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ルピナス  作者: amakawa saiji
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山寄田師敬巣Ⅰ

 大学生ともなれば自分のことは自分でできるようにならなければいけない。

 それが父の口癖だった。

 八歳年上の兄は県外の大学に行くこともあり向こうの大学周辺で部屋を借りて一人暮らしをしていた。 そして今年俺は大学に通うことになった。残念なことに第一志望の大学には合格できず、滑り止めの大学に通うこととなったのはご愛嬌というものだろう。

 傍嶋大学は実家から電車で一時間半ほどしかかからないのでわざわざ大学周辺に部屋を借りる必要はあまりないと父親に訴えたのだがこの家の教育方針だとかで部屋を借りて住むこととなった。


 アルバイトをすることにした。

 決意するまではよかったのだがそこからがよろしくなかった。

 高校生の時に派遣スタッフサービスに登録していて、メールで送られてくる日時と場所に行けば日給でお金がはいってきていたのだ。がしかし、地元から離れるにあたり派遣スタッフのサービスをやめてしまっていたため自分で探さなければいけなかった。

 何が問題なんだ? と思うかもしれないだろうが、大きな問題があった。

 引っ越して住み始めた場所は大学へのアクセスを除いてとても不便でかつ何もなかった。

 あるのは銀行と個人経営の居酒屋、コンビニもちらほらとはあるがコンビニにはあまりいいイメージがないので働きたくはなかった、居酒屋はタバコ臭いのでそんな環境では働いていけないと思ったので候補から外した。

 我儘なのはわかっているのだけれど、いやいや働くのはどうしても許せなかった。

 ようやくバイト先が決まった時には引っ越してきて三ヵ月が経とうとしていたころだった。


 土地柄とでもいうのだろ。

 地元よりもアップダウンの多いこの町では自転車は必需品だ(ただし、電動アシストの備わっている自転車)ママチャリと呼ばれる一般の自転車では移動するだけでも一苦労ある。

 預金と相談して真剣に電動アシスト自転車の購入を考えている。

 車の免許でもあればまた別の選択肢も出てくるのかもしれないけれど……

 


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