ネンとの出会い
小学校に入ったからといってやるべきことが急に変わるわけでもない。それどころか今までやってきたことをそのままやり続けるようなものだ。
体力をつける。魔力を増やす。魔法を使う。知識をつける。必要なものはこの四つだけだ。
なので特筆すべきこともなく時間は過ぎていった。
二ヶ月が過ぎるころには学校生活にも慣れ、順調に成長することが出来た。
その中で気づいたことがあるんだが俺は他人よりも魔力を感知しやすいらしいのだ。
どういう事かというと以前、生まれて間もない頃謎の息苦しさを感じたことがあったように、体の中に何かが有ると分かったように前世の世界で生きていた俺は魔素、魔力を実感として感じることが出来るということだ。
まるで地上に出された魚のような状態だ。人間にとっては当たり前のように呼吸できる空気も、魚にとっては例え酸素があっても吸収できない苦しいものであるように。
ただ、俺は魔素を吸収できるようになったので息苦しさはもう感じない。しかし、実感すること自体は未だに出来る。
そのため俺は魔力を他の誰よりも上手くコントロールできるし、魔力を体の外に広げてさえすれば視界外からの魔法も素早く回避することが可能なのだ。
これは電気魔法を使う上で非常にありがたい能力だ。電気は攻撃面はいいが、防御面は全くだめだからな。今のところは、だが。
魔力感知が出来ると知ってからは常に意識して訓練をするようにした。
その甲斐もあって一年が経った今、目を閉じていても全方位から来る魔法をそこそこのレベルなら全て避けることすら可能になっていた。
魔力を感じる恩恵はそれだけではない。より正確にイメージ出来ることから魔力量の増加も効率的に行えるようになり、また魔法を使う際の応用力も上がった。
とりあえずAクラスの中ではあらゆる分野でトップに立ったと言っていいだろう。
「へえ、君って魔力を感じることが出来るんだ」
なに⁉︎
驚いて振り向くとそこには金髪で背の低い美少年が佇んでいた。
そんなバカな。何も感じなかったぞ。
「いくら君でも体内の魔力までは分かんないみたいだねー」
いやいや、普通どれだけ頑張ってもちょっとは体から出てしまうものだ。俺ですら出来たのは最近なのに。
「僕は普通じゃないからねー。そういうこともあるよ、たぶん」
普通じゃないってことはやっぱりあれか。心読まれてる時から思ってたけどSクラスなのか?
「そうだよ。三番だけどね」
テレパシー持ちのこいつで三番か。上の二人は一体どうなってるんだ。
「あのさ、さっきから背が低いだのこいつだのちょっと失礼じゃない?」
背が低いはともかくこいつに関しては名前知らないから仕方ないだろ!あと、心読んでる方が失礼だと思うぞ。
「あはは、まあそうかも」
それで?何か用なのか?
「まあまあ、まずは自己紹介からね。僕の名前はネン。真魔法と風魔法を使ってるよ」
真魔法以外に風魔法も使えるのか。
「そりゃそうだよー。テレパシーだけだったら僕すごい弱いじゃん!」
うーん、確かに。でも二つも使ってるならやっぱり弱い魔法になるのか?
「いや、テレパシーの方は生まれつき持ってた魔法で後天性の魔法とは喧嘩し合わないんだ。あと風魔法なら同年代の誰にも負けないと思うよ」
同年代最強の風魔法も持ってるのか。強すぎるな。テレパシーだけならまだなんとかなると思ったけど風魔法もあるんじゃ今の俺なら勝てないな。
それで、結局何の用なんだ?
「実は協力してほしいことがあって、僕と一緒にSクラス一番のクオンを倒して欲しいんだ!」




