4月1日だから、"世界"について話そう
4月1日、エイプリルフールです。
嘘を吐いても良い日、なら私がこの世で最も美しいと確信している嘘、「創作」についても許される日であるべきです。許される、というよりも喜ばれる、という表現の方が良いかも知れません。別に今、創作が許されているという訳ではありませんし、それなら「創作活動感謝デー」という日の方が良いかも知れません。
まぁ、そんなどうでも良い事はここら辺にして、折角明日は「創作感謝デー」(今自分の中で決めたばかりだけど)なので自分の好きな言葉、"世界"について今回は考察させていただきます。
今回もまた投げっぱなし、これが正解か、間違っているのか。矛盾はあるのか、ないのかと言った事は求めていないし、そこまで言及する気もないので、それくらいの気持ちで書いている考察だと思って読んで貰えると嬉しいです。
皆さんは"パンク"という言葉を聞いた事があるでしょうか?
この場合の"パンク"とは車とか自転車のタイヤが穴があいて使い物にならなくなったという意味での"パンク"ではございません、世界を示す"パンク"です。
1980年代頃、1つの作品ジャンルが成立、流行しました。"サイバーパンク"と呼ばれる物です。
「サイバーパンク」とはとある作家様が未成年の技術者集団を描いた短編のタイトルでありましたが、その後で編集者兼評論家の手によって、作風を指す新語として用いられました。
"サイバーパンク"、それはその時点でSF界における作風を示す思想・運動・スタイルとなりました。
今の世界は電気技術や機械技術を用いる世界ではありますが、"サイバーパンク"ではそれ以上に技術が異常と呼べるまでに発展した世界です。
人体や意識を機械的ないし生物工学的に拡張、個人や集団がより大規模な技術構造に接続ないし取り込まれた状況。典型的なサイバーパンクとは、そう言う物が多く出る世界の事を指します。
サイバーパンクという言葉を知らないにしても、強化個体や人体改造、アンドロイドなどが良く出る作品は見た事があるでしょう。
サイバー技術が発展したこの"サイバーパンク"はさらに派生して、多くのSFサブジャンルを生み出しました。
バイオテクノロジーが異常発展した"バイオパンク"。
蒸気技術が異常発展した"スチームパンク"。
ゼンマイによる歯車機構が異常発展した"クロックパンク"。
ディーゼル、化石燃料を用いた技術が異常発展した"ディーゼルパンク"。
また、今まで紹介したのはSF……元となったサイバーパンクがSFであったため、他のサブジャンルもSFのジャンルが多いのですが、SF以外にも派生しています。
現代社会にエルフなどの非科学的存在を出す"エルフパンク"。
神話や伝説を起点とした"ミスパンク"。
流血シーンを鮮明に、かつ残虐的に書く"スプラッタパンク"。
まぁ、このようにパンクと名のつくジャンルは数多く存在し、今あげた以外にもあるのかもしれませんが、私がここで主として考察したいのはそこではありません。
パンク、とはなんなのか。
今まであげてきた"パンク"と名の付く物から私なりに推察するに、ここで言う"パンク"とは"なにがその社会の中心であるか"が重要なんだと思います。
サイバーパンクやスチームパンクなどは分かりやすいですね、サイバー技術や蒸気技術が世界の根幹となっています。
エルフパンクではエルフが世界の技術根幹を為していませんが、この作品ではエルフなどの非科学的要素が入り混じる事に一番の重きを置いているジャンルです。スプラッターも鮮血シーンなど残酷なシーンが主流となっています。
なにが一番重要で、なにのおかげで世界が回っているのか。
それを端的に表したのが"〇〇パンク"と呼ばれた今のジャンル群なのでしょう。
さて今、ここ「小説家になろう」の主流は異世界です。
剣や魔法、能力やエルフなどの異種族が出てきますが、この場合パンクの前に付けるのはなんという言葉が良いでしょうか?
転生者が世界の中心だから、転生者パンク? いや、転移者も居るから、転移者パンク?
神などの超越的な存在から力を貰っているから、神パンク? あるいはそのまま、チートパンク?
自分の小説がなにパンクなのか。
自分の小説で、一番主流なのはなんなのか。
それを考えるだけでも、作品で見えてくる景色……世界が違って来るのではないだろうか?
ちなみに、わたし個人としては「エンジェルパンク」という世界の作品を考えてみた。
世界の根幹となるのは、天使と呼ばれる不可思議な存在。
神によって人間の数百倍の速さと量が生み出されるその非科学的存在を、人々はエネルギーとして捕獲・利用して来た。
主人公はそんな非人道的な行為を止めるために――――
とまぁ、「〇〇パンク」を使うとこんな感じで主人公が行動する目的にもなったりもする。
スチームパンクで蒸気を使って空を飛んだり、クロックパンクでは有名な奴だと近々ゼンマイ仕掛けのヒロインが出てくる小説がアニメ化されたり。
色々と弄る事は多い気がする。