入学式二回目
この学校の入学式は運動場で行われる。何故なら、数千人が入るようなそんな大きな体育館はないからだ。とはいえ今回は数千人もの人数は集まらないだろうが。
時間内に来られなかった者は自動的にDクラスとなる。まあ仕方ないだろう。
入学式が始まる十分前、つまり俺が着いてから四時間後の現在、集まっているのは五百人程度だ。
流石に少なすぎる。どれだけ皆体力つけてなかったんだ?しかもたどり着いたやつも大体が満身創痍で、中には死にかけじゃないかというやつさえいる。この点に関しては人のことは言えないが。
......あと十分とはいえ、始まるまでじっとしているのも暇だな。何人か重症そうなやつの応急手当てをしてやるか。
と言ったって治療が出来るわけではない。電気を使って痛覚を一時的に感じさせないようにするだけだ。
ただ、前世では気休め程度でも、この世界では魔力による自己治癒に集中できるという点で非常に有用だ。
「おおぅ、痛みが引いたぞ!ありがとな!」
「どういたしまして。でも治ったわけじゃないから気をつけてな」
痛みが引いたのは別に治ったわけではなくただ麻痺してるだけだからな。
同様に他に何人か重症なやつに魔法をかけていると、レイドとテイルを発見した。
「おーい、二人とも、大丈夫か?」
「あ、ああ。バートか、俺らは大丈夫だが、お前やっぱ早いなあ。いつ着いたんだ?」
「四時間前くらいかな」
「早すぎるだろ、化物か」
うわあ、これイラつくな。化物って言われるのすごいイラつくな。後でネンに謝っておかなきゃな。
「そうだ、マリーのやつはどうしたんだ?先に先生に連れて行ってもらったんだよな」
「どうだろ、俺は先生より前に着いたからよく分からないな」
「マジかよ......」
「なんか、勝負どころじゃなかったね......」
そりゃそうだ。何故勝負になると思ったんだ?
さて、そろそろ始まる頃だな。疲れてる人が大勢ということで特に並ぶ必要はないらしいので、適当に座っておく。
それから五分後、四時間前正門の近くで挨拶をした初老の男性が壇上に上がってきた。あの人校長だったのか。
「それでは、只今より入学式を始めます。皆さん、静かにして下さい。......では校長先生、お願いします」
「皆さん、こんばんは。校長のテインです。えー、まずはこの学校の理念からお話ししましょうか。ロート王国立魔法士学校の基本理念として古くより実力が全てという言葉がありますが、我が中学校でもこれを踏襲し〜」
あ、これ長いパターンのやつだ。
「〜であるからして、皆さんにはより良い成長をしていただきたいと、そう考えている次第です。では、少ないですが私からはこれだけにしておきます。皆さん頑張ってくださいね」
そう言い残し、校長は壇上から下りていった。
長い!一時間も喋ってたぞあの校長。隣のやつなんか途中から水魔法で耳栓作ってたからな。まあ気持ちは分からないでもない。
さて、とにかくやっと入学式は終わりだ。早く寝て休みたい。
「皆、ご苦労だった!今日はこれにて終了だ。各自存分に体を休めてくれ!今日はまだ番号が決まっていないので小学校の番号順に寮を利用するように!以上!解散!」
よし行こう。すぐ行こう。
「すまん!一つ言い忘れていた。先着十名の生徒はここに残っていてくれ!では、今度こそ解散!」
まじか......。




