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私、桜小町はアンドロイドです。  作者: 山本 宙
3章~僕らの希望は+αにかかっている~
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32話『指令の根絶』

 α-真子姫に羽交い絞めされたユミエは、動かせない身体を大きく前後に揺らして腕を振り払おうとした。


それでもα-真子姫の力が強く、全く歯が立たない状況に瀕していた。


「販売店のアンドロイドをどこに連れていくつもり?引き返すように指示しなさい」


「お前・・・どうしてそれを・・・」


100体ほどのアンドロイドは、ユミエと鮫沖の指令によって動かしていた。


「早くアンドロイドの歩みを止めろ!!」


怒りをあらわにしながら、ユミエに訴えかける。


ユミエは歯を食いしばりながら、脳内でアンドロイドに指令を送る。


するとアンドロイドの歩行が停止した。


異変に気付いた鮫沖が振り向いてユミエを見る。


「どうした!?ユミエ!」


最後尾にいたユミエは遠くにいた。

しかし、羽交い絞めされている状況であることを鮫沖はようやく気付いたのだ。


「捕まえられたのか・・・」


マリオネットのすべてのアンドロイドは歩みを止めて後ろを振り向く。

一斉に振り向いた姿は恐ろしく、

今にもα-真子姫に襲い掛かるのではないかという恐怖に

包み込まれる。



ゆっくりと60体のアンドロイドがリボルバーの銃口をα-真子姫に向けた。


「今すぐ武器を降ろすよう指令を出せ!!さもないとこの女の命はない!」


全てのリボルバーはα-真子姫から標準が外され、ゆっくりと地面に向けられた。


「私が指令を出しているとなぜわかった・・・」

ユミエは怒りを抑えてα-真子姫に疑問を投げかける。


「あなたたちマリオネットを熟知しているわ。スパイプラグだって」


すると次々とサファイア=ファミリアの集団がマリオネットを包囲した。


マリオネットの者たちをユミエの所に集めさせた。


ユミエが取り押さえられると何もできなくなっていた。


「お前たちは何者なのだ・・・」


「俺たちはサファイア=ファミリアだ。アンドロイドを救うために結成された集団だ」


「サファイア=ファミリア・・・」


マリオネットが世間に騒がれるほど動いていた裏で、サファイア=ファミリアというあらたな組織が結成されていたなんて誰も予想していなかった。

身を潜めているアンドロイド警察も、見知らぬ集団に警戒する。


「あのアンドロイドは何者だ。空を飛んでいたぞ」


A-岩男が一点を見つめて呟いた。


「あいつは鈴音大地だ・・・病院で聞き取りをした」


A-岩男は鈴音から情報を得ようと

聞き取り調査をしていたことを思い出す。


「鈴音・・・。全てを知っていたようだな・・・」


「どうする?今から突入するか??」


「しかし奴らは全員武器を持っているのではないか・・・」


何もしていないからと言っても、目の前で立ちすくむ集団は人を殺める武器を持っている。何とも恐ろしい集団であって、アンドロイド警察は一斉取り押さえを検討しだす。


「これからどうなるのだ・・・」


緊張覚めやまない時間が車内を包み込む。

誰も動き出そうとしなかった。

マリオネットもサファイア=ファミリアも

関わりを躊躇してしまいたい恐ろしいオーラがあふれ出ていた。


アンドロイド警察からしてみれば、どちらも危険な集団であるのが印象だ。


何もできないまま見届ける・・・。


するとα-ショコラが手の甲を光らせた。

サファイアの光が暗闇を照らす。


「アンドロイドの光を照らして何をするつもりだ・・・」


「私たち、サファイア=ファミリアは手の甲に力を要しているの。このサファイアの光があなたたちのスパイプラグからアンドロイドを拒絶させるの」


「拒絶・・・」


「ユミエ!」

鮫沖が抵抗しようと思い、ユミエを呼びかける。


「アンドロイドなんてクソ喰らえ!サファイア=ファミリア全員駆逐だ!!」


ユミエが怒り狂って、操り人形に一斉に指令を送る。


「α-真子姫!止めさせろ!!」


「残念だけど・・・指令を送っているのは私だけじゃないのよ・・・」


α-真子姫は力強くユミエの身体を腕で締め付けて気絶させた。


しかし操り人形は動きを止めずにリボルバーをサファイア=ファミリアの者たちに向ける。


「誰が指令を送っているの!?」


「ダメだ!!逃げろ!乱射されるぞ!」



リボルバーがあらゆる方向に乱射する。

弾丸が弾け飛ぶ。サファイア=ファミリアは走り回って弾丸を回避した。


アンドロイド警察が乗り込む自動車にもリボルバーの流れ弾が飛んできた。


車の窓にひびが入った。

「危ない!!」

頭を守って身体を丸くする。


外ではリボルバーが乱射する音が響き渡る。


「くそ!!いきなりマリオネットが暴れだしたぞ!」


乱射される中、A-岩男が待機の命令を無視して外に駆り出した。


「あのアンドロイド命令違反だぞ!」


銃弾が飛び交う中、A-岩男が鮫沖に向かって走っていく。


「指令を出しているのはお前だな!!鮫沖!!」


叫びながら鮫沖に向かって一直線に走る。


銃弾が飛び交う中、鮫沖の足元まで走り寄って、

A-岩男が拳を振りかざした。


A-岩男の拳が鮫沖の頬を捉えた。


大きく振るった拳によって鮫沖は吹っ飛んだ。


マリオネットの操り人形が

混乱してリボルバーを散漫に乱射した。


暴れるように弾丸が四方八方に撃たれた。


マリオネットの指令元はユミエと鮫沖の二人だ。


鮫沖さえも、A-岩男によって撃沈する。




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