。最後の方は過密だと自分でも分かっていた。
だが、成長している事が嬉しく、ついついやりすぎてしまった。
反省。
今度は魔力を排出する訓練をしてから限界まで溜め込むことにしよう。
半年後、一回目の通院の時期がやってきた。
「ではまたよろしくお願いします」
「はい、分かりました。ところで、原因に心当たりはつきましたでしょうか?」
「いえ、考えてみたのですが全く分かりませんでした」
「そうですか、ではまた後ほど夜にお越しください」
治療室。
「きょうはよろしくおねがいします」
「はいよろしくね.......ってもう話せるのかい?」
「はい。でもまだりゅうちょうにははなせません」
「充分話せてるじゃないか。それに言葉遣いが一歳のそれじゃないぞ。しかし、丁度いいか。君にやってもらいたい事があるんだ」
「なんでしょうか」
「いいかい、君が半年前倒れてしまったのは体の中に魔力が溜まりすぎた事が原因なんだ。魔力ってわかるかな」
「(やっぱ魔力だったか)わかります。からだのなかにあるもやみたいなものですよね」
「もや?まあ、分かっているようなら話が早くて助かるよ。今から、その魔力を体から出す訓練をしてもらうからね」
「まりょくをだす、ですか?」
「ああ、ただ一朝一夕では出来ないだろうが続けていれば出来るように......」
「こんなかんじですか?」
その瞬間、体内から噴出した魔力は、瞬く間に部屋に充満し、医者と助手は苦しそうに呻き出した。
「あ、すみません」
外に出した魔力を体の中に戻す。
「ゲホッ、き、君はもう魔力のコントロールを完全に出来ているのかい?」
「いえ、まだまだですよ」
「どれだけ成長する気なんだ、君は」
「いまのじてんではどのていどのじつりょくがあるんでしょうか?」
「ふむ、そうだな。既に魔力量、コントロール力共に小学三年の魔法士と遜色ないほどにはある。とりあえず同年代の中では殆どトップに近いだろう」
「そんなものでしょうか」
「そんなものだ。しかし、この才能を埋もれさせとくのは惜しいな。君、国立魔法士学校に行くつもりはあるかい?そのつもりなら僕が推薦してあげよう」
「そこにいけばつよくなれますか」
「ああ、君なら強くなれるさ」
「じゃあ、いきたいです」
「よし、決まりだ。じゃあ五歳になったらまた来なさい。推薦状を書いてあげよう。親御さんには僕から説得しておくよ」
「ほんとですか!ありがとうございます!」




