第1話・神々の噂
注)・作者の都合により挿絵機能を使用していますが、不得手かつ雑な為、普通未満だと見られたものじゃない。と言う方は挿絵非表示の設定を願います。
第1話・神々の噂
期末試験も終わり夏休み前の陽気な雰囲気の中、いつも通りに下校しようとしていた稔と真は、玄関から出ると教職員数人が集まって話している変わった光景を見かけた。
「どうかしたんですか?」
「いっ!?」
真が教員達に声をかけると、何人かがあからさまな程に焦りを見せる。
稔は彼らを無視して校門に目を向ける。
校門では、鍛え込んだ十数人の成人男子が一人の教師と向かい合っていた。
近づいて話にいくのも怖がっている教職員達もいる中、まるで意にも介さずその集団と一人向かいあっているのは、真の担任である川崎世一だった。
「いくぞ真。」
「え?」
「多分私達に用なんだろう。」
真を促して近くの教師を無視して歩き出す稔。彼女も会話を聞いていたわけではないが、ある程度予想はできた。
稔と真以外は部活で強くても普通の中学生。
鍛えこまれた成人男性集団が用事がある相手など二人しかいない。
このまま世一からの注意で彼らが帰れば事無くすむと思っていた教師達は稔と真が嬉々として校門に向かっていくのを止められず、揃って肩を落とした。
「私達に用事なら川崎先生は通さない方がいい。真面目で荒事に厳しい人だからな。」
「お前達…」
「ただの武術畑の方々でしょう?大怪我なく済ませますから安心してください。」
「怪我無くとは言えないんだ…」
男性集団と世一の間に割って入った稔が安心させるつもりで放った言葉に苦笑いする真。
だが、彼も自分達への客だとわかって無下にする気はなく、結局稔と並ぶようにして男達に会釈する。
「ありがとうございます、我々は棒術集団裂岩流の者です。」
「非公式戦闘集団が中学生に何の用だ。」
「何と、先生は御存知でしたか。」
集団の先頭に立つ男から裂岩流の名前を聞いた世一が威嚇するかのような低い声を出す。
だが、尻ごむ所か男は自分が知られていることを喜んで笑顔を見せた。
「用事は私達が個人的に聞きます、ではまた。」
「おい、待て」
「ごめん先生、それじゃ!」
世一の制止を振り切るように駆け出す真。
稔はそんな真に続くように歩きだした。
仕事中に学校まで離れるわけにもいかず、また、真ならいざ知らず稔は下手に止めることも出来ないため、二人の後を追うように離れた裂岩流の集団もいなくなると、後に残された世一は苛立ちを吐き捨てるように息を吐いて校内に戻っていった。
いつも鍛練をしている山中。真と稔はそこまで早足で向かう。
屈強な男達の中に中学生二人と言うだけで絵的におかしいのに、その上人目につくところで立ち合いなどできるはずもなく、用があるならついてくるだろうと山中に向かうことにしたのだ。
狙い通りと言うべきか、二人に用事があってきた裂岩流の面々はちゃんとついてきていた。
「さて…と、この辺りでいいだろう。」
目的の山林につくと荷物を降ろした稔は、袋から短い竹刀を二本取りだし、真に投げ渡す。
「あれ?竹刀?」
「言ったろ、大怪我はさせないと。だから…」
不思議そうに二刀を手にする真をよそに、稔は取り出した竹刀を一振りして男達を見る。
「当たったら退場…でなら一試合付き合おう。」
挑発のように竹刀を突き付けられた裂岩流の男達は、それぞれに携帯式の棒を組み上げ、構える。
先端を前に、突き出せるような半身の形で構える男達。そして…
「「「お願いします!!!」」」
野太く、それにしては丁寧な声と共に、男達は一斉に二人に襲い掛かった。
容赦もなく囲みから棒を突きだしてくる男達に対して自分から飛び込むように接近した稔は、二本の棒の先端を竹刀で叩き軌道を逸らすと、深く沈み込んで足を薙いだ。
退場の二人が退く間もないほどの早さで背後に続いていた二人が今度は両手で握った棒を刀のように振り下ろす。
竹刀を盾に止めた稔は、その低い姿勢から地を蹴り、立ち上がる勢いを利用して二人を押し返し、体勢の崩れた二人を打ち据える。
(防御する気はなかったんだが…さすが非公式集団と言う事にしておこうか。)
瞬く間に四人を退場に追いやった稔は、内心で彼らを誉めつつ、気を引き閉め直した。
「いや、いき、なり、あたっ、たら、とか、いわ、れて、もっ…」
一方、何を使うかも自分で決められないまま短刀を投げ渡された真は、襲いかかってくる二人の棒を下がりながら防いでいた。
練想空間ならいざ知らず、生身では稔以外とは交戦経験などほぼないに等しい真は、いきなり乱戦に対応など出来なかったのだ。
だが…
「はっ!!」
「よっと。」
足元を薙ぐように振るわれた棒。
それを靴の裏で止めた真は、そのまま踏み込んで棒をへし折った。
折った分縮まった間合いを利用して、棒を持っていた手の甲を左の短刀で軽く叩く。
その間にも構えていた別の男が突きを放つが、真はそれを右の短刀で払い、そのまま踏み込んで突いてきた男の額を突いた。
「流石に慣れてきたかわっ!!」
一息吐きかけた真だったが、当然残っている男達に攻めかかられる。
左右からの攻撃を両手の短刀で止める真。
(僕は稔ほど超反応や高等技術を使える訳じゃないんだ、追い付いてるのは慣れと…力と速さそのものくらい。手加減なんてしてられないか。)
一度下がって棒から自由にした二刀を手に脱力した真は…
「スプレッドラッシュ!!」
乱撃を放った。
脱力を使った連撃である乱。
稔とスサノオから習ったそれを、両手で行うと言うだけの代物だが…
今の真が放てば、最早人の域を外れた乱撃と言う他無く、削岩器のように断続的に竹刀と棒の衝突する高い音が響く。
相討ちを狙う間すらなく、真の側にいた二人は気が付いたら退場になっていた。
「ふうっ…よし、四人!次は…」
と、辺りを見回した真は周囲が静かになっていることに気づく。
「他は私が片付けた。」
「あ、そ、そう…」
側に来ていた稔が何でもないことのように言う台詞に真は頬をひきつらせる。
その辺の暴徒と違い、鍛え方も棒による一閃もしっかりした代物だと言うのに、二桁はいた男達を四人に四苦八苦している間に片付けた稔に驚き、そこまでして笑みも無い稔を見て、真は若干呆れていた。
「後は…高みの見物を決め込んでいた名乗ってもない大将だけだ。」
言いつつ稔が竹刀を突き付けたのは、校門で先頭に立っていた男だった。
突きつけられた竹刀を見ながら、男は軽く一礼する。
「失礼。私は氷野大和と申します。お二人ともお見事でした。」
「まさか取り巻きをけしかけておいてこれで終わりとか言わないだろうな?」
竹刀でとは言え、防具も無く稔に叩かれた青年達の内、何人かは湿布を張ったりしている人もいる。
真が退場扱いにした四人は加減もあって全く問題なさそうだったが、一応怪我する可能性もある中に人をけしかけておきながら一人見物を決め込んでいた彼…大和に対して稔は少し怒っていたのだ。
「一応二人の事は知ってはいましたが、中学生と言うこともあって先に後輩に試して貰いました。無意味に怪我をさせては件の先生にも申し訳ないですので。」
「今ので私の試しになったつもりなら甘く見すぎだな。真、下がってろ。」
静かに応答しつつも、手にしていた棒を構える大和。
その姿を見て向かい合った稔は真を首だけで下がるよう促した。
稔ほどではないが、少しは『判る』ようになってきている真は何も言わずに下がる。
(少なくとも…さっきの人達とは桁が違う。持田さんとは…さすがに僕じゃ見ただだけで比べられないや。)
剣道部にいる稔の幼馴染である持田穂波と比べようとした真だったが、構えだけで色々察するのは無理があった。
「さいっ!!」
踏み込みから放たれた突き。
それだけを言うなら他の男達もやってきたのだが、大和のそれは比較出来ないほど速く重かった。
竹刀の切っ先で逸らす気になれなかった稔は、咄嗟に左手を添えて、突きだされた棒の先端を竹刀で逸らす。
距離が詰まる中、踏み込みながら脛に向かって蹴りを放つ稔だったが、大和はその蹴りを突き出した棒を傾けて柄側で受けた。
受けた棒ごと体勢を崩された大和は、間を空けて再び構え直す。
力を抜き、一歩歩を進める稔。
(乱だ!)
真が思った直後、竹刀が消えて写るほどの速さで振るわれた。
対して、大和は両手で持った棒を前に竹刀の乱撃を受けていく。
本体の長さと、回すことによる手数の多さ、防御に回った際の取り回しの範囲等、使いこなせれば攻防共に驚異的な性能を発揮する代物。
大和はそれを綺麗に使いこなしていた。
だが…
「あ…」
「轟っ!!!」
真が一瞬察した稔の変化。
それに気づかなかった大和は、速さについていくために柔らかく手にしていた棒でそのまま防いだが、乱撃から繋げられた渾身の打ち下ろしを止め切れなかった。
大和の額に届いた竹刀の先端。
その額からは僅かに血が流れ出てきた。
強打が過ぎてへし折れた竹刀を荷物の傍に投げ捨てるように放った稔を前に、組み立て式の棒を解体した大和は行儀正しく立って会釈した。
「…お見事でした。」
「此方も、真以外では初めてひやりとしました。」
挨拶を交わして握手する二人を眺めていた真は、ふと視線を移す。
その先には、山中で座る場所も無い為整列している裂岩流の男達。
「あ、あの大和さんを…中学生が…」
「すげぇ…人間じゃねぇ…」
大男や、細身にしても鍛え上げられている青年ばかりの集団に引かれている中学生の女の子。
改めて大和と話す稔に視線を戻した真は、彼女の笑顔に苦笑を漏らす。
(人間扱いすらされてないけど、稔としてはそれくらいのほうが目標近くていいのかな。…今の僕が現実で稔についていけてるとは思えないけど。)
一人で四人の成人を倒す時点で既に並ではないのだが、十数人相手にした後人間離れした一戦を観戦側に回って見ていた真は、人間離れの位置に自分を含めず他人事のように二人を眺めていた。
解散して裂岩流の一行と別れた二人だったが、大和は残って二人と共に近場のレストランへやってきていた。
「それで…氷野さんは何で僕と稔の事を知ってたんですか?」
真は出会った当初からの疑問を口にする。
二人は校内では異端の問題児とは言え、事件までは起こしていない普通の学生である。別の県から大人が車でこぞって会いに来るような特別な子供ではないはずだった。
流されるかのように試合に応じたものの、『正体不明の大人が中学生に試合を挑む』等と言う異常行動についての理由を何も聞いていない二人にしてみれば、このまま終わりで気分よく済む訳がなかった。
「私だけ残ってお二人の話を聞こうとしている事に関係するのですが…」
一度言葉を区切った大和は、意を決したように向かいに座る二人を見る。
「実は、私も練想空間に辿り着いた身なのです。練想空間内でとある神様にお二人の話を伺い、こうしてやってきた次第です。」
「へぇ…えぇっ!?」
何の気なしに聞いていた真が、大和の言葉の意味を理解すると同時に叫び、次いで隣に座る稔に頭をはたかれた。
「騒ぐな馬鹿、迷惑だ。」
「あぅ…そうは言うけど、びっくりするよ。今まで一度も会った事無いんだし。」
しょぼくれた真を見て少し笑った大和は、その笑顔のままで続きを話し始める。
「お二人の経緯までは知りませんが、誰一人知らない空間の話など外でしても変人扱い。私は周りに練想空間に辿り着いた人間など一人もおらず、疑念や不安が成長の妨げになっていると君達の事を教えて貰ってこうして尋ねたのです。」
「そうでしたか、私も多くの真威の使い手に会えるものなら会いたいとは思ってますから何よりです。」
「はは…先の試合では完敗でしたが。」
楽しげに話す二人に混じれず、二人のやり取りを聞く真。
直接試合った訳でもなく、稔ほど自力に自信があるわけでもない為、あれこれ話す気になれなかったのだ。
だが、我関せずといった感じでいる真の様子に気づいた稔は、横目で真を見る。
「何他人事のように聞き手に回ってる、神様がわざわざ取り立てて話題にする位だ、蛟を倒した一件が原因だろう。」
「お察しの通りです。君も彼女と共に戦ったのでしょう?」
稔の予想通り、代表例に出す位の事案と言ったら、本来万全の状態の神様が相手にする規模の惑意…神話の域の妖魔として現れた蛟を、神様の加護もあったとは言え二人で倒した事しかない。
だが、大和が続けた言葉は、事件の詳細までは知らない事を示していた。
稔は真を指差して大和を見る。
「蛟を叩き切ったのは彼で、私は前衛で牽制していたんです。共に、と言えばそうですが、主役は真のほうですよ。」
「や、まぁそうだけど…だからって稔に主役扱いされるほどとんでもないつもりは…」
「それが本当ならすさまじい事ですよ。私はてっきり彼女の方が主軸だったとばかり思っていました。」
限界を超えた修行だけでなく、強い信仰心等でも辿り着く意志の力の為、真威の使い手としての力と現実の技量とは比例するものではない。
「かくいう私も元々信仰のみで練想空間に至った身でして。神様のお話を伺った限り、人の惑意の為に苦心させてしまっていると聞いてはいてもたってもいられず、それ以来修行を始めたみでして…そういう訳で、体術と真威とが直結しない事も把握しています。」
大人と言うには少しはしゃぎすぎに感じられる程に嬉々として話す大和の様子に、稔は小さく笑みを漏らす。
(無理もないな…私も真相手に話が通じた時はほっとしたからな。)
一人で夢のような世界を彷徨い神々から啓示を受けた…等と、話し合い出来る人などそうそういない。
退魔師と言った類の職が絶滅していなかった頃ならばまだ彼らの中では普通に信じられていたのかもしれないが、練想空間として現実と分断されてしまっている現代で一人そんな世界を見た所で心から何の迷いも無く強く信じきるというのは難度の高い話だ。
初めから稔と出会った真はともかく、稔も一人で鍛えていた時期があったため、嬉々として話す大和の気持ちを察していたのだ。
「私達は日中生身で、夜に練想空間に入って活動しているのですが、折角ですから真の方とは練想空間で一試合どうですか?」
「そのつもりで残りました。姫野君がよければ是非。お願いできますか?」
「あ、はい。よろしくお願いします。」
今回はまだ直接混じれていなかった真は、自分と稔以外の真威の使い手との試合に乗り気だった。
レストランでの食事を終えた後、それぞれ一度解散と言う形で家と宿泊施設に戻り、練想空間に入ってから集合と言う流れになった。
部屋に戻った真は、ベッドに入るとそのまま目を閉じ…練想空間に入る。
練想空間。
科学、物理の進歩、情報共有の容易化等、発展の結果、フィクションと片付けられて現実から切り離された『意志力』によって構成された世界。
殆ど現実同様の地形に見える状態だが、それは人が『そういう地形』だと見ている意思から構成されているため。
そして、現実にはいない代物として切り離された結果、神様や妖魔などは基本的にこの練想空間に存在している。
「ここに来るだけでも相当なことなんだよね…あんまり実感無いけど。」
練想空間から、ベッドで目を閉じている自分の姿を見て改めて現状を自覚しなおすかのように呟く真。
真が見ている通り、人は現実にいるもので幻ではない。
だが、本来人に意志が存在しているのも現実なのだ。
その結果、不可能事や現実離れした物を強く信じ、願い、思う、並外れた意志の力…真威を持つ者だけが、この練想空間を認識できるようになった。
「っと、のんびり振り返ってないで早く行かないと、待たせたら悪いし…」
呟きつつ窓を開いた真は、指先で六芒星の魔法陣を描くと、描いた魔法陣から剣を取り出した。
真が練想空間に辿り着いた絵空事、六芒魔法による魔法剣の生成。
通常、人の域を外れる修行か敬虔な信仰から辿り着くのが基本となる練想空間に、真は自身で編み上げた六芒魔法を扱いたいという願いの強さで辿り着くと言う異質な経緯で練想空間に至った。
神々や鍛錬など違い、他の人が信じていたり、強固な意志を持つに至る裏づけがないままで辿り着くという、ある意味で尤も大変な流れで来れるだけの資質を持っている。
それこそが、祭事等と比べはるかに力が無いときとは言え、スサノオが敗れた蛟を両断するような真似が出来た彼が特別な理由なのだが…
「さっきの試合じゃオマケみたいな状態だったのに遅刻までしてられないし、急ごっと。」
頑張るくせに妙に控えめで自信が見えない結果、異端に近い域にいる割にはまるでその自覚が無く、スサノオや稔に呆れられているのだが、自分が異端どころかオマケだと思っている彼がそんなことに気づくわけも無かった。
一方その頃、待ち合わせ場所になっている神社の傍では、慣らしも兼ねて大和が惑意を散らしていた。
「この近辺は惑意が多いのですね…神社の傍だと言うのに。」
トゲの塊のような形をした惑意を貫いた槍を一振りして赤い光を散らすように払う大和。
「私と真がこの近所に揃って住んでいるから門を通して惑意を全国から近所に集めているそうです。」
「神々は直接惑意を掃うだけでなくそのようなことまで…私も少しでも役立てるよう精進しなければ。」
見物の為に軽く流していた稔が大和の疑問に答えると、自分の知らない加護を知った大和は神社に向かって頭を下げる。
(神職らしいな、本気で神様を敬愛しているんだろう。)
苦笑しながら、稔は下手なことは言えないと改めて思い直す。
何しろ、鍛錬から練想空間に辿り着いた稔は、生身でもスサノオを超える事を目標としている。
純粋な神職者から見ればまさに『天に唾吐く行為』に他ならない。
ぺらぺらと全てを語れば人によっては気分を害することは想像に難くない。
「少し予想はしていましたが、槍なんですね。」
自分の話を下手にしない代わりに、大和のほうに語らせようと、彼の持つ槍を話題にする。
練想空間での話を出来る相手が今までいなかったらしい彼が喋りたいだろうと考えての事だったが、大和は嬉々として槍を手に経緯を話し始めた。
「先も話した通り、私は元はただの神職でして、戦闘とは無縁でした。練想空間に来て神様にお話を伺って初めて考えることになったので、聞いたまま、薦められるままといった有様で。」
「それで神職に近い退魔師について聞いたんですか?」
「そういうことです。あ、君の装備も退魔師を参考にしているんですね。」
巫女服に鎧と手甲をつけたような姿の稔に対して、そこから鎧と手甲をなくしただけにすら見える完全にただの神職用の服装にしか見えない大和だが、袖口などの各所に札のようなものが仕込まれている。
「かつての退魔師は刀を持っていたようですが、素人が扱うには難しいと振るだけでも便利な棒を勧められまして。とは言え、異形が相手でただの棒では危険なので槍を扱うように。」
言いつつ、鋭い一薙ぎで傍にいた霊のような惑意を散らす大和。
(きっかけはどうであれ随分馴染んでいるな、神様の力になる、と言うだけで余程使い込んだらしいな。)
強くなることそのものが目的ではないはずの大和が鍛えて自分と勝負になった事を賞賛しつつ、真の事を思い返す。
(さて…と、どれくらいの差になるんだろうな…)
稔はようやく姿が見えてきた真が近づいてくるのを眺めつつ、想定できている結果とどれくらいの差異が出るか、試合前の観客のような気分を味わっていた。
神社の前、ある程度の広さがあるここは課題等で呼ばれた惑意の塊と試合を行うときにも使っている場所。
そこで、真と大和は互いに向かい合っていた。
「すみません、道中惑意を散らしながら来てたらちょっと遅れました。」
「いえ、お気になさらず。しかし…」
やってきた真と挨拶を交わした大和は、真を…その服装を眺める。
彩度の強い派手な色の服装をしている真からは、神聖さや修行等と言った事柄とは遠く離れた位置にあるようで、予想外だったのだ。
一方で、真の方は大和が神職だと聞いていた為その姿になんの疑問も抱かず、稔以外で初めてみた真威の使い手に舞い上がっている。
「君のそれは…一体?」
「魔法剣士姫野真…よろしくお願いします。」
西洋等の国外の神々の名が挙がるかと思っていた大和は、まるで想定もしていなかった真の名乗りに硬直する。
対して、練想空間に来たにしては外の普通の人と同じような、むしろそれより驚きと戸惑いを見せている大和に首を傾げる真。
「そういう異端中の異端なんです、彼は。偽者で無い事は私が保障しますし…すぐにわかります。」
稔の実力は既に味わっている大和。
彼女の保障がある上に、練想空間に居ると言う事自体の異常も理解している為、小さく頭を振ると改めて真っ直ぐに真を見る。
「では…氷野大和です、よろしく。」
静かに名乗ると、大和は右手の槍の刃先を地面に向け、左手足を前に立った。
深く沈むことも無く、自然ではあるが棒立ちに近い。
(私の乱ではないが、それに近い。どう動き始めるにも楽そうだな。)
数歩分の間を空けて立つ二人を眺めながら、眉を顰める稔。
(先手を譲る気か真?…剣の展開に時間を食うだろうに。)
今のうちに動かない真。
いくら地力があってもそのままでは一方的にやられかねないと思い、少し不安になっていたのだが…
真が僅かに足を動かしたのと同時に、大和は空いた左手で右袖から一枚の札を投げた。
「爆っ!」
大和の声に応じるように、投げられた札が爆炎を放つ。
咄嗟に後方に転がりながら直撃を避けた真に向かって駆け出し、一気に距離をつめた大和は、立ち上がる前の真に向かって両手で持った槍を唐竹割りの如く打ち下ろした。
かろうじて立ち上がりながら避ける真。その体を掠めた槍の先端が軽く真の体を裂いて、青い光をにじませる。
練想空間ではあくまで真威の塊。消えきらなければ大概は戻せるが、何処が傷ついても消耗する。
今更かすり傷程度は気にせず、真は振り下ろされ石畳に届いた槍の先端を踏みながら大和に体当たりした。
踏み込みながら肘鉄込みでの体当たりに、槍を手放して下がらされた大和は…
下がりながら数枚の札を撒いた。
「槍っ!!」
下方に撒かれた札が大和の声と共に光り、地面から石が針のように飛び出す。
斜めに真に向かってきた石の針に、再度転ぶようにしつつ後退する真。
その間に手放した槍を拾った大和は、石の針の先に転がる真を眺め…
転がったままの姿勢で指先で魔法陣を描いていることに気づいた直後、その目を見開いた。
「ライズ…フェザーブレード。」
「な…っ!?」
鮮やかな翠の…風の剣を魔法陣から取り出した真は、寝転がるに近い低姿勢からその剣を振りぬいて、石の針を断ち切った。
切れた針が真威となって青い光を散らす中、立ち上がった真はそのまま驚いて後ずさりした大和に向かって斬りかかった。
(後の先待ちを警戒して初手から魔法陣を書き出さなかったのか。そもそも剣なしでここまで凌げるだけでも上等だがな。)
石の針を一撃で切断した風の剣を見ながら真の初手が遅れた理由に合点がいった稔は、見えた結果に苦笑する。
一見すれば互角だった…真の方が不利にすら見えたが、今の今まで魔法剣士が剣を持たずに居たのだ。
それはつまり…
「な、なん…っ!?」
今からが本領の真に、大和が着いていける訳がないということ。
フェザーブレード、重さ無き風の剣。
名前の通り羽でも振り回すかのように剣を振るう真を前に、槍ならば有利などと言う理屈も何も通じるわけも無く、重さは無くとも鋭さは石の針を切断した先の通り。
槍を取り回して受け手に回る大和だが、到底攻めには回れず、さっきまでと逆に後退しながら防御し続けることになる。
「く…っ!」
「フルールウインド!!」
真の魔法剣が持つ、剣そのものの力以外のもう一つの特性、剣の開放による魔法発動。
展開した剣を使う代わりに、強力な力を発揮する。
風の剣を使って放たれたのは、一言で片付けるならただの突風だった。
ただし、規模が桁外れだったが。
大和の背後、直線状にあった木々は全て数本の枝ごと葉を散らされ、吹き飛んだ枝葉は青い光となって散っていく。
一瞬で吹き飛んだ大和は、そのまま一本の木に背中から叩きつけられた。
衝撃でぶれる意識を整えた大和は、二つの魔法陣を展開している真を見据える。
「ライズ…フローズンダガー!!」
宣言と共に魔法陣から剣を取り出す真。
氷で出来た二本の短剣を手に駆け出す真を見て、大和は先刻見たばかりの短刀二本で戦っていた真の姿を思い出す。
(これが彼の真威なのか…まるっきりファンタジーではないですか!!)
槍の長さを利用して間合いに入られる前にと、大きく横薙ぎに槍を振るう大和。
刃先より踏み込んだ真は、槍の柄を氷剣で防ぐ。
直後、刃に触れた槍の柄に氷が纏わりついた。
「なに…くっ!!」
続けざまに空いていた左の氷剣を振るう真。
辛うじて下がってかわした大和は、咄嗟に札を投げ、爆発させた。
だが…
「フローズンケイジ。」
魔法剣の力の解放。
左手の氷剣を使った真は、放った魔法を以て眼前の爆炎ごと氷結させた。
氷が砕け、青い光に変わって練想空間に溶けていく光景を呆然と眺める大和。
その時には、勝敗は決まっていた。
「も一個。」
「は?っ!?」
笑みを浮かべながら、空の右手の人差し指で大和の槍を指す真。
意味がわからず手元の槍を見た大和は…
槍にくっついていた氷の剣を見た姿勢のまま、氷漬けになった。
「やれやれ、何でここまで出来て普段から自信なさげで頼りないんだお前は。」
稔は氷の飾りと化してしまっている大和の姿を眺めながら愚痴気味に呟く。
対して真は氷塊を見ながら苦笑いを返した。
「あはは…ここでならさすがにちょっとはね。でも、生身だと剣だけしか扱えないし、そもそも稔だったら多分八括魔もいらないでしょ?」
「彼には悪いがさすがにな。英雄精霊竜種と相手にさせられれば強い符術使い程度だと脅威にならない。」
練想空間に至る。
それ自体人並み外れた非常識と言うことは認識している二人は、ただでさえ信仰心でこの場に来て、神様を手伝う為に修行を始めた彼に勝利できるとしても、彼を軽く見積もるつもりは無かった。
稔は剣を抜くと、氷に向かって数度振るい、その後で剣の柄で氷を叩く。
稔が振りぬいた剣閃そのままに絶たれた氷塊は、柄で叩くと同時に切れて崩れ、大和の体からはがれて落ちて散っていった。
一応は普通の氷塊じゃないつもりだった真としては、事も無げに断ち切られて肩を落とす。
「…いや、そんなにあっさり綺麗に斬られると大したものじゃないように見えるから、さすがに。」
「私の剣も大したものなだけだ。いい加減謙遜も過ぎるな、彼にも悪いしな。」
「え、あー…」
氷塊から出てきた大和。
日に中学生に連敗していてはそれなりに傷もあるのか、苦い表情で頭を振る。
何を言うか迷った真は、とりあえず試合終了の礼も何もしていないことに気づいて会釈する。
「ええと…ありがとうございました。」
「いえ、此方こそありがとうございました。」
「試金石ご苦労じゃったの大和。」
礼をかわす二人に続くように、稔のものではない声が響く。
一同が声のした方…鳥居を見ると、そこには着物を着た女性が立っていた。
女性の姿を見たとたん、大和は慌てて片膝を突き頭を下げる。
「…なるほど、貴女が私達の事を彼に教えた神様…と言う事ですね。」
「うむ、主らの事は馬鹿弟から聞いておる。」
「弟ってスサノオ様?って事は…アマテラス様?」
「その通り。蛟の件では弟と義妹が世話になったの。」
楽しげなアマテラスと普通に話す中学生二人。
仮にも信心深い結果練想空間に辿り着いた大和は、低姿勢を維持したままだが頬を引きつらせて二人を見る。
「き、君達…」
「あぁ、すみません。馬鹿にしてると言うわけじゃないですが、貴方と同じようにはちょっと…」
仮にも神様相手の対応だと言うのにまるで自分がおかしいように言われた大和はそれで硬直したまま何も言えなくなる。
そんな彼の様子を見てアマテラスは盛大に笑う。
「こやつら、スサノオの奴を剣で破るのを目標にしとる位じゃからの。初めから主とはモノが違うと言うことじゃな。」
「スサノオ様を…破る…ですか…」
「とりあえず今日は帰っておれ。」
「は、はい。」
半分パニックを起こしたような状態のままだが、それでも帰るように言われた大和はおとなしく練想空間を出る。
「あの…なんで帰しちゃったんですか?」
「信仰篤い大和をあのままこの軽い空気において置けんじゃろ。あやつのほうに目標が低い等とも言えんしの。」
天に唾はく人間を前に、おとなしくさせるか同類になれと言うか。
どちらにせよ心苦しいことこの上ない選択肢を与えるわけにも行かずに大和を帰らせたのだ。
(何だかんだ、神様なんだな。)
稔は、アマテラスのささやかな気配りに人への慈愛を感じ、スサノオとの今までを振り返る。
突っ込み所は山程あったが、見守って、支えて貰えてはいたと思った。
「しかしまた見事よの…かくもたやすく我が弟子を…」
額を押さえて悲しげに呟くアマテラス。
事前に二人の事を知っていたとは言え、直接面倒を見ていた大和が手も足も出なかった事実はあまり喜ばしいものではなかったのだろう。
「正直蛟を相手にしたあとでは驚異も感じませんでした。」
「いや、ちゃんと強かったって…稔が達人過ぎるだけで。」
落ち込む神様相手にもいつも通りな二人。
フォローしている真にも動揺や驚きが見えない辺りから、逆にそれだけの差を感じさせ、アマテラスは頬を膨らませて二人を見る。
「いやぁまた勝って悪いな姉上、この俺の弟子二人が強すぎて。」
と、そんな彼女の背後に、ニヤニヤしながらスサノオが顔をだした。
『また』と『俺の』をこれでもかと言わんばかりに強調するスサノオに対して頭に来たのか、アマテラスはいきなり振り返りながら平手打ちを振り抜いた。
平手打ち。
にも拘らず、まるで刀の素振りのような音が響く。
「危ねぇな、大岩こじ開ける力の平手打ちなんか蛟の体当たりより食らいたくないっつの。」
「やかましいっ!わざわざおちょくりにきおってこの姉不幸者!!」
「大体姉上は軍神じゃないでしょう、仮にもこの俺の」
「ええぃっ!うるさいうるさい!引き籠るぞ!!!」
悪ガキの弟とそれに手を焼いて泣きかけている姉と言うしかない光景を繰り広げる神様達を前に苦笑いする真。
対して、稔は話が進むまで静観を決め込むつもりで突っ立って眺めている。
「って御二人とも止めてくださいよ!!!」
「あ、クシナダ姫。何で焦ってるんです?」
と、二人と違って慌て気味のクシナダが現れ、落ち着いている二人に叫ぶ。
「何でも何も!アマテラス様が引き篭もられたら」
「あぁ、日が昇らなくなるからですか。」
冗談半分のように聞こえるが、実際この間蛟を打ち倒すことで川の氾濫をある程度沈めたと言う事実がある。
完全に日が常に見えなくなるまでは行かなくとも、常闇に近い状態になることは目に見えていた。
夜だからと気にもしていない稔に対して、その辺りの話を全く知らなかった真は首をかしげながら…
「大丈夫ですよ、アマテラス様はそれがわかっててやるような神様じゃないですから。」
ニッコリと、不安も邪気も何もない笑顔でそう言ってのけた。
慌てていたクシナダと、口論していた神様姉弟まで止まり、全員が真を見る。
「え?あれ?僕なにか変なこといいました?」
「…いいや、とてつもなくお前らしい止め方だよ。」
裏も策もなくああも笑顔で信頼を告げられれば、余程性格の狂ったものでもなければ裏切る気になどなれない。
それが判った稔は、戸惑う真を皮肉交じりに褒めた。
真一人よく分かってない内に落ち着いた状況。
そんな中、話を進める為にアマテラスが咳払いをする。
「さて…では改めて、妾の弟子の不安の払拭に付き合ってくれた礼と、打ち破ったことへの賛辞を送らせてもらおう。」
拍手と共に丁寧に告げられ、真と稔はそれぞれに軽く会釈を返す。
「でだ、褒美と言うにはささやかかもしれんが、主らに授けたい情報がある。」
勿体ぶるように話すアマテラスを前に、静かに話の続きを待つ真と稔。
少しの間を置いて、アマテラスは面白くなさそうに頬を膨らませた。
「何か無いのか?こう…『うわーいやったぁ!』とか、『ありがたき幸せ!』とか…」
「え、あー…途中で騒ぐのもどうかなーって…」
「スサノオ様が楽しそうなときにロクなことがなかったので。」
「おいこら弟子。」
感謝がない訳ではないが、特に信仰に篤くはない二人は、アマテラスの言うような反応が自然にできなかったのだ。
が、まさか直接『騒ぐほどありがたくない』等と言えるわけもなく、他に言い様を探す。
結果、何度もスサノオに笑いながら危ない橋を渡らされている稔はアマテラスへのフォローにスサノオをなじると言う本末転倒気味の対処になった。
だが、スサノオに散々煮え湯を飲まされているアマテラスは、それで気をよくした。
「そこの暴走マザシスコンと違ってちゃんと主らの足しになるだけの情報じゃ。」
「好き放題言いやがってったく…」
ここぞとばかりに得意気にするアマテラス。
「それで情報と言うのはの、何と…夢現同化に辿り着いた者の居場所じゃ!!」
「えぇっ!?」
アマテラスがもたらした想像もしていなかった話に声をあげて驚く真。傍らの稔もさすがに驚きを隠せずにいた。
「スサノオ様からは日本にいないと伺っているのですが…海外なのですか?」
「阿呆。お子様の主らに海外の辺境の情報なんぞ意味なかろう。」
「それこそ冗談抜かせ馬鹿姉!夢現同化まで行ってる奴なんか俺が知らねぇ訳あるか!!」
二人に『見本などいるわけがない』と言い切ったスサノオは、姉への対抗心もあって声を荒らげる。
加えて、弟子である二人が蛟相手に死闘を演じるはめになった理由に、真威の使い手が少ないと言う訳があるのだ。
愛弟子二人に綱渡りをさせた今更、上の使い手がいるなど聞きたくもない話だった。
「ふふん、盲点じゃな。練想空間を認知しておるのが最低条件と言うなら確かにおらん。じゃが、知っての通りアスリートの上位とかなら多少なり真威を扱っておるじゃろ?そんな練想空間を知らん娘じゃ。」
「馬鹿言え!そんな奴に夢現同化ができてたまるかよ!」
既に人の域にはない真と稔が使えなくて困っている夢現同化。
それを使える一般人などいてたまるかと憤るスサノオ。
「じゃから盲点と言うたろう?『大層でない夢現同化』を使えるのじゃ。」
「はぁ!?んなもんどこに」
「雨乞いじゃよ。」
興奮ぎみに食って掛かっていたスサノオがついに止まる。
対して、それだけで察しが付いたのか、稔は小さく頷いた。
「成る程…確かに盲点ですね。」
「弟子は静かに聞いて考えとったようじゃぞ?全く…すぐ暴れおって。」
「ぐっ…」
静かに話を聞いていた上理由を察した稔を前に、いない知らないとわめいていたスサノオは押し黙るはめになる。
そんな中…
「あの…どういうこと?」
さっぱりわかっていない真が、おずおずと手を挙げてそう言った。
最強の真威の使い手の予想外かつ情けない一言に派手にずっこける神様姉弟。
真の反応が予想の範疇だった稔は、彼らに代わり説明を始めた。
「アスリート達が僅かなり自分達の身体を真威で強化しているだろ?」
「あ、うん。」
「雨は元々自然現象だ、件の少女は練想空間に至らないままで僅かなり真威で降らせる助けをしているんだろう。そして、真威や惑意、練想空間を認識できる私たちは、どんな感じで出来ているのか確認できる。その雨乞いを見れれば現実で対外的に真威を発揮する手掛かりになるかもしれないと言うことだ。」
元々自作魔法剣などと言う異質な代物を理解しようと頭を捻った稔としては、雨乞い程度なら簡単に理解が及んだらしく、理解した過程をなぞる稔の一度の話だけで大した成績でもない真もすぐに理解した。
立ち直ったアマテラスも特に補則はいらなかったのか頷き、得意気に胸を張る。
「俺の弟子に練想空間も知らん娘を紹介するだけで、自分の弟子はこてんぱんにやられてるくせに。」
が、スサノオの一言で凍りついたかのように動かなくなり…
「引き篭る。」
「はやや…だからすねないでくださいよぉ!!」
「うるさいうるさい!何だってわざわざこんな機会をもうけた妾がこう好き放題言われんとならんのじゃ!!」
肝心の娘の名前も居場所も聞かないうちに拗ねるアマテラスを前に、稔は俯いて肩を落とす。
「普通に仲のいい兄弟はいないのか…まったく。」
「あはは…まぁなんだかんだ仲が悪い訳じゃないと思うけどね。」
二人は身近な知り合いの兄弟を思い出しながら、神様の騒ぎを眺めていた。
追放ものの暴挙後、神器の献上。スサノオ様とアマテラス様は実際問題仲良かったのかそうでなかったのか。喧嘩時と普段で極端に変わる感じなんですかね、兄弟って(苦笑)。