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集結!玄関先!!

一時的解散から2時間後


集合先である屋敷の玄関先に行くと、そこには既にホークスが身支度を終え待ち構えていた。


「よう最強、少しは休めたかい?まあ言いたい事は色々有るがともあれ今回の旅は宜しく頼むぜ。」


装備は修行中とそれ程変わらず、腰から下げた二刀、そしてあいかわらずのレザーの軽鎧。

その上からマントを羽織っている。


若干俺とお揃いみたいなイデタチになってしまっているじゃあ無いか!

チクショウ煩わしい。


と、色々此方としても思うところもあったのだが面倒臭かったので


「あ、まあ宜しく〜。」


として当たり障りの無い返答をしておく。

そんな俺の大人な受け答えを聞いてホークスの表情がますます微妙に変化したが、、、見なかった事にする。


しかしまだ他の面子は来ていないのだろうか?


などと辺りを見回してみると玄関口の遥か上、3階のバルコニーから高らかな笑い声が聞こえて来た。


「フハハハハっ!!我が同士【最強】よ!誰を探しているのかな?」


謎の風を受けてマントをバサバサさせながら片足をバルコニーの手すりの上に乗せ踏ん反り返っている青髪の厨二病患者がそこにいた。

両腕には何故か包帯がグルグルに巻かれ、目には謎の眼帯を付けている。


「あ、いや〜リサさんまだかなーって思ってな。」


「フハハハハっ!そうだろうとも!探しビトはこの我、螺旋力でピリオドを刻む多次元宇宙の覇者 天空超越者 joker(ジョーカー)で有ろう!!」


俺の返答を掻き消す様に被せて叫びやがった。


「螺旋・・・なんだって???」


脇でホークスがはてなマークを浮かべている。


「ああ、アイツ所謂厨二病患者なんで、気にしたら負けだから。」


ジョーカーに聞こえないようにホークスに告げる俺。


「あー、懐かしいなぁ。そういやぁ患ってた患ってた。」


自分の過去の記憶と合致したようだ。


「どうなのよ、十数年前のご自分の姿は?」


つい好奇心が勝り聞いてしまう。


「うーん、まあ可愛らしいかなー。いろんないみで。」


「ああ、そう言う捉え方になるんのね。」


「お前から見たらどうなのよ?四年前の自分は?」


「いやまだ俺の感覚だと痛々しいだけだよ?」


などと会話をしていると


「我を無視して何をベラベラ喋っているのだ我が同胞たちよ!・・・とうっ!!」


と叫び、おもむろにベランダからジョーカーが飛び降りた。


「うわ!?」


突然の事に慌てて受け止めようとするホークス。

しかし。


ブワワァ〜


落下途中で風がジョーカーの身体を包み込み、その風が緩やかにジョーカーの身体を地面に着地させた。

どうやら攻撃技で有る螺旋神雷風(ゴッドローリングバースト)の応用で風の力を操って空中浮遊したみたいだ。


思わず勢い余ってツンのめる我らが紅の剣聖ホークス様。


「フッ、驚いて声も出まい。天空超越者たるもの空の1つや2つ飛べてしまうのだよ?」


ゴチンっ!


ドヤ顔するジョーカーの頭を、俺はゲンコツで小突いた。


「あいたっ!?」


「本気で心配したろうが。大人をからかうんじゃ無いよ。」


「最強、まだ大人じゃないだろ!?我と同じ童貞じゃ」


ゴチンっ!!


「いったあぁっ!痛いよ!?」


痛いのはお前だよ全く。


「お、俺はともかく。あそこにいる間抜け面のオッさんはお前のことマジで心配したっぽいんだからな。たぶん。」


「間抜け面のオッさんて・・・」


「たぶんって・・・」


二者二様に俺をジト目で見つめてくる。

さすが未来の俺と過去の俺、ナイス連携。


などと感心しつつもこの空気メンドくさいなー、どーすっかなーと思考を巡らせていると不意に助け舟が入った。


「ごめんねー、着替えに手間取っちゃって。お待たせ〜!」


少しアニメっぽいその声の主は、2時間ほど前に出会った美少女、回復魔道士であり調合師でも有るリサ・キキノーデちゃんだ。

先程までの目深に被ったフード姿とは打って変わって半袖半ズボンの上に本当に最低限の鎧を付けている。太ももや腕、腹部の一部は生肌が晒され、胸元もかなりはだけている。

やや目のやり場に困るなぁ。


「サイキョー、ホークス、今日からしばらく宜しくね♫あ、あともう1人の君は確か・・・ショッカー君?だったっけ?


おしい。


「は、初めマシテ!ショッカーです!!」


・・・って、おい?


「よ、ヨロロシクお願いしますマス!!」


・・・まさか?

コイツ、緊張してんのか?


「こちらこそ宜しくね♫私はリサ・キキノーデだよ。」


「リサさん、なんて美しい響きなんだ。」


「さんは要らないよ、リサで良いからね。その代わり貴方の事もショッカーって呼び捨てにしていいかな?」


コクコクコクコク!!


ジョーカー改めショッカーめっちゃ頷いている。

厨二病を患い、女の子は勿論、友達すらいなかった14歳の俺にとって、理想を体現した様な容姿でしかも露出の多い服装のリサは刺激が強過ぎたみたいだ。


「よ、宜しくお願いしますすするぞ、り、リサさ・・・リサ!!」


キャラぶれしちゃってるけど大丈夫なのかな?

いやー俺が初めて植野歩女(うえのあゆめ)に出会った時を思い出すなぁ。

恋に落ちた事で急にそれまでの厨二病な自分が恥ずかしくなったんだよなぁ。

まあこのタイミングでジョーカーが厨二を卒業しちゃったとしても転移後の事だから【理想の力】を失ったりはしないだろうけれど。


「わー、その包帯と眼帯、カッコイイね♫私も結構好きだよ、そー言うやつ!」


「え?あ・・・そ、そうであろう!フハハ、フハハハハ!!我が天空を超越せし神力で汝を護ってやるから安心するが良い!!」


あ、意外と大丈夫なヤツだコレ。

リサまでも厨二病患者だとは考えづらいから、多分凄く大人な対応をしたんだろうなー。

これからリサの掌で転がされていくジョーカーの未来予想図が観えてしまった。


「はぁ〜。」


そして溜息をつくホークス。

やっはこの2人、何かあったのか?


こうして、急造ヘンテコパーティーが編成されたのだった。


いざ、北の森へ!

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