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魔法少女の秘密豪邸

ピコーンピコーン!ピコーンピコーン!


ミートスライムを倒した余韻に浸っていると突然身体の奥から謎の音が連続で鳴り始めた。


「うおっ?なんぞ?」


思わず強張る俺とジョーカー。


「ああ、それもこの異世界特有の現象なんだけどな。魔物を倒すと経験値が溜まって戦闘レベルが上がるんだよ。」


「は!?なんだよそのゲームみたいな設定は??」


「まあ実際ゲームみたいな世界だよな。切られても血は出ないし、死んでも死体も残らず光の粒になるし。」


確かに言われてみればそうだ。

まるで誰かの箱庭で遊ばれてる様な気分だ。

胸糞悪い。


「ちなみにだが、いくら自分で修行しても戦闘レベルだけは上がらないんだ。あくまでもモンスターを倒した時だけ経験値を獲得出来てレベルが上がる」


・・・ん?あれ?いや、ちょっとまて?


「じゃあこの一週間の修行は意味無いのか!?あの地獄の修行はなんだったんだ!?」


俺より先にジョーカーが叫ぶ。

なんか知らんが涙目になってるぞ。

あとキャラ設定忘れてるな。

どんだけコイツにスパルタ修行をしたんだ、アール先生は?


「いや、修行すれば技術も体力もちゃんと身にに着くぜ。死ぬ程特訓したレベル1のヤツが特訓しないでモンスターだけ狩っていたレベル10の奴に勝つ事も有るからな。」


ん?どゆこと?


「つまりこの世界には強くなる方法が2つ有るのさ。トレーニングとレベルアップ、二重の強さを重ね合わせて上に上がっていくんだ。」


解説が終わった時、俺たちから鳴り響いていたピコーンピコーンと言う音が止んだ。

そして胸の部分に数字が浮かび上がる。


「ジョーカーも最強も一気にレベル15まで上がったか。結構な数のミートスライムが居たからなぁ。」


浮かび上がった「15」と言う数値は数秒後に消えた。


「あと相手の胸の辺りを集中して見ると、その相手のレベルも確認できるわよ。」


「へー、どれどれ」


俺は両目に力を集中してホークスを見る。

すると薄っすらと文字が浮かんで見えた。

レベル42か、結構高いな。

続いてリサの胸元を・・・えっと、結構胸デカいなぁ。

これ凝視して変態だと思われませんか?

いやいや違う違う、あくまでも同じパーティーメンバーの実力を知るためにだな・・・ごほん!


「り、りさよ!汝のむ、胸元を観てもよ、良いのきゃ??」


あ、中学生が直接聴いてる。

有る意味勇者だわ。


「大丈夫よ?レベルが見たいだけだもんね。わたしジョーカーがイヤラシイ目で見ないって信じてるから♫」


「あ、あああ当たり前であろう!!そう、あくまでも仲間の強さを確認するためだ!他意はない!!」


言い訳の方向性が俺そっくりで笑える。

・・・まあ俺なんだけど。。。


しかし免罪符が得られたな。

では遠慮無く。


ジーーーーッ


俺とジョーカーはリサの胸元を凝視した。

ジョーカーが生唾を飲む音がする。

おい、ヤメろ中学生。


ジーーーーッ


やだ、何このなんとも言えない空気。

死にたい。


数秒後、次第にリサの胸元から数字が浮かび上がる。


「30か。」


「うん、私はあんまり戦いには出ないからね。普段は基本的にはポーションとかエーテルの製作担当だし。ホークスと比べるとだいぶ低いのよ。」


「だ、大丈夫だ!直ぐに(ワレ)が超絶レベルアップして護ってやるわ!フハハハハッ!!」


「ジョーカー頼もしい!・・・最強も私を護ってね?」


「お、おう。」


思わずドキッとしてしまう。

胸元の一件と合わさり効果抜群だ。

・・・じつは、この娘結構なタラシなんじゃ無かろうか?

本人が自覚しているかどうかは知らんけど。


ゴホン!


ホークスが唐突に咳払いした。


「さて、レベルを上げながら北の森に向かうとしようぜ!夜がふける前に出来るだけ進みたい。」


「夜・・・そう言えば、北の森までは2、3日かかるんだよな?夜は何処で寝るんだ?やっぱり野宿するのか?」


リサも居るんだが大丈夫なんだろうか?


「その点に関しては私が居るから大丈夫よ。」


「え?どーゆう事だ?」


「それは夜になってのお楽しみ♫きっとびっくりするわよ♫」


夜の楽しみとか変な想像しちゃうからヤメテ。

いや違うだろうけどさ、ヤメテ。


その後、俺たちは繰り返し襲って来るミートスライムや豚の化け物である豚骨ゴブリン、生き血を狙って襲ってくるビックバットなどを倒しながら進んだ。


個性豊かな敵が多いなぁ。

全部何処かしら気持ち悪い奴らだった。


しかし努力?の甲斐があり俺とジョーカーのレベルは20に、リサのレベルは31に上がった。

ホークスのレベルは流石にちょっとやそっとじゃ上がらないらしく42のままだった。


そして夜が更けた。


「さて今日はこの辺で休むとしようか。リサ、早速頼む。」


どうやらさっき話していた夜のお楽しみをするらしい。

ドキドキ。


「わかったわ、じゃあ危ないからみんな少し下がっていてね。」


リサは俺たちを少し離れた場所まで下げると拓けた前方の空間に向けて両手をかざした。


「行くわよ!【魔法少女(マジカル)秘密豪邸(ドールハウス)


ボカーーン!


掛け声と同時に目の前の空間に二階建ての可愛い家が現れた。


「わあ!?なんだこれ!?」


「【魔法少女(マジカル)秘密豪邸(ドールハウス)】、私の魔法で召喚した家だよ♫お風呂もトイレもキッチンも完備してるし、寝室もいっぱい有るから好きな所を選んでね!」


「・・・流石だ我が同胞リサ・キキノーデよ!早速お邪魔するぞ!!」


ジョーカーが厨二セリフを吐きながらも表情は子供の様にワクワクしながらルンルンで中に入っていく。


「サイキョーとホークスも遠慮しないで入ってね」


リサも俺たちに笑いかけながらジョーカーの後を追い【魔法少女(マジカル)秘密豪邸(ドールハウス)】の中に入った。


外に残った俺は同じく残って居るホークスに語りかけた。


「あの、、、あのさぁ。俺今凄〜く嫌な予感がして居るんだけど・・・聴いていい?」


「いや〜、多分その予感当たってるぞ。」


あ、やっぱり。


「本人は魔法って言ってるけど、イキナリ家が目の前に現れるのは・・・異常だよな?」


「そうだな。」


「つまりコレは・・・いわゆる【理想の力】だよな?」


「そうだな。」


「つまり・・・リサは」


「そうだな。」


うん。

この事はジョーカー君には言わないでおこう。

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