やはり重力はチートだ
訓練開始から三日、俺は空中浮遊に成功していた。剣で擦った毛皮を下に敷き、わずか五センチだが、電磁気力のみで浮いている。
「よし!成功したぞ!」
ふう、せいぜい三分程度で超低空だが浮くことができるまでに電磁気力を扱えるようになったな。
とはいえ、ゼロから作り出すことは出来ず、力を増幅することしかできないが。
つまり、自分の身体と毛皮を剣で擦ってからじゃないとまだ浮けないのだ。
ゆくゆくは自由に空を飛べるようにまでなりたいが、まだまだ当分先の話かも知れないな。
とりあえずは電気魔法はこんなものでいいだろう。まだ光子を操るのを目指すレベルには至ってないからな。
クオンに勝てるようになるには光子を操るレベルまで達するのが必要不可欠だが、ぶっちゃけそれで勝てるかは分からない。
何故か?重力と電磁気力では完全に重力が電磁気力の上位互換だからだ。
分かってないなあと思うかも知れない、だがクオンとの戦いではそうなのだ。では、二つの視点から比較してみよう。
・操れるもの
重力......質量のある物体、時間、空間
電磁気力......電荷のある物体、磁性体
いきなりクオンがチートだと分かってくれると思う。電荷のある物体って大体質量あるし、というか物体って質量あるのが殆どだろう。
・力の大きさ
電磁気力>>>>>>>>>>>重力
おー、俺の方がクオンより強そうだね。ちなみに、電磁気力は重力の100000000000000000000000000000000000000倍くらいあるらしいな。まあそのくらい隔絶した大きさの違いがあるということだ。
何故このくらいの差が生まれてしまうのかというと、重力子が俺たちが生きている三次元でない次元(余剰次元という。理論によっては十次元、二十次元ある)にまで動けてしまうからだ。その分、俺たちに働く重力子の数が少なくなり、力が小さくなるということだな。光子はその限りでなく、三次元にしか動けないため、力が重力よりも強くなるのだ。
では、クオンは?あのチート野郎は重力子を自由に動かすことが出来る。つまり、余すところなく力を注ぎ込むことが出来るのだ。
長くなってしまった。つまりは、力の大きさはクオンと俺とではほとんど同じだろうということだ。
と、言うわけで勝てるかは分からないが、あいつが相対性理論を理解していない、そもそも重力を使ってるという意識すらないところがせめてもの救いか。そこに勝機はあるだろう。
じゃあ何で俺は重力魔法にしなかったのか、それは俺が相対性理論を全く理解していないからだ。そもそも重力については分かってないことだらけだからな。俺が扱えるはずはない。クオンのように天才ではないのだ。
さあ、明日からは授業に出ないとな。腕も治ったし、気合いを入れていこう。




