昼食
キーン、コーン、カーン、コーン
あっ、自習時間の終わりだ。地上に降りよう。
スーッと滑らかに地上へ降りる。風魔法で着地する時のように風が吹き荒れるわけではないのでその点では優れているな。
さて次は昼食の時間だ。今日のメニューはシチューらしい。
中学校の食堂には初めて来たが、ほとんど小学校と変わらないな。席も四人のテーブル席だ。
二、三、四番の人とは会ったことはあるけどあまり話したことはないから楽しみだな。
「おーい、バート君。こっちこっち」
「ああ、今行くよ」
今声を掛けてくれた彼はソークという名前の、爽やか好青年といった感じの男子だ。番号は二番。水魔法の使い手らしい。
「腕はどう?治った?」
「ああ、ほとんど治ったよ。少し打ち身があるくらいで」
「へー!治るの早いね。あんなにぐちゃぐちゃで体に付いてるのが不思議なくらいだったのに」
「いやー、危なかったよ。もっと潰れてたら多分治らなかった」
「私達は手加減されたから無傷で済んだけど、あれだけ吹っ飛ばされたらね......」
ソークと向かい合う形で座っている彼女はフィアという名前の女子で風魔法の使い手。背が低い。百四十センチくらいしかない。
「あれでも手加減してくれた方だよ。本気を出されてたらその場で全身を潰されて死んでた」
「「うわあ」」
体の中心に向かって力加えられたら一巻の終わりだからなあ。まあ全身と言わず、頭とか心臓を潰されたらそれだけで終わる。
「そうだ、俺二人に聞きたいことがあるんだけどいい?」
「いいよ、食べながら話そう」
「じゃあ、お昼ご飯取ってきましょう」
シチューとパン、それに水を取ってきてテーブルに並べる。
「いただきます」
「シチュー熱っ!水魔法で冷やそう」
「そんなに熱い?そうでもないでしょ」
「猫舌なんだ。シチュー美味しいから好きなんだけど熱いのが玉にキズ」
「分かる」
シチューってガンガンに熱いのを出される時あるけどもうちょっと冷めててもいいと思うんだよな。むしろ冷たい方が美味しいかもしれないというレベルで。冷やしたシチューは普通に美味い。
「フーッ。それで何だ?聞きたいことって」
「ああ、二人は入学式の日どうやって来たのかなって思ってさ」
「なるほどね。俺は水魔法を使ってちょっと楽をしたんだ。途中結構坂道があっただろ?その下り坂の時に水魔法でサーフィンをしたんだ。すると勢いがついてその後の平らな道もサーフィンで楽になるというわけさ」
「おお、凄い!そんな手があったのか!」
「ありがとな。実は子供の頃から水魔法で色々遊んでて、サーフィンも遊びでやってたんだ」
なるほどなー、水魔法は他の魔法より色んな面で劣ってると思ってたが、そういう使い方もあったんだな。改めよう。
「じゃあフィアは?」
「私は風除けと、風の後押し、あと体を少し持ち上げる風を使っただけね」
「持ち上げる風って?」
「ほら、私は小さいから歩数が多いからすぐ疲れるの。そこでちょっと持ち上げることで歩幅を大きくしてちょっとでも楽にしたの。でも一番はやっぱり体を鍛えてたからね」
「やっぱり体は大事だよなー!でもそんなに力があるようには見えないね」
「失礼な。確かに力はそんなに付かなかったけど持久力は結構あるのよ。私は体が小さいから鍛えておかないとと思って」
「ごめんごめん。じゃあバートはどうやったんだ?ぶっちぎりで一位だったんだろ?」
「俺は特に何もしてないよ。ただ走っただけ」
「魔法とかは?使ってないの?」
「走るのには使ってない、魔力による筋力増加だけだな」
「マジかよすげえ」




