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転生し、最強となる  作者: 食パン
中学生編
21/66

落ち着く間も無く


 先着十人は前の方に集められ、今は待機している状態だ。どうも会ってもらいたい人がいるらしい。


 ここに集まっているのはこの学年のトップの十人(Sクラスは除く)というわけだが、もしかしたらまともなのは俺だけかもしれない。


 俺の右に立っているやつは右手に包帯を巻いている。先程、


「右手、大丈夫ですか?」


 と声をかけた所、


「魔を封印しているだけなので気にすることはない」


 と返されてしまった。


 後ろにいるやつは、右目に眼帯をつけている。また魔を封印してるのかなと思って、


「魔を封印してるんですか?」


 と聞いてみると、


「魔?何を言ってるんだ。私が眼帯を嵌めているのはこれが理由だ」


 と後ろを振り返った。


 ?と思って見ると、ふよふよと右目が宙に浮かんでいた。神経が付いているということはなく、綺麗なまんまるな目玉だ。



 はっきり言おう。めちゃくちゃきもい。浮かびながらこっちを見て黒目がギョロギョロと動いているのだ。


「な、なんで目玉が浮かんでるんだ!」

「これが割と便利でね、前を向いていても後ろを見ることができる優れものだよ」

「いやいや、ええ⁉︎」

「ただ欠点があってね、風魔法で浮かばせているんだが、こうしていると目玉が乾いてしまうから五分程しか出来ないんだ」


 そう言って彼は眼帯を外し飛んでいた右目を嵌めた。


「こうしていると目立って友達が出来るかと思ったのだが......。誰も声を掛けてくれないのだ」


 出来るわけないだろ!不気味すぎる。


 いやあ、流石十位以内というか、ぶっ飛んでるな。二人見ただけで胃が焼けそうだ。


 お、やっと誰か来たな。誰だろう。俺たちと変わらないような歳に見えるが。


「やあやあお待たせー。待った?待ったよねー。ごめんね」


 なんか飄々としたやつだなあ。どことなくネンに似ているような雰囲気だな。


「うむ、来てくれたようだな。紹介しよう、ここにいるのが今回のテストでAクラスになった十人の者だ」

「おー。さすが、強そうなのがいっぱいいるねー」


 思ってもないくせに、よくそんなことペラペラ言えるなあ。


「おい、そういうお前は誰なんだよ。見たとこ俺らと同じ歳に見えるが?」


 誰かがイラッとしたように彼に突っかかった。


「いきなりお前呼ばわりかー。......まあ、一回目は許してあげよう。まだ名乗ってなかったしね。俺の名前はクオン。君らと同じ歳でSクラスの一番だ。これからよろしくなー。あ、気軽にクオンって呼んでくれー」


 なに⁉︎こいつがクオンか!


「お!皆驚いてくれたようだねー」


 めちゃくちゃ驚いた。というか、恐ろしくてビビってるっていう方が正しいかもしれない。しかし、滅多に人前に出てこないはずのクオンが何故ここに?聞いてみるか。


「それで、クオンは何をしに来たんだ?」

「そんな大したことじゃないよー。ちょっと皆と遊ぼうと思ってさー」

「えーとだな、私が説明しよう。君達Aクラスの十人はとても強い。だからな、今のうちに真魔法を肌で感じてもらいたいと思ってな。クオン君に来てもらったんだ」

「そうそう、そういうことです。というわけで皆さん、全力でかかって来なさい。あ、大丈夫!殺したりはしないから安心しなー」


 相当な自信だな。だが、それに見合うだけの実力があるのだと、対峙してみると嫌という程伝わってくる。


 あ、分かってない奴が一人いた。さっきの奴だ。


「ああ?随分舐めてくれるじゃねーか、上等だ。やってやんよ!」

「お前、さっきからうるさいな。じゃあいいよ、お前からかかってこい。それともなんだ、ビビってるのか?足が震えてるぞ」


 本当だ、めっちゃガクガク震えてる。こいつも本当はクオンの実力を感じ取ってたっぽいな。ただプライドか何かが許さなかったようだ。


「あ?ビビってねーし!ビビってるわけねーし!い、いくぞ!俺の炎魔法、大炎獄!」


 激しい炎の渦がクオンに向かって襲いかかる。


「ふーん、大炎獄なんて大袈裟な名前の割には大したことないね」

「うるせえ!黙って食らえ!」


 ゴウッと空気を震わせながら炎がクオンを包み、燃え盛る。


「へ、ヘヘッ。ハハハ!油断してるからだ。ざまーみろ!ハッハッハ、いやあ少しやりすぎたかな?大丈夫かー?生きてるかー?」

「生きてるよー。大丈夫ー」


 ぱあっと、炎は霧散してしまい、クオンが中から現れた。まるで何もなかったかのように全くの無傷だ。


「やっぱり名前負けしてる魔法だったねー。渦の巻き方も単調だし、そもそも威力もそんなに無いし」

「くっ、ちくしょお!」

「じゃあ次は俺の番ね。ほいっと」

「う、うわあっ」


 ごてっ。


 クオンの声と共に大炎獄君は空中に放り投げられ、地面に落っこちた。


「あはは!面白いねー」

「ぐぐぐ......」


 全くその場から動いていないクオンにいいようにされて、流石にもう何も言えなくなってしまったようだ。歯ぎしりをしながらうつむいてしまった。


 じゃあ、次は俺が行こう、皆今のを見て萎縮してしまったようだし。どういう魔法かも実際に体感してみなければ分からないだろうからな。


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