第31話 王族
書いている内に寝落ちしてしまい、すいませんが、今日は1話だけになります。
今、第二王女は王城で退屈そうにしていた。エリーナは動き回るのが好きで、ジッとしているのは苦手である。自分の部屋だからなのか、王女らしくもなくラフな服装で、ベッドを転がっていた。口調も戦争中のと違ったフランクがあった。
「あ~、退屈……。魔物狩りに行きたい……」
「エリーナ様、みっともない姿を見せないで下さい」
この前の戦争で活躍していた弓矢使いの近衛騎士がメイドの姿をしており、だらしない姿に注意をしていた。
「だって、暇だもの……。だったら、こっちから魔人の国へ攻めればいいじゃない。最近は攻められてばかりじゃない」
「その提案は却下されたのでしょう」
攻めに回る提案があったが、会議によって却下されている。魔人の国は何処にあるかは既にわかっているが、道中が厳しいとか街を留守にすることは出来ないなどの理由により、攻めに回るのは厳しいと判断されたからだ。
それに、魔人の国にいる魔人の詳しい数がまだわかっておらず、魔王の強さも不明で、無駄な死を増やすにはいかないのだ。
「意気地なしだわ……」
「エリーナ様であっても、魔王と残っている四死魔将と同時に戦うのは厳しいでしょう。分散して、攻めてくれた方がやりやすいでしょう?」
「それはそうだけど~、いつでも闘いをしたいのは変だと思う?」
「変です。頭がやられたと言われても仕方がないと思われますよ?」
「ちぇっー」
流石に、エリーナは自分の王女様としての仕事を放り出すにはいかない。第一王女は他の国に嫁いでおり、第一王子は12歳、第二王子は10歳でまだ小さいから、エリーナが頑張らなければならない。
「そういえば、リリアーナ・オリエントはまだ見つかりませんか?」
「まだ見つかっていません。オリエント公爵の主人の話では、魔物に乗って飛んでいったので、痕跡から探すのは不可能です。今は人海戦術で探して貰っていますが、目撃情報はありません」
「手掛かりは一つもないか。強くなりたいと聞いたから、森の何処かにいるのは間違いないが……」
まだ小さい時から保護して、ダスティス王国の為に働けるようにと調教しておきたいので、捜索の手を増やしていたが、まだ手掛かりさえも見つからない。
他の方法はないかと考えていたら、扉からノックがあった。
「アルディンです」
「あぁ、入ってもいいぞ」
「失礼します。って、だらしない格好をしてないでキチンとして下さい。もしかしたら、私みたいに他の人が部屋に訪問してくるかもしれないのですから」
「自分の部屋ぐらいは自由にさせて貰いたいのだが……」
何処にも自由はないのかと嘆きたくなるエリーナだったが、今はアルディンが訪問してきた用事を聞くことにした。
「何か用があったんじゃないのか?」
「はい、リリアーナ・オリエントのことを探していると聞きました。リリアーナは友人なのでお手柔らかに保護して貰いたいなと思いまして」
「あー、そんなことか」
「リリアーナが禁書を読んでいてもですよ?」
「……なんで、知っている? アリクト、此処での話を何処にも漏らすな」
「畏まりました」
禁書と出た時点でヤバい話だとわかるが、エリーナの命令で聞かなかったことにする。
「で?」
「リリアーナは強くて頭がいい魔物を召喚したと聞いています。普通の召喚魔法では、そんか魔物を召喚するのは不可能です。そんな力がある魔法は、禁書しか思い当たらなかったから、と推測しましたが……合っているようですね」
「……はぁ、良く調べているな。あぁ、リリアーナの部屋から魔力残滓が残っている白紙の本が2冊も見つかった。つまり、リリアーナは最低でも禁書の力は2つも持っている可能性が高い」
「2つも!? なおさら、無傷で保護して貰いたいモノだね」
「なんで、そこまで気にする?」
エリーナはリリィに会ったことがないなら、どんな人か知らないが……、アルディンがそこまで気にしていることに興味を惹かれた。
「やだだねぇ、惚れたから私の婚約者になって貰いたいのさ」
「ほ、惚れた……?」
「はい! 彼女は、知識に貪欲で芯の通った女性です。更に魔法にも興味があり、強くなりたいとも聞きました。それに、容姿も大きくなれば美女になるのは間違いないでしょう。そんな女性を妾に迎えたいのですよ!!」
アルディンはまだ10歳だが、恋を知った。好きな人がいることは幸せだろう。
だが、エリーナには好きな人はおらず、好みの男性は、自分より強くて頼もしい人になるが、そんな男性とは会ったことがない。
(まさか、恋愛事で弟に負けるとは……)
魔人が襲ってくるような事態が落ち着いて、第一王子が成人すれば、エリーナは防衛部隊に回されるか、何処かの国に嫁がれるのどちらかになるだろう。
どの道、自分で好きな人を見つけるのは無理だろう。
「そうか……、出来るだけ丁寧に保護をするが、抵抗されたらわからないぞ」
「こっちが無理を言っているのは理解していますから」
「わかっているなら、いい。用はそれだけか?」
「あ、あと禁書を保管している倉庫に入りたいのですが。リリアーナに釣り合うように、私も強くありたいですからね」
「……はぁ、無理だ」
「どうしてでしょうか? 姉さんも読んだのでしょう?」
「私の場合は、アルディンよりも小さい頃に、禁書だと知らずに読んでしまい、たまたま手に入れただけなのよ」
自分から力を得ようとして、珍しい本が保管しているとしか知らなかったエリーナは周りに秘密で禁書が保管されていた場所に忍び込んだことがあった。たまたま手に取った禁書を読めたことから、騒ぎになってしまったが、その力をダスティス王国の為に使うことで、特例に許されているのだ。決して、禁書を読むのを推奨しているわけでもない。
「…………そうですか。わかりました」
「わかってくれたなら、いい」
「用はこれだけです。リリアーナのこと、宜しくお願いします」
アルディンはそう言い、部屋から出て行った。素直だったことに安堵するエリーナだったがーーーー
「保管された禁書が駄目なら、自分で探し出せばいい……。おいっ」 「ここに」
アルディンはまだ諦めていなかった。保管されている禁書とは別の禁書を見つけ出すようにと指示を出すのだったーーーー
また明日に〜。




